木曾駒ケ岳

千畳敷カール

乗越浄土 木曾駒ケ岳
もう何年も前の大学時代、長野県伊那市から来ていた同じ学部のUさんに誘われて実家にお邪魔したことがあった。その翌日、早起きして登ったのがここ、宝剣岳で、自分としてははじめての登山らしい登山だったから、ものすごく感激した覚えがある。最初、早起きして駒ヶ根に向かい、そこからバスで登っていくときはかなりの混雑でつらかったが、最高の好天気だったし、本当に視力が上がったような気がしたものだ。遠くの登山客がはっきりと見えるので目の前のベールが一枚はがれたようなそんな感じだった。山の空気は透明なんだなあと感激しながら歩いていた。Uさんのお母さんによると、かつて信州では夜中の2時ごろに小学生が学校に集まり、木曽駒が岳登山を行っていたのだと言う。信州教育に誇りを持っている感じだった。
それももうはるか昔のことになってしまった。今回、家族で登ってみてあのころのことを思い出すが、あのときのほうが晴天だったと思う。千畳敷カールは人の列であふれていた。乗越浄土から中岳に向かい、宝剣岳は今回はパス。ファミリーで安全コースを取る。おなかをすかして中岳に着かないうちに登山道の真ん中でみんな昼食のおにぎりを食べ始めた。たまに霧が風に吹かれて押し寄せるが、涼しく快適だ。
昼食後、中岳から駒ケ岳に行こうとしたら、皆中岳頂上から動かない。けっきょく 我が家の相棒と木曾駒ケ岳まで目指すことになったが、皆を待たせているのでかなり早足で登頂。上の二人が途中の小屋まで来たが、祖父母と末っ子は中岳で見物を決め込んでいた。帰ってきたらこっちは暑いのに、待っていて体を動かさないので寒かったらしい。
かつての高校1年のときの担任の先生に「宝剣岳は新田次郎の「聖職の碑」の舞台ですね」と言ったら、聖職なんていやなことばだよな、と感想を言われたのが忘れられない。その先生とはまだ付き合いは続いているけれど、ご退職されてからの教育の現状を見たら嘆かれると思う。とにかく、お元気でお暮らしください。