奥久慈は茸の宝庫です。マツタケを始め、ウラベニホテイシメジ、サクラシメジ、コウタケ、ホウキタケ、ムラサキシメジ等優良な茸が出ます。
しかし最近は杉檜の植林が多くなり、よい茸の山が少なくなっています。
まして、林業農業の担い手の減少で山が荒廃し、良い茸が少なくなっています。
茸は自然の山方が多く出そうですが、実際は手入れされた山の方が多くの種類が出ます。
採取する場合でもなるべく籠を使って、胞子が落ちるようにしましょう。
それでは奥久慈の茸をご紹介しましょう。(画像はまだない物もあります。昨年はハズレで写真が撮れませんでした。)
春に出るちょっと変わったキノコ。 形が異様なので食べる人は少なかったのですが、美味しいのが分かってからは食べる人も多くなっています。 ただ道端によく出るのですが、犬の散歩コースだった場合は食べるのはためらわれます ヨーロッパでは独特の食感で人気の高いキノコです。 |
梅の木などバラ科の木の下に出るキノコです。 場所によっては梅シメジと呼んでいるところもあります。 キノコの少ない時期に出るキノコで、しかも美味しいですので春の楽しみです。 山に行くよりは梅林を歩いたほうが効率がいい。 生は中毒しますのでよく火を通して食べましょう。 |
「匂いマツタケ味シメジ」と言われるシメジがこれです。 今年(H17年)はやっと試食できました。 ずっと以前に一度小さいのを採ったのですが、その時は食べませんでした。 シャカシメジと同じで良い出汁が出て、食感も良くまさにシメジの中のシメジです。 クセもなく何にでも良く合います。 |
ロート状になる大型のキノコで、一度干してから戻して調理すると非常に美味しいキノコです。 専門にこのキノコだけを狙っている人もいるくらいです。色が地味なので大きさの割には見つけづらい。 疲れて腰を下ろしたら足下にあったなどということがあります。 図鑑にはコウタケと同一種とされていますが、どうも何種類かあるような気がして、知り合いのキノコに詳しい人に訪ねて見ましたら、その方はシシタケ・コウタケ・イノハナの三種があると言ってました。 ロート状の大型種がコウタケで、小型の中央のくぼみが細く裏の針状が細かいのがシシタケ、中間の大きさで裏の針状の長い物がイノハナと言うそうです。 私はまだ2種類しか確認していませんが、キノコに詳しい方のご意見をお待ちしています。 非常に匂いの強いキノコで、干すときには遠くに干さないと、すぐに取ったのがばれてしまいます。 炊き込みご飯が最高。しかし酒を飲みながら炒めた物を食べ過ぎると悪酔いする場合があります。(私だけかもしれませんが) |
庭や畑、草地、道端などに群生、大株になることもあります。 根元は地中の木材などにつながっています。 肉はしゃきしゃきして歯ざわりがよく、千本シメジと同等かそれ以上という人もいます。 私は道路わきの空き地でとっていますので、キノコの時期になったら車でちょっと行って取ってきます。 なんにでも良く合い美味しいキノコですが、私はこのキノコを中華風スープにして食べています。 |
アカハツに大変よく似ていますが、アカモミタケはモミ属の木の下にアカハツは黒松や赤松などの松属の木の下に発生します。 また傷つくとアカハツは乳液がワイン色に変色するのにアカモミタケは橙色のままで変色しません。 肉質ははもろいが茹でると多少弾力がでます。 コクのある旨みがあり、じっくり煮込む料理に合います。 |
秋遅くに発生。傘が黒いのと小型なので見つけにくい。 形はハエトリシメジやキシメジに似ている。 比較的もろく古くなると粉々になってしまう。 茹でると弾力が出て歯切れがよく、旨みのあるよいダシが出る。 |
林道の脇などに群がって生え、ボリュームのあるキノコです。 茎の歯切れは大変良く、茎だけを採ってくる人もいます。 全体に黄色のきな粉をまぶしたようで、調理するときは一度洗ってからにした方がよいです。 香りに個性があり汗くさいようなにおいがありますが、調理すると消えて気にならなくなります。 ただし、コガネタケの中には黄色の強い種類の中に下痢・嘔吐の中毒例もあるそうなので注意が必要です。 |
大子ではシシガシラ(猿の頭)と呼んでいます。 食べられるとは聞いていましたが、食べた人には会いませんでした。 で、食べてみました。 以外としっかりした肉質で中はスポンジ状。 味は癖がなくさっぱりしています。 酢の物、さっと茹でて刺身ふうにワサビ醤油で、または茶碗蒸し、 お吸い物等さっぱりした調理に合います。 |
奥久慈で最も一般的なキノコです。正確にはウラベニホテイシメジで,イッポンシメジは毒キノコです。 少し苦みがありますがプリプリっとした歯ごたえが格別です。けんちん汁や、ホイル焼きが合います。 似たキノコに毒キノコのツキヨタケ(正式名はクサウラベニタケ)があり、毎年多くの人があてられています。 典型的なものは判別できますが、中間的なものがあり悩まされます。自信のないものは食べないようにした方が無難です。茎が中空でなくしっかりしたもので、傘が山形になり爪で押したようなシミのあるものならば間違いありません。 一種類だけで食べるより何種類かのキノコこと一緒に料理した方が、より美味しくなります。 茎の中心の綿状のものを取って調理すると、苦みが少なくなります。 |
イッポンシメジとともに大子では人気のある優良なキノコです。 少し苦みがありますが油との相性が抜群で、歯ごたえもあり美味しいキノコです。 菌輪を作りますので、うまくするとずらっと並んでとれる場合もあります。 一本見つけたらよく探すと列をなしていることが多く、思わずニンマリしてしまうでしょう。 けんちん汁・ナスとの油炒めが最高です。 |
マイタケのホダギに6月ごろから10月末頃まで、ずっと出ています。 傘は水っぽいものの、ジクもしっかりしていてイッポンシメジに似ていて食べられそうなので、那珂町のキノコ博士館で鑑定してもらいました。 結果ウラベニガサという名前で、食べられるといいます。 早速食べてみました。汁物では茎は歯ごたえが合って良いものの、傘は水っぽくて歯ごたえがありません。 バターでいためて食べると、歯ざわりがしっかりしていて美味しく食べられました。 味は癖が無く、食べ方に工夫すれば十分食用になると思います。 |
私の近所ではホウキタケは少ないのですが、大子の池田・浅川地区には良くでるようです。私は山方町の方で取ってます。 癖のない鶏のささみを思わせる美味しいキノコです。 ホウキタケにはたくさんの種類があり、人によっては全部食べられるという人もいますが、いろいろ試してみると私には腹痛や嘔吐はしないまでも、胸がむかむかする種類があります。 根本のぷっくりしたネズミの手と言われるもの以外無理に食べるほどではないと思います。 炊き込みご飯や、炒め物・鍋物・けんちん汁等何にでも良く合います。 |
これも種類が多く晩秋にでる本当のムラサキシメジ・ムラサキアブラシメジ・カワムラフウセンタケ・ニセマンジュウガサを全て大子ではムラサキシメジと呼んでいます。 人と話をしていると違ったキノコの話で混乱する場合があります。正式なムラサキシメジは晩秋に出、少し土臭い匂いがしますがみそ汁にすると鯉こくのような味がします。鍋物や中華風のスープにも良く合います。 列をなして出ますので上手くすると籠いっぱいとれます。 |
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ムラサキシメジ | ムラサキアブラシメジ | ムラサキフウセンタケ |
大子ではカキシメジの名で呼ばれていますが、本当のカキシメジは毒キノコです。ニセアブラシメジと呼ばれることもあり、名前が混乱します。 味の良いキノコの代表です。木の葉を持ち上げてモコモコっと出てますので、一本見つけたら周囲を探すと思わぬ大収穫になる場合があります。 私はこのキノコと色の薄いカキシメジとを間違って食べ、吐いたり下ったりを経験したことがあります。傘の裏をよく見るべきでした。 鍋物・雑炊・油炒め・けんちん汁・オムレツ等何にでも良くあいます。 |
大子では山鳥シメジと呼ばれています。 株になって出ている様子が、ちょうど山鳥が噤んでいるように見えるのです。 普通株になっていますが、時に一本で出ていたときなどは大変太いのがあって驚きます。 茎は堅くしまって歯切れが良いいです。 特に炊き込みご飯やリゾットなどの米との相性がいいです。 |
あたり年には沢山取れます。松茸取りに行ってキシメジと共に外道として取って来ます。
外道などといっては失礼なほどに味はよい。
ただ、煮ると色が悪いのと、あまりにもツルリとのどに入ってしまうので注意が必要で、「喉カンパ」の異名があります。
沢山取れた場合にはさっと茹でて、小分けにして冷凍保存すれば一年中食べられます。
管孔部の消化が悪いため、食べ過ぎると下痢をする場合があります。
栃木県ではチタケと呼んで松茸以上に珍重します。はずれの年にはビックリするような高値で取り引きされています。 大子では従来はあまり喜ばれはしませんでしたが、最近は栃木県の影響で人気が出てきました。 キノコ自体はぼそぼそした感じで美味しくはないのですが、良い出しが出て栃木ではチタケのつゆでうどんが食べたいという人が多いです。 ビロードチチタケ・チリメンチチタケ・ヒロハチチタケと普通のチチタケに分類されるようです。 良い出汁が出ますので汁物に合います。チタケ汁でウドンは栃木県の代表です。 梅雨明け後10日くらいに発生の第一回のピークがあり、その後秋までずっと出ます。 画像はビロードチチタケです。 |
大子ではナラモダシの名で親しまれています。秋10月頃に発生し、雑木を伐採した後の山では持ちきれないほどとれます。 このキノコと土アケビは密接な関係にあるそうです。 日光の白根山はナラタケ菌によって樹木が枯れてしまったとのことで、ナラタケがわんさかとれそうです うま味のあるだしが出ますが、食べ過ぎや生食は中毒します。 2001年9月8日の栃木県下野新聞には中毒の記事が出ていました。 |
ナラタケより早く8月下旬から9月上旬にかけて発生。 木の切り株や枯れ木にびっしりと発生。 ツバが無い点でナラタケと区別できる。 味はナラタケより一歩劣り、歯切れはよいがあまりダシは出ない。 消化が悪いので食べ過ぎには注意した方がよい。 |
スーパーで売っている鍋用のシメジというのは、栽培品のヒラタケです。 自然には倒木や杭に出ます。タラの木の古株にはウスヒラタケが出ます。タラの畑があったら探してみましょう。 大子ではヒラタケよりもウスヒラタケの方がよく見られます。 鍋物用みたいな小さいものよりも,大きなものの方が美味しいです。 何にでもよく合い,出汁をよく含みます。大きなものはバターで焼いてステーキ風に。 |
毒々しい色のため食べるのはちょっとためらわれますが、,ぬめりがあり美味しいキノコです。 テングタケ科のキノコには毒キノコが多いので注意が必要です。 一カ所にずらっと出て、成長の過程が判るようにだんだん大きくなっているのは見事です。 ツボの部分は口当たりが悪いので、取って調理します。 夏に出るのは痛みやすいので、古くならないうちに調理した方がよいでしょう。 |
ホンシメジに負けない美味しいキノコです。 なかなか採れないキノコと思ってましたら、当たり年には良く出るキノコです。 毎年同じあたりに出ますので、一度見つけたら毎年時期をはずさずに見に行くべきです。 何にしても良く合い、歯切れが良く味の良いキノコです。 あまり大きくならないうちに食べた方が歯切れがよい。 |
見つけたら嬉しさのあまり、踊り出してしまうキノコです。 私も天然のを見つけたことがありますが、小さかったので小さくガッツポーズしたくらいでした。 栽培物と違ってひだの先の薄いところまでシャキシャキです。 何にでも良くあいますが天ぷらを塩で食べるのが美味しいです。 干して保存できますが、ひなた臭くなってしまうので、軽く炒めて冷凍保存した方が美味しいです。 写真の物は500グラムくらいの栽培物ですが、山中に埋め込んで自然発生させた物なので本物に近い色と味です。 |
センボン、マイタケと来たらこれを載せないわけにはいかないでしょう。 言わずとしれたキノコ界のロールスロイス、超の付く貴重品です。 香りマツタケ味シメジといわれますが、松林の土の匂いがします。 お吸い物や炊き込みご飯が美味しいですが、焼いて手で裂きながら食べるのが一番だと思います。 最近はよい松林が少なくなってきて採れなくなってしまいました。 木の葉をさらって手入れしてある松林の方が良く出るようです。 自然の山だと高い山の頂上の方に出るので、採れないときにはがっかりです。 写真の物は福島県の管理された山の物です。 |
別名”殺しの天使”絶対に食べてはいけない。 一本以上食べると死ぬ。解毒剤はない。 やや小型で柄が平滑はシロタマゴテングタケ。同じく猛毒。 毒キノコ番付表なるものがありますが、この二つが東西の横綱です。 ごく普通に見られるので要注意。 |
大子ではツキヨタケと呼ばれていますが、本当のツキヨタケは別物。 同じく大子では一本シメジと呼ばれているウラベニホテイシメジとよく似ているので、中毒が絶えません。 湿っているときにはヌメっていて光沢があるので比較的わかりやすいのですが、乾いていて太いものは区別しがたいものもあります。 判別のコツは第一印象で、典型的な両種は判りやすいのですが中間型のものは結局は食べないのが一番です。 ※ある方法で毒抜きをすると食べられるらしい。よーし、そのうちに・・・・。 |
クリタケに似ているので沢山出ていると、つい取りたくなってしまう。 苦いので少し食べてみればわかりますが、佃煮などにして大量に食べると危ない。 死亡の例もあるので要注意です。 ※これも毒抜きの方法があるらしい。 |