ヘヴィア:Marcha Del Dos De
Mayo→舞楽図 俵屋宗達の舞楽図屏風をモチーフにデザインされたものでしょうか?
≪舞楽≫という主題は一般的な図様だそうですが独特な空間的構成と各人物の配置があります。高い視点から空間の広がりと不思議な浮遊的感覚がなぜかスコットランドのメロディに合うように感じます。踊りの曲だからかもしれません。ちなみにこの曲で使われている楽器はエレクトリックバグパイプというもので、この音がまた独特の浮遊感を感じさせます。
後半の早いテンポになったところで舞の音頭をとるように右上の翁が書かれてきます。
溝口肇:森の中のキング・コング→ロビン・フッド&マリアン ロビン・フッドは、中世イングランドの伝説上の人物、その恋人のマリアンとともに描かれました。この曲は私がずっと好きだったもので曲の構成もすごく凝っております。そして長い曲なので描いていただくにはどうだろうと思っておりましたが見事に描き切っていただきました。森のキング・コングというタイトルに合わせ、弓の名手でイギリスのシャーウッドの森に住むアウトロー集団の首領で義賊、
という設定のロビン・フッド。緑色の服をまとう人物として描かれるのは森の住人だからでしょう。そのせいか墨絵でも想像力を働かせて見ていますと緑に見えてきたりするから不思議です。
ザ・バンド:オールドデキシーダウン→山頭火 種田山頭火(たねだ
さんとうか、明治15年12月3日 -
昭和15年10月11日)は、戦前日本の俳人。よく山頭火と呼ばれる、自由律俳句のもっとも著名な俳人の一人です。このオールドデキシーダウンという曲はアメリカの南北戦争を歌ったもので、同じ国民同士で戦った悲しさと、心に残る傷を歌っています。山頭火の読んだ「まっすぐな道でさみしい、どうしようもない私が歩いている」この一首と共通点を感じてしまいます。 そして山頭火という人はものすごい酒豪だったらしい。本人曰く泥酔への過程は「まず、ほろほろ、それから、ふらふら、そして、ぐでぐで、ごろごろ、ぼろぼろ、どろどろ」であり、最初の「ほろほろ」の時点で既に3合だったという・・・。このザ・バンドのメンバーであるリチャード・マニュエルも酒と薬におぼれてしまった。
ルロイ・アンダーソン:スコットランドの釣鐘草→ジャンヌダルク フランスを救い、シャルル7世の戴冠に貢献したことから、ジャンヌは西洋史上でも有名な人物の一人。ナポレオン1世以降、フランスでは派閥を問わず、多くの政治家たちがジャンヌを崇敬しているといわれるそうです。世界的に著名な作家、映画監督、作曲家たちがジャンヌを主題とした作品を制作していますが、最終的に異端の判決を受けたジャンヌは、19歳で火刑に処せられてその生涯を閉じました。 この曲の作曲者ルロイ・アンダーソンはアメリカの作曲家でクラシックポップス、ライトクラシックといわれています。一般的なクラシックの作曲家に比べると低く見られてしまう場合が多いようですが、私は黒人音楽をルーツとしない音楽のなかでは、いまのアメリカの大衆音楽に強い影響があると思います。
ウェス・モンゴメリー:Impressions→Session
これこそはライブペインティングでぜひ描かれる過程をみていただきたい作品です。最初は四隅に黒いマークが描かれて一体なんだろう?とこれは見ていただくしかないですね。ナマで最初に見たときは感動しました。なんという構成力、配置とバランス!さらにすごいのはこのセッションの主役たる至高のジャズギタリストの一人ウェス・モンゴメリーはピックを一切使わず右手は親指だけを使うという独特の奏法なのですがこの墨絵でもその弾き方でしっかり描かれているのが嬉しく思わず拍手!!でした。ブラボー!
後半5曲(枚)+アンコールです。(23分) --Part2--
プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ:Mr.
9'Till 5→変身(Die
Verwandlung) 当キッドのイベントには必ず選曲されているプログレシリーズ。今回はイタリアのプログレバンドPFMによる1972年の作品を選ばせていただきました。プログレバンドの特徴たる変拍子満載。『変身』は、言うまでもなくフランツ・カフカの中編小説。ある朝目覚めると巨大な虫になっていた男と、その家族の顛末を描く物語ですが、摩訶不思議な構成の曲から虫になってしまったように思えてしまいます。
プログレの曲を多く選んでしまうのは、多彩に変わる曲の構成に対してどう反応して描いてくれるかを楽しみたいからなんです!
ジャコ・パストリアス:Three Views
of a
Secret→ダナエ この曲は本当に好きな曲、いつかこの曲で描いて欲しいという夢が叶いました。前回もそうでしたが後半の2曲目にギリシャ神話を配置されるのは偶然なのでしょうか?ダナエは西洋絵画では人気のある主題の1つで、ギリシャ神話に登場するアルゴスの王女「ダナエ」は、厳しいモラルがあった時代に若く美しい裸体を描きたい巨匠たちのテーマとして多く描かれたそうです。江島さんの描かれたダナエはなんとも艶めかしい表情でこっちを向いています。
イヴォ・パパゾフ:Ergenski
Dance→ボディランゲジー(Body
Language) 今回のハイライトかと思います。最初はなまめかしく指につけた墨で描いていきますが、とってもブルガリアのエキゾチックなメロディに合ってますね。7拍子のリズムが入ってきたところで墨を飛ばしていき、だんだん曲が激しくなると熱くなってきた江島さん、シャツも邪魔でバッと脱いで両手を腕まで使ってに墨、まさにカラダを使った表現、ボディランゲジーそのものです。
チャボロ・シュミット:Valse pour
nous→伊賀局 南北朝時代の勇女とされる女性。篠塚重広の娘。はじめ阿野廉子に仕える。足利勢の高師直に襲われ廉子が吉野を落ちた時、従う者はわずか数人で、途中、吉野川にかかる橋が半ば絶たれ、渡ることができなかったが、伊賀局は怪力をもって巨木を折り、吉野川に架けて無事通過することができたという。短いこの曲はジプシー系ギター奏者のチャボロ・シュミットがウッドベースとのデュオで演奏されるなんとも優雅なワルツです。怪力勇女の伊賀局との関連は?
ジェフ・ベック:Beck's
Bolero→アルセーヌ・ルパン アルセーヌ・ルパンシリーズは、1905年から四半世紀以上にわたって執筆されたフランスの人気小説。紳士にして、冒険家、変装の名人でいくつもの変名を持つ。貴族の城館や資本家の邸宅などを襲い宝石や美術品、貴重な家具などを盗んでいく。一方、善良な者を助ける義賊的な性格もあわせ持っており、虐げられた婦人や子供にとっては頼もしい保護者となる。多くの女性に惚れ、また彼も多くの女性を虜にしているが、作中に描写される限りでは浮気はしていない。しかし、彼と深い仲となった女性の多くは様々な事情で短命であったため、結果的に多くの女性と恋愛をしている。
これも必ず入っているロックギタリストシリーズからの1曲です。
--encore--
ROSSA:夏の名残り→夏の名残り アンコールをまたしても用意していただきました。。ありがたいです。浴衣を少しはだけたような美女。 5月に行われたこのイベント、このコラムができあがったのは夏の名残りを感じる季節になってしまいました。
自分の好きな曲で絵を描いてもらえる、こんな幸せはなかなか味わえないことです。 最高の贅沢をくれた江島さん、ありがとうございました。
2014年5月29日(木) キッドアイラックホール 京王線明大前駅より徒歩2分
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