年末調整のしくみ

月々の源泉徴収
サラリーマンの場合、毎月の給料や定期的な賞与から所得税が徴収されます。源泉徴収税額は「給与所得者の源泉徴収税額表」に、給与など金額や扶養親族の人数などを考慮して段階的に定められています。いってみれば、所得税の早見表によりおおよその税額が源泉徴収されるわけです。一方、給与などを支払う会社などは給与などを支払う際源泉徴収しなければならない義務が課されています。預かった所得税は定期的に国に納付しなければなりません。会社が国にかわって、サラリーマンが負担すべき所得税を徴収し国に納付するかたちをとっています。
給与所得者の扶養控除等申告書
源泉徴収税額は、給与の金額だけでなく扶養親族の状況によっても変わってきます。したがって、サラリーマンはあらかじめ扶養親族の状況を記載した「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社に提出することになっています。
給与所得の金額
給与所得の金額は、その年中の給与等に係る収入金額から給与所得控除額を控除した金額となります。
給与所得の金額 収入金額(給与・賞与) 給与所得控除額
給与所得控除額
サラリーマンの給与については、概算の必要経費として、その年に支給された給与の合計額から年収額に応じて定められている次の金額が控除されます。この給与所得控除額を控除した金額を給与所得の金額といいます。
年収 給与所得控除額
162万5000円以下 65万円
162万5000円超 〜 180万円以下 年収×40%
    180万円超 〜 360万円以下 年収×30%+18万円
    360万円超 〜 660万円以下 年収×20%+54万円
    660万円超 〜 1000万円以下 年収×10%+120万円
   1000万円超 年収×5%+170万円
年末調整
一年間の給与が決まったら給与所得控除額を控除し給与所得が計算されます。この給与所得からさらに所得控除を引いたものが課税所得とよばれ、税率をかける基礎となるものです。課税所得に税率をかけて年税額が決定します。このように計算された年税額と月々の源泉徴収税額との差を調整するのが年末調整です。
所得税は、その年の12月31日の現況により計算しますが、年の途中で子供が生まれたり、新たに保険に入ったりなどするため、どうしても月々の源泉税と年税額とに差が生じてしまいます。この差を調整し適正な税額を計算した上で、多く預かり過ぎている場合には本人に還付し、少ないときは給与の支払い時に不足額が徴収されます。年末調整によりサラリーマンの課税関係は完結しますので、確定申告する必要はなくなるわけです。
申請し忘れた!
年末調整の際、支払った保険料などを会社に申請し忘れて控除されなかった場合には、確定申告をすることにより所得税の還付を受けることができます。