2003年の暮、放浪に疲れたオレは近ドジイサン宅の

軒下で寒さをしのいでいたんだ。夜半に酒臭い

ジイサンが帰って来て「こんなモンしか無いけんど」と

食い物をくれたんだ。いやー嬉しかったね。

 

一宿一飯のお礼にと、オレはしばらく番犬として

恩返しをしてやろうと思ったんだ。

 

正月明けに不審な髭ヅラがやって来たんで

思いっきり吠えてやった。すると家からジイサンが

出てきて、何やら親しそうに話をしているではないか。

この「不審な髭ヅラ」が近ド@勝沼だったとは・・・。

 

数日後、近所の「野良犬」通報で役場の職員が

来てジイサンに「お困りなら引き取ります」と

言いやがる。あん時はあせったぜぃ、まったく。

 

ジイサンが「ウチで面倒見ます」って言ってくれたんだ。

オレは精一杯の力を出してシッポを振った。

そして「ゴン」と命名され、鎖に繋がれたのだ。

 

2004年のゴン その1