2002年7月8〜9日

銀山温泉 今回も昨年に続いて小国川です。
本当は今年は米代川に行く予定で調整していたのですが、一泊しか都合がつかなくて小国川に変更です。
すばらしい天然鮎と蕎麦の魅力にはかないません。

それと一度銀山温泉に泊まってみたかったのです。
「千と千尋の神隠し」の油屋のような旅館が川の両側に軒を連ねているのです。

7月8日 第一日目

大子を朝4時に出発する。毎度のことであるが誰も遅刻しないで4人が5分前には揃う。
仕事だとこうはいかないが、それは言わないことにする。
今回はナビ付の車なので道に迷う心配はないので、安心して出発する。
途中、棚倉町で新しく出来たバイパスを走ったのでナビが悩んでしまったが、それでもちゃんと正規のルートに戻って安心する。
後はナビも順調で迷うこともなくて東北道から山形道を山形市で降りて13号線を北上する。
山形市内で吉野家があったので朝食とするが、しばらく走ったら道の駅があって、朝食がバイキング形式で取り放題で一皿なんと300円!。
みんなで「失敗したなぁー」と言っても、もう食べられない。
舟形町でナビのいうことを聞かずに新しく出来た道路に入ってしまって、少し遠回りとなったが、まあ予定どうりに到着である。

鮎パークのところでオトリを買って情報を収集するが、あまり芳しくない様子。
はっきりとは言わないが解禁当初の爆釣は無さそうである。
川沿いにある道路を上流に向かって走らせる。
小国川ばかりではないが東北の鮎河川は道路や駐車場とか整備されていて、釣師に非常に親切である。
この点は久慈川は見習わなくてはなるまい。
久慈川ではややもすると排他的とも取られかねない、バリケードのようなものも一部見受けられる。
一ノ関大橋の上流に良い場所があって、川岸まで車が入るように葦を刈ってくれているので、有難く入ることにする。
みんなが準備している間にデジカメデ川を撮ろうとしたが、なんとバッテリー切れで取れない。夕べ充電したのにぃ!
後で判ったのだが接触不良だったようでその後は撮れたのだが、この時は釣りに気が向いていたのであっさり諦めてしまった。

駐車した前が平瀬でみんな思い思いの場所に散れたが、私は迷わず下流の荒瀬の白波の頭に陣取る。
いきなり瀬の流芯と言うわけにも行かないので(おとりは毎度のことだが一人一匹)、辺地のたるみから始める。
下流に入っている人はポツポツと掛かっている。すぐ上流に入った仲間が一匹掛ける。
しかし、僕にはなかなか来ない。辺地はさんざん引かれた後のようである。
下流の釣り師を見ていると、瀬でも泳がせられるところにはオトリを入れているようであるが、荒瀬の流芯には入れてないみたいだ。
「それではッ」って流芯にオモリをかまして入れてみる。石と石との間の流れの一番強いところにだ。
入れたらすぐに目印がとんだ。流れに乗って下流に下る鮎を石裏のたるみに止めて、引き抜く。
胸鰭、腹鰭、尻鰭、尻尾、すべて真黄色、脂鰭はオレンジ色。猪狩肩の体型。
「うーん、なんと美しい。これに逢いに来たんだよなぁ」掛かり鮎を握り締めて、しばし見とれてしまう。
こんな鮎が釣れるんでは来て良かったなぁ、としみじみ思う。昨年は瀬見温泉付近だったので、こんな綺麗な鮎は釣れなかった。
再び同じ場所にオトリを放す。すぐに2匹目。これも綺麗な鮎だ。
再び同じ場所。またも入れ掛かり。
何でこんな場所が竿抜けになっているのかと、嬉しくなってくる。
同じ筋で次々に掛かる。あまり動かなくても流れの一番強いところでは追ってくる。
筋を変えながら釣り下り、荒瀬の半分くらいのところで昼食とする。

残したところは一番の荒瀬なので誰も入らないだろうとタカをくくって昼食を取って、再び入ろうとしたらなんと3人も入っている。
「あちゃーッ、さっき掛かってたのを見られたのかな?」 しょうがないのでもっと下流のブロックの脇の深い瀬にオトリを入れる。
なんと根掛かり。どうやっても外れないのでしょうがない、引っ張って切る。
今度は同じ所で根掛かりしないように、もっと下流に入れてみる。
釣り下ってみるが一匹掛かっただけで後が続かない。午前中誰も竿を入れてないみたいだったが、釣れない場所なのかもしれない。
そうこうしている内に上流の最初の場所が空いたので、再び続きをやる。
前の人がどこに竿を入れているか確認していたので、迷わず対岸の石と石の間の瀬にオトリを放つ。
直ぐにくる。
「やっぱり狙いは正解だった」と一人ニンマリするが、残念ながら後が続かない。
その辺をうろうろするうちに納竿の時間となってしまった。残念!!
車に戻って情報交換すると、荒瀬とトロ瀬が良くて、見るからに良さそうな平瀬のところはいつも攻められているからか、あまり良くなかったったようである。
明日も天気が良ければここに入ろうと、確認をして宿に向かう。

今日の宿は「千と千尋の神隠し」の油屋のような宿が川沿いに並んでいる銀山温泉である。
347号線から右に折れて温泉に向かって走らせていくと、なんと行き止まりになってしまった。
しょうがないので代表が旅館に聞きに行く。程なく番頭さんがバイクで迎えに来てくれる。
駐車場はもっと手前にあるというので、僕が荷物番に残って車を置きに行ってもらう。
荷物は番頭さんのバイクに乗せてもらって、みんなでぞろぞろと歩いていく。
「今時玄関に車が横付けになんない旅館があんのかよ」などと、番頭さんに聞こえないように言いながら付いていく。
程なくそんな考えは撤回しなければならなくなった。
川沿いに素晴らしい宿が両脇に並んでいて、なるほどここに自動車は似合わない。
まるで「千と千尋の神隠し」の油屋が両脇に並んでいるようだ。
特に夕方になって宿に火が点ってからの景観は絶景である。
泊まり客はカメラを持って、夕食前のそぞろ歩きを楽しんでいる。
この頃になると台風6号の影響で、雨足がだんだん強くなってくるが、また雨が良く似合う場所である。
ただ、目前のすばらしい景観と裏腹に、頭の中は明日の川の状態が気になってしょうがない。
向かいの旅館の屋根から落ちる雨だれを恨めしく眺めながら、夕食を取って眠りにつく。

第2日目

朝起きてみると目の前の小川はかなり増水している。
天気予報でも良い条件は何一つ流してはくれない。
今日の釣りはとても無理なようである。
「あーぁ、何で何時もこうなんだ?」みんなの視線が背中に突き刺さる。
ほんとに自分でもやんなるくらい、雨にたたられる。
この時期だからしょうがないと言えなくはないが、少しでも梅雨の影響のないところと東北を選んでいるにもかかわらず、これである。
まぁ、降ってしまったものはしょうがない。悔やんでも始まらないので、今日の予定を協議する。
僕は、これ幸いに有名な蕎麦街道を食べ歩きたいのだが、自分からは言い出せない。
釣友は気持ちを察してくれて、「有名な蕎麦屋に行こう」と、言ってくれたのだが、帰る方向とは逆になるので次年子の蕎麦はあきらめることにする。
とりあえず雨も強いので山形市の方へ行こう決まった。
そうと決まれば急ぐ旅でもないので、出発までその辺を散策する。
子宝の神社があると言うので行ってみる事にする。
階段を上っていったところにその神社はあった。仲居さんに男と女のシンボルが飾ってあると聞いていたので探してみたら裏になるほど立派なものが奉納してあった。
デジカメに収めたが、みんなに「奥さんには見せないほうが良いぞ」と言われて、納得。
釣友がお賽銭を投げて拝む。
「おいおい、いまさら子宝に恵まれてどうすんだ?」みんなで冷やかしたら、大きく拍手を打って
「○○くん(私の名)に子供が出来ますよーにッ!」だって。
「止してくれや。そんなお願いされたらこれから困るじゃないか」って、みんなで大笑い。

宿に戻って荷物をまとめて、帰りもバイクで荷物は運んでもらい、我々は歩きで宿を後にする。
何度も振り返りながら宿の景観を目に焼き付けながら、デジカメにも納めて車に戻った。

13号線を南下して寒河江のチェリーランドでさくらんぼを買って再び南下、途中上山市で美味そうな蕎麦屋を見つけてはいる。
「あららぎ」と言う蕎麦屋で、ご主人は脱サラならぬ脱トラック野郎。
昭和60年創業だそうだが、十割そばも数量限定で出していて、平日だったので食べることが出来た。
山形独特の板蕎麦ですごい歯ごたえ、半部も食べ進めるうちにコメカミが痛くなってくる。
ずっしりと胃の腑に収めて、13号線を飯坂に向けて出発。
福島飯坂から東北道に乗って、南下して今回の釣行も終わりです。

毎度のことで雨にたたられての半分満足の釣行でした。

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