ソニーランドレス : Native
Stepson
→女について ケイジャン系アメリカ南部の職人肌スライドギタリストの曲。 いきなりドイツ語から始まります。途中から、文字?文様?となり絵に同化してますが…
江島恵が大好きな哲学者ショーペンハウアーのエッセイ「女について」の一節だそうです。これは女性蔑視として悪評高いエッセイで、ライブで書いたのは「女には高度な知能がないから、まともな絵など描けない」というような内容とのこと。 得意の魅力的な女性が現れ、黒い衣装が文章を塗りつぶすあたりにこれから始まる江島恵の世界を暗示し、挑戦するような意気込みが感じられます。仕上がったところでそそくさとその場を立ち去る江島恵も面白いかと。
ジョバンニアレヴィ :
Jazzmatic →Dancing Brash
曲順を決める時にPart1,Part2ともに2曲目のみ抽象にと思いこの曲を選ばせてもらいました。 はじけるような音運びこれがまさしくDancing
Brash!ぴったりでした。ピアノのフレーズに合わせて筆も踊っています。最後のバシッ!これがかっこいい!
ウーゴディアス : 軍靴の響き
→弁慶と牛若丸 アルゼンチンのハーモニカ奏者、私の大好きなハーモニカ奏者の浅見安二郎さんが最も尊敬するミュージシャンとして教えてもったウーゴディアスの曲を選びました。音の深み、魂のすべてを注ぎ込む演奏、唸り声。 緊張感溢れる演奏が、薙刀を振り回す弁慶と飛翔する牛若丸に合っているように思います。この絵のように非日本的な音楽にすごく日本的な題材の絵というのがマッチするのも江島恵のライブペインティングの魅力。最後に現れる五条の橋の欄干がいいね。
古沢巌 :
成長/映画「ニュー・シネマ・パラダイス」より
→花の精 美しいエンニオモリコーネの映画音楽を情緒たっぷりに歌い上げる古沢巌のバイオリン、涙ものの美しさです。江島恵の描く女性にはいろいろな表情があります。最後の最後に描かれる背中の羽根で人間ではないことに気づかされるのもライブ絵画の面白さ。描かれた絵を鑑賞するだけではわからない魅力があります。
キングクリムゾン : 21世紀の精神異常者
→地獄変 今回の選曲では基本はあまり有名ではない曲を選ぼうと思いましたが、この曲だけはどうしても江島恵に描いてみて欲しかったのです。とても好きな作品です。 最初は右端に現れるのは何だろうと、そのうち驚きの絵、凄みと恐ろしい絵へと。曲の展開がいろいろ変りますがそれに応じて描かれる筆運びがまたすごい。最後の最後に演奏がフリーになり阿鼻叫喚のようになったところで終わるところがぴったりです。
どの絵にも言えますが全体から描くのではなく、ほんとに隅っこから描き始め(それも細かく丁寧に、それも1本の筆で)それでいて最後は全体もぴったり!時間も曲にぴったり!しかも曲の展開、曲調、アレンジに合わせて筆の運びが合わせられているというのが絵師のなせるワザなのでしょう。
--Part2--
アストルピアソラ : 現実との3分間
→現実との3分間 アルゼンチンの作曲家アストル・ピアソラの曲。タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させたジャンルを作りました。たくさんの作品がありますが短くて瞬間に燃え尽きるような曲を選びました。 曲順を決める時にPart1,Part2ともに1曲目は激しく人目を引く曲にしようとこの曲を選ばせてもらったのです。 タイトル通り時間も3分の曲でこれを聞くと人生が3分に凝縮されたように思えます。演奏はヨーヨーマのチェロをフューチャーしている曲です。この曲でどんな絵を?と思っていましたが様々な8人の表情。見ているときには次はどんな人が?と思いながらの3分間はまさに凝縮されたそれぞれの人の人生の縮図かも。優美なヨーヨーマのソロになった30秒間弱の部分のみ優美な女性が描かれているあたりに何度も音楽を聞き込み、向かい合って描き続けていたことがわかります。
ウーゴディアス : 泣き虫
→音楽に抱かれて 今回、唯一2曲を選ばせてもらったウーゴディアス。そしてこちらは抽象でお願いしました。ウーゴの息づかいと江島さんの筆使いが見事にシンクロしてる1分半です。
ジャンゴラインハルト : ダフネ
→寒山拾得
ジャンゴは1910年生まれのジプシーギタリスト。ジプシー音楽とジャズを融合させ世界中のギタリストに尊敬され、かつジプシーらしい破天荒さを持ち合わせながら、作曲にも秀でこの曲以外にもヌアージュ、ジャンゴロジー、マイナースィングがあり同時代のフランスの有名なクラシックの作曲家とも並び評価されています。 おそらく譜面どころかコード譜も文字すら読み書きできなかったと思われますが、音楽は魂と心で聞き創造するものなのでしょう。18歳のときに深い火傷によって演奏家にとって左手の小指、薬指が使えなくなるとの致命的なハンディをおいました。 この破天荒な天才の常人離れした演奏によって描かれた題材は奇怪な風貌、やはり常人離れした言動、奇瑞などにより、後世神聖化され多くの伝説・詩文・絵画を作り出してきた唐代の中国に生きた寒山とその友人の拾得。 寒山、拾得の風狂にして奇怪、禅味あふれる風貌、ニタリと不気味に笑うアルカイックスマイル、これらがジャンゴラインハルトと相棒のバイオリニスト、ステファングラッペリと重なってしまうのです。江島恵がどこまで意識して描かれたのか謎ですが。
冨田勲 : 源氏物語
幻想交響曲絵巻:桜の季節-王宮の日々(源氏の誕生)
→巴 これは最高です。いまだにこの動画を見るたびに涙が出てくるのです。1曲だけ選曲した日本人による作曲のオーケストラ演奏。しかも日本の伝統楽器やシンセサイザーを組み合わせた組曲。冨田勲の音楽はジャングル大帝、新日本紀行のころから好きでしたがもちろんそのころは冨田勲という名前など知る由もなく。 この馬の表情が描かれる出だしでまずウルウルときます。曲があらたに展開したところで描かれる巴御前。 巴は色白く髪長く、容顔まことに優れたり。強弓精兵、一人当千の兵者(つわもの)なり
「平家物語より」。この巴御前の表情と黒髪が描かれる時に、音楽もちょうど笛の音に重なり涙を誘うのです。 この曲選んでよかった。この曲で江島恵に描いてもらえたことに感謝。
ジミヘンドリックス : 平和のミシシッピー
→SAMURAI
1970年に27歳で亡くなったいまだにロック史上最高のギタリストと言われているジミヘンの演奏。現実との3分間と並び今回一番最初に選んだ曲でした。 正直どんな反応をするか?と思いましたが、江島恵にはいたく気に入っていただけた様子。本人の弁によると、「じつはエレクトリックギターの音、特にソロの部分とか苦手でした。でも、その曲で絵を描くとなると、むしろ大歓迎というか…ふしぎです。ジミヘンとか、たまりませんね。今では音楽を聴くと、つい頭の中で絵を描いてしまうようになりました。」 この曲もどんな風に描かれるのだろうと、全く予想がつきませんでしたが最初の刀で、一気にやられたー!って感じでした。 なんだかジミヘンのギターとサムライの刀ってすごく合ってると思いませんか?それと江島恵の筆も。
--encore--
浮き草人生 :
ROSSA →
浮き草人生 まさかアンコールで描いてもらえるとは・・・さすがにこれは選曲していませんでしたが、江島恵のお気に入り曲だそうで、ありがたや〜。 このチラっとこちらを向いて、初めて表情をカメラにとらえられたところがいいね。絵に登場しているのは、今回ビデオを撮ってこの動画を編集いただいた佐藤広隆、私、そして江島恵の三人のようです。
動画ラストのSpecial
ThanksにあるJUNは当日ビデオ撮影いただいたジプシーポットのJunさん。
当日の写真です(90枚) 写真を撮っていただいたエスニックキッチン 畑中さんのFacebookにリンクさせていただいています。
2013年5月23日(木) キッドアイラックホール 京王線明大前駅より徒歩2分
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