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朝5時半。セルフガソリンスタンドにも寄ったのでますます遅れて、好天の休日はいつもながら大泉ジャンクションはすでに渋滞。関越道に上がったとたんに埼玉方面の山並みが見えて今日は晴れると実感した。抜群の天候、展望で車の多さをのぞけば言うこと無し。7時半に上里、8時過ぎに中木川沿い二点在する駐車場の一つに車を入れる。国民宿舎裏妙義まで歩いて数百メートルあるが、無料で気が楽だ。
一人寂しく歩いていくと、国民宿舎から3人の登山者が出てきて登っていったのでそのあとを追う。休憩中に聞いたところでは山の雑誌の取材らしい。群馬の山という本の取材で丁須の頭まで登るのだと言う。初心者は周回コースはお勧めしません、とアドバイスされ不安になる。とにかく丁須の頭まで登って様子を見て判断することにした。丁須の頭に行くだけでも岩場の鎖場が多く、体力を消耗したがなんとか丁須岩に到着。大展望。赤城山、榛名山、表妙義、はるか下に上信越自動車道が見える。浅間山はまだ煙を出しているらしい。ここからだと山々の中でここから見る浅間山は近くて大きい。丁須の頭の上まで登る人も居るけれどやめておく。丁須の肩で昼食。上里SAで買った辛子明太子おにぎりとサンドイッチ、しめて400円なり。
周回コースを行くべきか誰も相談する人もいないので悩む。そのうちに20人くらいの大集団が到着して、その中の一人に尋ねたら三方境まで行くというので、それなら俺だっていけるだろうと思い、のんびり赤岩のほうに向かって歩き出した。振り返れば丁須の頭はすでに男女混合登山隊でいっぱい。早く登って正解だったと思う。
5分も歩かないうちに最大の難所、鎖によるチムニー約20mの急降下だ。前を行く男女二人連れがいて女性がなかなか降りられず、大声の男性のアドバイスと女性の悲鳴を聞きながら上で待つこと5分。ホールドがない!そこにあるだろ!どこ?助けて!腕に力が…!ちょっとそこで休んで!…これから降りようとする人の不安をあおるような時間が過ぎる。降り始めれば必死に降りるから無駄な想像をする時間もないが、待っている身としてはつい自分が落ちていくというヒッチコックの映画(ヴァーティゴ)のような嫌な場面を想像してしまう長い5分間だった。待つ人の不安をあおるような言動は登山者マナー違反?それでもこの女性は頑張らなきゃと言いながら無事通過。夫婦(たぶん)の硬い絆が確かめられたに違いない。20人の団体の後でなくてよかった。あのあとだったら全員通過するのに数十分待つだろうし、一人3分としたら1時間待たなければならない。そう考えるとうれしい気持ちにもなる。
その後も鎖場はつぎつぎと現れ、断崖の斜面のトラバースも多い。一度ルートを間違えて戻り、すでに前を行く人は全く見えず、後ろから来る人も見えない。遠くから見れば赤岩や烏帽子岩とわかるところも自分が通過するときは岩が多くていったいどの岩なのかわからずとにかく三方境とある道標を信じて前に進む。友達でも一緒にいれば弱音を吐きながら楽しく通過していくだろうに、一人ではしゃべる相手もいないので慎重に歩くしかない。
風穴尾根の頭(たぶん)まで来るとほっとしてこれまで来た道を振り返ると、とおくに丁須の頭が小さく見える。休憩して三脚を出しゆっくり写真撮影。なんせ歩くのに必死で写真どころではなかった。鎖で通過する岩場で肩にかけたカメラのレンズ外側部分が岩にガチャガチャとあたり、傷だらけになっていた。まあ、かめらなんて使ってナンボの物だからきずだらけならそれだけ役立ったということかもしれない。外観だけの傷なのでどうということもない。休憩しすぎて後から来た2人に抜かれたがその際に写真を撮ってもらった。一人は千葉の八千代から5時台の電車で横川まできたらしい。三方境から逆方向に降りていった。
三方境からは森林の巡視道を下るので気楽に下れる。丁須の頭で食べた昼食ではさすがに最後まで持たず、とうとう山道の途中でクリームパンを食べながら休憩。しばらくすると声が聞こえてきてなんとあの20人のパーティだ。すぐ脇を通過していく。女性も半分くらいいてみんな格好が決まっているし元気でおしゃべりも笑いも絶えない。楽しそうだな、と思いながらこちらも一人で腰を上げた。中木川の飛び石を渡り林道。暫く歩けば駐車場だ。一人旅の不安もあの団体登山者に救われたと思う。
4時出発。柏インタが大渋滞。常磐道を降りないうちからもう車の列。一般道の16号に出るのに30分以上かかった。帰宅したのは7時40分過ぎだったと思う。一度も休まず走り、疲れた。でもそれだけの価値のあった一日。冬の展望にも恵まれ、普段使わない腕の筋肉も鍛えられた。一度裏妙義に行けば鎖場の恐怖感がなくなり鎖場フェチになれること請け合いだ。
追伸:二日たっても腕や足の筋肉が痛く、日ごろの運動不足と年齢を感じている。
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