武甲山
秩父のランドマーク

武蔵嶺の 小峰見隠し 忘れゆく 君が名かけて 吾を哭(ね)し泣くる
                                               (3362の別歌)

10:15 小持山からの武甲山(1295m)
南側は豊かな自然に満ちている


6:15 生川に向かう
石灰岩の武甲山があわれ

8:40 武甲山頂上からの秩父市 直下に採石場あり

9:15 分岐点から望む大持山(中央)と小持山(右)

10:50 小持山から大持山への途中で両神山撮影

11:15 大持山から望む
武川岳と前武川岳(右)

11:40 大持山から少し下ると展望の開ける所がある

12:30 妻坂峠から望む武甲山 ようやく青空になる

12:40 妻坂峠で石像と一緒に記念撮影です
夏の終わりに生川の登山口まで来てみたが、暑そうだし雲も多いので撤退。9月半ばには関越を走っている最中に曇りなので引き返した。今日は三度目の正直で果たして登れるのか自分の心の軟弱さを心配しながらの出発。武甲山は石灰採取の山として知られるが、南側は豊かな自然に満ちた山でもある。小持山・大持山・妻坂峠と周遊してみた。
     10月6日(土)3時半頃起床、出かけてもよいという許可の下、外に出ると夜空にいくつもの星が光っていた。3連休とはいえ遠くまではいけない。混むだろうし埼玉くらいまでの日帰りが関の山だ。セメント関係の会社がいくつも並ぶ中を走り生川に3番目に到着し準備していたら4番目の車がやってきた。今日は武甲山に登ってから乾徳山に登るのだと言う。二つも登るなんてすごいですね、と言うと、「水戸から来たのであまりこちらには来られないので」と説明を受けた。生川から登りはじめたのは6時50分。かなり先を歩いていたと思っていたら、その方にあっという間に追い抜かれた。あのペースなら一日2山も可能なはずだ。
     武甲山はこの前の毛無山と違って緩やかな坂が続くのでまったく問題なく登っていける。北側は石灰採石場になって切り崩されているが南側の登山道は驚くほど豊かな自然に恵まれている。降りてくる人数人にすれ違ってようやく2時間弱で頂上に着いた。誰もいない。フェンスが張られていてその直下は石灰採取のため哀れな姿をさらしだしている。南側は樹林にさえぎられ視界はあまりないけれど、北側の展望は抜群で秩父市が一望できる。下界の騒音も結構聞こえてきて、休日とはいえ世の中は生きているんだなあ、などと感慨に浸った。遠くに長瀞が見え、更に遠く北には赤城山、やや左に榛名山、更に左に遠く浅間山が見える。一番左に見えるのは両神山だ。天気予報では青空が広がると言っていたのに、なんとなく霞がかっていてシャキッとしないけれどこれだけ展望が広がれば登った甲斐もあるというものだ。武甲山頂上は神社とトイレもある便利なところだ。
     小持山のみえる分岐点まで下ると、ようやく生川からの団体登山者に会った。大持山・小持山コースを眺めて、こんなコース行く人いるのか、好きな人なら行くだろう、などと話している。整備された広い武甲山コースに比べると、細くて頼りないくだりの山道のように見える。誰も歩いてなさそうだし、ドシロウトでも大丈夫だろうか、という考えがよぎるけれど、時間もあることだし何とかいけるだろうと思い、下り始めた。ところどころ、秋のススキを払いのけ、シラジクボまで早く着かないかなあ、などと考えながら細い山道を下っていく。シラジクボはどういう意味なのか知らないが、道標が見えたときはほっとした。武甲山下りはそこまでで、そこから小持山への上りとなるところだ。急に草むらから登山者が現れて驚いた。道標を見ると、松平長七郎伝説持山寺跡まで25分とある。生川から持山寺跡を経由してここにでてきたのだと言う。いろんなコースがあっていろんなところを歩いている人もいるのだ、でも人に会えてやや安心した。「小持山まで上っちまえばどうということはない、小持山と大持山の間も特に険しいわけではない、とアドバイスを受けて出発。それ以後、疲れているはずなのに一定のペースで歩くことができたのは不思議だ。既に体がなれてきたのかもしれない。
     小持山から振り返ると、武甲山の雄姿を眺めることが出来る。それが出来るだけでも登りガイのある山だ。頂上は狭いが適度に樹木もあり、かつ展望もよく、落ち着いて休憩できる。大持山からきた老人に写真を撮ってもらった。其処から大持山までは注意して通過しなければならないやや険しいところが幾つかある。何回かコースを見失ってうろうろしたが、それも登山の楽しみだろう。
     大持山はそれほど展望はよくないが、人柄のよさそうな一緒に頂上にいたご夫妻に武川岳とこれから下る妻坂峠方面を教えてもらった。この前登ったところだから懐かしい。パンだけをかじっていたら、哀れに思われたのかミカンをもらってしまい感謝感激だ。大持山を少し下ると大展望の開ける場所があり、そこから南側が一望できる。きょうは副都心ビルまでとはいかない展望、とはいえ西武ドームならはっきりと見える。しばし休憩。
     妻坂峠まで下る。最後は急坂で歩きにくいけれど、この前、武川岳から妻坂峠に下ったほどの急坂でもない。途中でようやく強い日差しになり青空になった。本当は青空を背景に武甲山や大持山で写真を撮りたかった。午後から青空でも、すでにほとんど午前中に歩いてしまったし、ちょっと悔しい思いもある。妻坂峠は強い日差しと青空のせいか平和な雰囲気が漂っていた。妻坂峠でご夫妻とお別れして横瀬方面に下る。
     林道に出て迷った。本当に林道を左に行くと生川の登山口につけるのか、はたまた林道を突っ切って横瀬に直進か、どっちにしてもいけるはずだが、林道コースをとって不安になり引き返し、やはりまた林道を行こうなどと迷っていたのでざっと20分は無駄にしたと思う。これまでも山の中より林道に出てから不安になることが何回かあった。判りやすいので道標も不親切になってくるから、不安になるのだと思う。横瀬駅まで行ってしまうのか不安だったが思い切って林道を歩き続け生川の登山口が突然視界に入ってきたのでほっとした。朝と違って鳥居も狛犬も日差しを浴びて明るい雰囲気だ。1時40分生川着。渋滞もそれほどなく5時前帰宅。
   ★武蔵嶺は武蔵国一帯の山々だろうけれど、武甲山を指すという説もある。もちろん武甲山も含めて一帯の山々だったのだろう。万葉の時代と比べて武甲山ほど大きく変わってしまった山も少ない。南側の豊かな自然ががずっとそのままであることを祈りたい。