乗鞍岳

  
乗鞍岳を登る        乗鞍岳頂上        コロナ観測所


畳平

     今では畳平まで自家用車で行くことはできなくなってしまったが、このときは休暇村乗鞍高原から畳平に向かうことができた。皆を乗せて出発し、畳平駐車場についてドアを開けたらその寒さにびっくり。涼しいを通り越して震えるような気温だ。一応上に着るものは皆持っているが、さらに合羽を羽織ってコロナ観測所方面の道を行く。冷たい風がさらに寒く感じさせる。休憩しながら肩の小屋に到着。しばしコーヒーでもというわけであたたかい屋内で休憩する。けっこう込み合っていて繁盛している。
     長く休憩を取りすぎたと思い、ようやく頂上に向けて出発。人はたくさん登っているけれども、かなりの強風で、いったい頂上にいけるのかどうか不安になる。親父とお袋は肩の小屋に退散し、そこでのんびりと休憩することになった。頂上を目指す5人はなんとか強風の中を登りようやく頂上小屋に到着。途中から霧になって視界が利かなくなった。頂上に上ると祠があるが、あまりの強風でのんびり参拝しているような雰囲気ではなく、周りは灰色一色の世界で展望ゼロ。頂上小屋までナントカ逃げ帰った。
     上の娘二人がお土産を買いたいというので、たしかキーホルダーを買ってやったら末っ子の息子も自分もほしいと言い出し、パンを買いたいという。値段は今となっては正確には覚えていないのだが、さっきの肩の小屋の値段の2倍もするので、買ってやらなかった。そうしたら子供がすねてしまって涙をぽろぽろ流しながら大声で「買って!」と泣き喚き始めたので、「買わない!」「買って!」と頂上小屋のすぐ前で子供と母親の言い争いになり、周りの人がこちらを見てるし、なんだか恥ずかしい。強引にその場を離れ下り始めた。しばらく泣き声がやまず、買ってやればよかったかな、とも思ったがもうかなり下ってきてしまって戻る気持ちもなく、泣き止んだことを幸いにそのまま霧の中を肩の小屋まで降りてきた。
     さっきと同じパンが確か半値でだったのでここで2つも買ってやったら、喜んで必死に食べはじめた。小さい体で強風の中を登ったので体力を使い、本当におなかが減っていたにちがいない。「さっきなら一個しか買えないけど、ここで買ったら2個も食べられるんだよ。得したね。」と言ってやったらニコニコしてパンをほおばっていた。でも本当は頂上で買ってやるべきだったろうと思う。上の二人に買ってやったのに、つい大人のケチ根性がでてしまって下の子に買わないなんてかわいそうなことをしたものだ。やっぱり、頂上小屋で買うべきだったんだ。価値をすぐお金に換えてしまう大人の卑しさを反省。とてもうれしそうにパンを食べている子供の笑顔が幸せそうだった。