ゴミ問題を考える 

1) 家庭で出すゴミ
(問1)家庭ゴミは、1日1人あたり、ズバリ何グラムくらい出されているでしょうか(1997年)?

                             (問1の答へ)

(問2)このうち、最も大きい割合で出されているゴミが2種類あります。それは何と何でしょうか?

                             (問2の答へ) 

(問3)では重さではなく、容積で1番大きな割合を占めるのはどんな種類のゴミでしょうか?
<ヒント>コンビニエンスストアによく行く人はわかるはず…

                             (問3の答へ)

(問4)台所で出る、いわゆる生ゴミのうち、30〜40%が(@)、10%が(A)だといいます。さて、
    (@)と(A)にはそれぞれどんな内容が入るでしょうか?
<ヒント>特に(A)の方はショッキングな内容です。
 

                             (問4の答へ)

○「不便なこと」=「地球にやさしいこと」
私たちは1リットルのジュースを買う場合、ビンではなく紙パックのものを選んでしまいます。それは当然ながら
紙パックのの方が軽いからです(紙パック10グラム、ビン1キロ)。また買い物は小売店よりスーパーでまとめ
買いをする場合が多いと思います。それは短時間で必要なものがすべて揃うからです。しかしスーパーで買う
と、小売店より
包装の量・重さで4割、容積で3〜5倍も多いのです。つまり時間や手間がかかることが、すべて
地球にやさしいと思って間違いないのです。


(問5)下のデータは、何を示しているものなのか、考えてみて下さい。

  
1人:600グラム     2人:410グラム     3人:400グラム
  4人:420グラム     5人:330グラム     6人:320グラム

<ヒント>グラム数はゴミの量です。では、人数は何の人数だと思いますか?

                              
(問5の答へ)

2) 空き缶について知ろう
飲料缶の材質は、約4割がアルミ缶、6割がスチール缶です(1997年度)。リサイクル率は両者とも75%前後で、
年々上昇してきてはいます。
(問6)アルミ缶をリサイクルしたものから作り直すときのエネルギー消費は、原料であるボーキサイトから
    つくる時の何%ですむと思いますか。

             ア) 63%   イ) 33%   ウ) 13%   エ) 3%

                              
(問6の答へ)

(問7)アルミ缶には、リサイクルする上で欠点があります。それは何だと思いますか?

<ヒント>アルミは軽くて丈夫です。しかしそのために…

                              
(問7の答へ)

○缶よりもビンの方が、環境への負荷が少ないことは言うまでもありません。しかし、ビンでもワンウェイビンと言っ
て、 1度使われた後、回収されてカレットというガラスビンの原料にしてしまうものが全体の9割で、何度も洗って
そのまま使うリターナブルビンは、1割程度にしかすぎません。
(問8)このリターナブルビンを使っている代表選手がビール会社です。環境問題が叫ばれている今日、
    リターナブルビンを使用していることは企業イメージ的にも有利ですが、実際上のメリットもあるの
    です。それはどんなことでしょうか?

<ヒント>当然、コストの問題です。 

                             
 (問8の答へ)

◇おまけ多すぎないか?自動販売機
私はアメリカやヨーロッパに行ったことがありますが、日本ほど飲み物をはじめとした自動販売機が町にあふれて
いるところはありませんでした。
(問9)1999年末段階で、日本の総人口に対する飲料自販機の割合は次のうちどれだと思いますか?
    ア) 45000人に1台   イ) 4500人に1台   ウ) 450人に1台   エ) 45人に1台

                             
 (問9の答へ)

(問10)飲料自販機1台が1ヶ月に消費するエネルギーは、一般家庭の1ヶ月の消費電力量の何%に
     相当すると思いますか?
        ア) 10%   イ) 20%   ウ) 40%   エ) 70% 

                              
(問10の答へ)

◎答と解説
(問1)800グラムです。家庭ゴミと事務所などから出される「事務系ゴミ」をあわせて「一般廃棄物」といいます
が、これだと1114グラムになります。

                                
 (次へ)

(問2)
厨芥類(ちゅうかいるい)つまり台所ゴミ、それと紙類がそれぞれ約30%ずつを占めています。第3位が
プラスチック類で約10%です。このうち紙類はかなりな部分が資源ゴミとして再利用できます。また台所ゴミに
ついても、たい肥などにできますので、これをあわせれば、
単純に言って家庭で出るゴミの60%近くは削減
可能なわけです。


                                 
(次へ)

(問3)
プラスチック類で、全体の約40%を占めています。このうちほとんどは食料品関係のパック、カップ、あ
るいは袋などの容器、包装に使われたものです。同じ容器・包装目的の紙、ガラス、金属などが家庭ゴミ全体
の60%を占めていますから、
「簡易包装」の重要性がよくわかります。

                                
 (次へ)

(問4)
@には「食べ残し」、Aには「買ったまま捨てられた」が入ります。皆さん、心当たりはありませんか
(含自分)?そういえばこんなデータもあります。1997年度、国民1人当たり1日に供給された食料は
2619キロカロリー、しかし実際に接種されたのは1948キロカロリーでした。また京都市で家庭ゴミの
中身を調べたところ、1981年と1997年を比べて、調理くずが減ったのに対して、食べ残しの量が増えた
こと、食べ残しの中にはそのまま未開封のまま捨てられたものが増えたことがわかったそうです。やっぱり
…(これ以上は怖くて書けません)

                                 
(次へ)

(問5)人数は「家族数」を、グラム数は「1日1人当たりの出るゴミの量」を示しています。
つまり、家族数が
多いほど1人当たりのゴミの量は少ないことがわかります。
1人暮らし、核家族は環境に悪い!?

                                 
(次へ)

(問6)答は
エの3%です。アルミ缶は特にリサイクルが大切なことがわかります。アルミ1トンつくるには、
ボーキサイトを4,5トンも必要とし、しかも生産にともなって赤泥などのゴミが5トンも出てしまうのです。
さらに、作る際には15000キロワットという大量の電力が必要で、このためアルミは「電気の缶詰」など
と呼ばれているのです。

                                
 (次へ)

(問7)
重さがないわりにかさばるので、輸送費が高くついてしまうのです。

                                
 (次へ)

(問8)当然ですが、
リターナブルビンを使っていた方が利益が上がるからです。ビールビンは普通、洗浄
して20回くらい使用されるそうですが、その洗浄費用は約20円だそうです。ところが新たなビールビンは
約40円します。ですから、ただでさえ値段の中に税金が多くを占めている中で、リターナブルビンを新たに
使うと値段は同じなのに20円も利益が減ることになります。これは大きいですね。

                                
 (次へ)

(問9)
答はエです。飲料自販機は約265万1800台。これで総人口1億2000万人を割ると、こうなります。
ちなみに愛知県豊田市では法的手段ではありませんが、1998年4月から市の施設に飲料・菓子類の自販
機を撤去し、市民に「ライフスタイルを変えましょう」と呼びかけているそうです。

                                 
(次へ)

(問10)答はエです。全国の飲料自販機の総電力消費量は、大型発電所1基分に相当し、これは地球温暖
化防止の観点からも問題だ、との指摘もあります。

◎ふつう、ゴミ問題に対してはリサイクルということが叫ばれますが、実はそれよりも有効な手段として、
Reduce(リデュース、発生抑制)、Reuse(リユース、再使用)があります。そのためには、衝動買いをやめ、
時間をかけて気に入ったものを買って満足感を得て、そのものに対し愛着を持って長持ちさせること、買う
場合には必要な量だけ、しかもリユース、リサイクルしやすい製品を買うことなどが求められます。

※以上の問題と答え、解説は、加藤三郎『かしこいリサイクルQ&A』(岩波ブックレット531,
2001年)、八太昭道『ごみから地球を考える』(岩波ジュニア新書、1991年)などをもとに作成
しました。

                           <現代社会メニューへ>