仙丈ケ岳
ー南アルプスの女王ー

仙丈小屋                                      仙丈ケ岳

振り返る高峰
甲斐駒ケ岳
2967m

馬の背ヒュッテ
水在り

雄大な光景を見ながら馬の背を歩く

仙丈小屋で飲む雪解水はあまりに冷たい

仙丈ケ岳頂上
小さな子も登っていた

頂上から日本第二の
高峰北岳を望む

小仙丈ケ岳に向って
縦走
雷鳥も発見

テン場から見上げる
小仙丈ケ岳
    故あって甲信国境の仙丈ケ岳と甲斐駒ケ岳に登ることになった。今回同行するSK氏は職場の同僚、というよりは大先輩というべきだろうけれど、山のことについてはこちらのトーシローとは比較するのも失礼なほど詳しく、インタハイなどの大会の役員なども勤めたこともあるベテランで山のカリスマ、はたまた登山“道”の伝道師とでも言うべき人だ。(こんなこと言われると本人は変なこと言うな、と苦笑いするだろうけれど)。でも“登山”なるものがスポーツの一つとしてあるのはわかるものの、果たして大会があってその採点で順位をつけるというのは何回か伺ってもあまり深く理解は出来ない。或るポイントを幾つか決めておいてその地点をを通過する間の団体の歩き方、たとえばリーダーに従って整然と歩いているかとか、一人遅れているものはいないかとか、あるいは登山のマナーとか読図、気象などの知識などを点数化するらしいのだが、やはり今もって理解に至っていない。家に帰ってきた後でそのことを我が家の相棒に話して、大会もあるんだと言ったら、怪訝な顔をしていた。そんな大会さえあるのを知らなかったようだ。多くの人々も登山にインタハイや国体があるなんて知らない人も多いのではなかろうか。厳しい競技らしくその道の人にとっては重要なものだろうけれど自分に関しては楽しみで登るだけで十分だろう。若いK君とS君も同行することになり元気いっぱいだがこっちは登る前から体力的不安がありややユーウツ状態。
  8月1日(火)北沢峠でテント泊。  
  8月2日(水)早朝6時10分出発。昨日夕方やや雨が降ったものの今朝は天候が回復、テント場から眺める小仙丈ケ岳も見事に朝日に輝いている。最初4合目くらいまでは急坂に次ぐ急坂で自分の体力では付いていけなくなった。考えてみると一人で歩くときはかなり遅く歩いているわけで、こうやって団体で登山するのはペースについていけないとつらいものがあるが、がんばるしかない。途中で何本かの沢を渡り甲斐駒ケ岳の見える沢で休憩。明日登る山だと思うと楽しみであったはずが苦しみとなってきた。更にやや登ると馬の背ヒュッテ。齢を取ったらここに泊まることにしよう。其処を過ぎると水平な尾根道となり、馬の背だ。展望も急に開け、全員その大展望に感動した。なんと携帯電話も通じることがわかったが、旧型のあまり機能のついていないオーソドックスな携帯のほうが受信感度が良好で役に立つ。K君S君の持つ携帯は新型で機能はりっぱだがぜんぜん反応しない。新しいもの必ずしも優れているわけではないということを実感した。
       仙丈小屋にやや遅れて到着。手前に恐ろしいほど冷たい水が引かれていて生き返った。暑い中、今までのつらい苦労が報われ、まさに命の泉だ。頂上まではあと一息。でも足がついていかず少しずつ引き離される。途中、あと10分くらいというところで手ごろな棒切れを発見し、その杖を頼りになんとか登頂。小さな子も登っていて下にまだ歩いているおばさんに声をかけている。ファミリー総出の登山なのだろう。○○おばさ〜ん、はやく〜!」等と言っているから親戚もみんな一緒なのだと思う。それにしてもおばさんにとってはつらい上り坂だろうな、などとしばし同情。北岳は見えるが甲斐駒ケ岳はすでに雲に隠れていた。東からどんどん霧が立ち上ってきてさっききれいに見えていた馬の背もうっすらと霧がかかるようになってきた。頂上で長居をしてようやく小仙丈ケ岳方面に出発。
       小仙丈ケ岳に向う途中で雛を連れている雷鳥を発見。SK氏もこの辺で雷鳥を見るのは初めてだという。人を怖がる様子もなくのんびり登山道に出てきて花(草?)をついばみ始めた。一緒に歩いている登山客が『静かに!』とか『驚かせないで!』とか言って立ち止まり、眺めている。まるでVIP待遇だ。大昔は猟師の獲物となったであろう雷鳥も今では特別天然記念物。写真を撮る人も多い。(私もその一人です)。でもこんなカメラじゃ大写しできるわけもなく、周りの石と同じような点にしか写らないだろう。雷鳥保護のための一番の方策はこの辺をいろんな人間がうろつかないことだろう。はたして登山ブームというのは自然保護に役立っているだろうか。限度を超えた数の人が登れば山のお邪魔虫となるはずだ。
      ・・・と考えながら下りも遅れてしまった。つらかったがなんとか北沢峠に到着。無事下山したのにトイレの階段に躓き一回転して転げ落ちた。なんかほかの人の前で転んでしまってはずかしかったけれどザックのおかげで怪我もなかった。今昔物語ではないけれどほっとしたところに危険はある。夜中、トイレに行きたくなり12時半ころテントを出たものの懐中電灯を持っていたのに頭がぼけてるせいでやや迷ってしまった。トイレの豆電球をめざしたので最後は到着したが見知らぬテントの裏を通ったりしてこの真っ暗闇の中では不安。これも慣れの問題だろう。テント場は真っ暗だが空を見上げると満天の星。今日はなんとか終わった。でも疲れてしまって明日のほうがもっと心配だ。