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’04)11・01

《ブックカフェ・ハント:バウハウス(2冊)+C言語日記:4》

 先ずは一番聞きたくない”他人の幸運”な話を聞いて下さい。
 私の住む地区は<リサイクル回収>が”ビン””缶””古紙”の3種類だけなのです。仕方なく”トレイ””ペット・ボトル”は隣りの区やスーパァの回収システムを利用していました。
 しかし、最近我が地区でも図書館で”トレイ””ペット・ボトル”の回収を始めたことを知り昨日初めて利用しました。
 これで我が地区がようやく「世間並み」になったという話は終わり、いよいよ本題に入ります。回収場所が図書館ですから当然「偵察飛行」をしているとリサイクル本棚(図書館や個人が不要な本を提供)のコーナァでこの2冊を見つけたのです。
 上段)バウハウス・2教育スケッチブック
−P・クレー・著(¥4,175・税別):中央公論美術出版−
 下段)バウハウス・5新しい造形(新造形主義)
−P・モンドリアン・著(¥4,369・税別):中央公論美術出版−

【内容】
 両書とも定価からは想像も出来ないことですが、100ページに満たない本です。
 上段・「教育スケッチ」は66ページのうえ著者の教育ポリシィなのでしょう、見方、考え方をイラストを多用して考察した構成です(こんな人の授業を受けたかった)。
 下段・「新しい造形(新造形主義)」はあの有名なモンドリアンの美術だけでない芸術全般を語った芸術論集です。
 あんなスッキリした構成と色使いの画を描く画家がこんな禅問答のような思考をしていたとは意外でした。願わくば、一枚でいいから作品紹介があれば…。
 私としてはモンドリアン狙いだったのですが、「教育スケッチ」(P・クレー)の方が面白そうです。
 2冊とももちろん興味深く好きなジャンルの本ですが、この内容と分量でこの定価ですからこんなチャンスでもない限り蔵書として手元に置いてゆっくり親しむことは一生無いことは確実です。
 しかも、借り手もなかったようで日に焼ける事も無くほとんど新古書並の美本なので嬉しさもひとしおです(羨ましいでしょう。しあわせ!)。

【C言語日記:4】
 皆さん!C言語楽しんでいますか。私はプログラムをいじくり回して迷路からなかなか出られない日々を送っています。
 しかし、以前C・コンパイラが無い環境の時は本を読んでも全然頭に入らなかったのに、ソースをコンパイラしながら本を読むと1/3ほどの努力で理解が出来ることに驚いています。
 スタンド・アローンの”ハッカァ”としてはしょうがないのですが、最初に仲間を見つけていれば今頃はC++のドアをノックしていたかもと思うと時間を無駄にしたことが少し残念です。

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’04)11・3

《ブックカフェ・ハント:「オブジェクト指向への第一歩」》

オブジェクト指向への第一歩
−M・バーハァ・著(¥1,800・税別):オーム社−

【C言語日記:5】
 C言語を遊び道具にしている人は私も含めて実力を超えた好奇心だけは人一倍持っていると思います。そのような現実は十分承知しているのですが、心の叫びには負けてしまいます。その結果がこれです。
 この本は”オブジェクト指向”の世界を紹介した本で、プログラム実習本ではないのですが、C言語も満足に使えない”赤ちゃん言葉”ないのに”シェークスピア”に興味を示してしまうのですから”ドン・キ・ホーテ症候群”は無茶苦茶です。
 もう1つ、こういう場合の大きな問題は無駄にとなる確立が極めて高い投資である定価:¥1,890と精神的満足感、欲求との葛藤です。
 しかし、この本で<心がハイ>になり24時間は幸せなのだから比較の対象としては疑問ですが「”薬”に比べれば安いもんだ」と本人以外には理解不能な論理で心のジグソォ・パズルを整合させています。
 欲求だけは際限がないようで、コンパイラ環境にしても<LSIC86>が走っているのに悪戦苦闘してまで<BORLAND C++>を環境に加えるしまつです。
 しかし、C言語の好奇心を刺激する奥深い魅力は”ビデオ・ゲーム”以上と大満足です。目下、最大の問題は次第に環境は整ってきたのですが、知れば知るほど夢と能力(現実)との絶望的なギャップに気づいたことです。
 当分の間はC言語の自己満足街道を”ハイハイ”で前進の予定です。

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’04)11・6

《ブックカフェ:小説「神の拳」上・下》

神の拳」上・
−F・フォーサイス・著/篠原槙・訳(上・¥777、下¥816・各税別):角川文庫−
【内容】
 次第に不利な情勢となる”第一次湾岸戦争”(私の勝手な呼称)の形勢逆転を企てるサダムの秘密兵器<神の拳>を破壊する特殊作戦の為、混乱と狂気が渦巻くイラク国内に潜入し活動するイギリス人スパイの静かなそして熾烈な戦いと「金が全て」のイラク人内通者の運命を20世紀最期の戦争とともにえがきます。

【随想的感想】
 イギリス人作家の小説ですから当然、フォーカスはイギリス人スパイです。アメリカ人的視点では当然不愉快な「?」が付くかもしれませんが、湾岸戦争では映「トップ・ガン」張りの話を聞かされていた私としては新鮮で興味深いストーリィでした。
 話の主題である秘密兵器<神の拳>とは一体何ぞや?今時そんな秘密兵器をイラクのような途上国が開発、装備出来るのかと疑問を持つ人も多いと思います。
 しかし、私自身NHKやCBSのニュースやドキュメントで関連番組を見た記憶がありますので、小説の途中でWWUのドイツとアメリカの兵器開発に端を発するその秘密兵器<神の拳>の姿がつかめると思います。
 F・フォーサイスの筆はいつもの「フォーサイス節」で最期まで怒涛のように進みT・クランシィのような保守派の自慰行為もなく読みやすくまとまっています。その点ではT・クランシィよりお薦めで普通の読者の期待も裏切りません。
 それでも、これを読むと英米人の価値観から見て「サダム・フセイン」が如何に我慢ならない不愉快な存在であるか分ります。
 日本については小説の題材が”第一次湾岸戦争”のため、日本の旗は見当たりませんが、<スズキ・ジムニィ>と<ヤマハ・オフロードバイク>が登場します。特に<ヤマハ・オフロードバイク>は意表をつく活躍です。
 フォーサイス・ファンはもちろん、卒の無い構成と文章は多くの読者、特に娯楽小説、アクション小説が好きな読者にお薦めです。古本屋でも時々見かけますので是非お読みください。

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’04)11・10

《TV:「世界最速への挑戦:スーパー電気自動車誕生」》

TV:NHKスペシャル世界最速への挑戦スーパー電気自動車誕生(再放送)
Time-55min(11/7深夜:0:15〜1:10)
 実物大クレイモデルです。
 当初から全8輪の総輪駆動方式を採用していたようです。化石燃料だろうと電気だろうと多くの人間はやはり最高速と加速にクルマの魅力を求めると思いますのでこの成り行きは自然なことだと思います。
 スタイルは無理して現行路線と差別化したように見えますが、路面への多くの駆動力伝達と駆動力ロスを考慮すればこのスタイルも当然の結果だと思います。
 クルマの基本構造は車台が電池ケースを兼ねたモノコックでボディのフレームワークという構成で、既に確立された技術で作られています。
 素人集団が造ったとのことですが、このパイプフレームを見ると50年代、60年代の自動車が持っていた魅力と美しさがあります。
 これが96年に発表された電気自動車だそうです。
 既に99lの人間は知っているのです。特に都会ではクルマなどこの程度十分であることを。しかし、このクルマがベストセラァになるほど人間が賢ければ絶対に”糖尿病”など生活習慣病は別世界の話で世の中モット棲み易くなっています。
 これでは未だ精神的(つまり文化的にも)に人間に無理を強いています。
 実を言えばこの「電気バイク」が一番私の興味を惹きました。オーディオの音量調節的アクセルワークと後輪に直接駆動モータァを取り付けたいかにもトラクションが掛かり加速が良さそうなシステムは考えただけでもヨダレが出そうです。
 しかも、ガス・バイクにはないスッキリしたデザインです。アァ〜ァこのバイクと一緒に風になりたい。
 圧倒的勝利に終わったトラクションの王者「ポルシェ911」との加速比較テストの様子です。
 そして自動車会社からの初めての要請によりデモンストレーションのため陸送中の電気自動車です。
 向かった先は”三菱自動車”でした(落語のオチではありません)。
一言
 番組は環境科学一筋で自動車には全く関わったことのない研究者のクルマ作りの一年間を追ったものです。この番組で最も強く感じたのはこの教授ものめり込んでしまうほどの”クルマ作りの魅力”と今後何があろうと人間はもう絶対にクルマを手放すつもりがないという”クルマの魅力”です。
 番組中でも清水教授が自身の発案した駆動モータァをハブに直接セットするシステムが実はポルシェ博士が最初のクルマ作りで考案し採用していた事実を知り”がっかり”すると同時に”とても誇らしかった”と述べていた顔がクルマ作りの魅力を物語っています。
 しかも、そのリベンジが上記の加速比較テストでしょうか、番組中に何度も”ポルシェ”の名前が出てきたので笑ってしまいました。
 しかし、このクルマを一言でいえば<サンダーバードに出てくるかもしれない”シトロエンDS”>です。ご覧のようにクルマのスタイルはどう見ても”ポルシェ”より”シトロエンDS”が強く影響しているように見えます。
 それにしても関連するモータァ技術、回転制御技術など紹介された日本の中小企業のブレークスルゥには目を見張りました。
 ハブにモータァを取り付けるシステムからバネ下荷重が心配ですが、舗装路なら既に実用域に達しているかもしれません。
 それにしても、今回が再放送ということはレギュラァで既に放送したということです。一体、何時放送したのですか。

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’04)11・12

《ブックカフェ:「名車を生む力」》

名車を時代をつくった3人のエンジニア
−いのうえ・こーいち・著(¥1,500・税別):二玄社−
【内容】
 トヨタ、ホンダ、マツダそして日本の世界の自動車文化のハンドルを切った歴史的名車の生い立ちを各車(社)のコンセプト・リーダァの目を通して描いたドキュメントです。

 取り上げられたクルマ
  ≪トヨタ2000GT:野島喩、初代・シビック:木澤博司、初代・ロードスタァ:立花啓毅≫
【随想的感想】
 3車種とも多数の写真や資料を使用したメカ好きの心をくすぐるヴィジュアル的構成で上手くまとめられた読みやすく楽しいエンターテイメント・ドキュメントでした。
 トヨタ2000GTの秀逸なデザイン、シビックの革新的コンセプトどれも面白かったのですが、中でも一番面白かったはロードスタァでした。
 日本車のイメージと言えばステレオ・タイプの”クルマは機械商品”としか理解出来ない”文化を理解しない人間”が作った「壊れない」「経済的」「無味乾燥」が相場でしょう。
 そんな日本から発信された<ロードスタァ・インパクト>が世界のエンジニアを含むクルマ好きのアドレナリンを何gも分泌させたのですからこのロードスタァ・ショックは日本人として本当に嬉しく痛快な出来事でした。
 この本を読んでつくづく思いました。クルマは理論と感性の産物なのですね。 料理だってやっぱり美味しいのは”管理栄養士”が作ったものより”料理人”の作ったものですからね(少し、例えがおかしいかな?)。

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’04)11・20

《ブックカフェ:「スーパーコンピュータを創った男」+C言語日記:6》

スーパーコンピュータを創った男世界最速マシンに賭けたシーモア・クレイの生涯
−C・マーレイ・著、小林達・監訳(¥1,900・税別):廣済堂−
【内容】
 超高速演算機の代名詞となった”クレイ”とスーパーコンピュータの開発秘話をシーモア・クレイの足跡と業績を軸に構成したノン・フィクション。

【随想的感想】
 私はこの本を読むまでクレイ氏はスーパーコンピュータ会社の単なる創業者だと思っていました。彼がハード&ソフト両分野に類稀な才能を示し偉大な業績を残したことを知りました(既に亡くなり、過去形でしか書けないのが残念です)。
 特にスーパーコンピュータ設計における数多くの卓越したアイデアを生み出す才能は異次元のものです。凡人の私などただ溜息をつくばかりです。それにしても彼がスーパーコンピュータを作った後に生まれた幸運を感謝するのみです。
 最期に蛇足ですが、性能だけでなくデザインの素晴らしさにも一言触れたいと思います。現在の視点から検分しても”CRAY-1”(:1974年)のデザインは優れたもので他のコンピュータはもちろん身近な所では以降のSF映画やSFアニメのコンピュータ・デザインにも強い影響を与えています(これは現在進行形)。

C言語日記:6
 苦労の末”C言語入門書”を読み終わりました。今や「C言語プログラムと日本語のバイリンガルです。」と言いたいのですが、現実はエラー・ラビリンスから出てこない自作プログラムが2ッとコンパイルはOKなのですが、出力結果が勝手な所へgotoしてしまうプログラムも2ッありイラつく遊び相手が増えているのが実情です。
 しかし、今年の初めは暗号文でしかなかった”C言語プログラム”が簡単なソースファイルとはいえ読めるようになり今は絵本を手にした子供のように貪り読んでいる毎日です。

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’04)11・24

《ブックカフェ:古本ハント”GOOD & BAD News”》

 素晴らしい天気に恵まれた火曜日(11/23)にハンティングを兼ねて偵察飛行を敢行しました。古本ハントのリスクをはらみ当日、仕留めた獲物の一部がこの雑誌たちです。

上)はGOOD Newsである
model cars11(1991・1増刊)です。
【内容】
 特集:日本グランプリ。
 60年代国中が燃えた「日本グランプリ」を60ページにわたって出場車の作例と十分読み物として堪えるテキストとフォト・アルバムで埋め尽くしています。
 特に”ダイハツP3”のスクラッチ・モデルは必見!

 ※…現在の有料パンフレット集と化したモデルカーズとは違い当時のモデルカーズは他にも多くの興味深い記事と作例が掲載され作る側と鑑賞する側の熱気が伝わる素晴らしい本当の”保存版”でした。これで¥105ですから、古本ハンティングは止められません。

下)がBAD Newsの
super CG(08:1991冬号)です。
【内容】
 特集:アーリィ・フェラーリ。

 ※…特集を始めとして多くの記事が私の興味外なのですが、”スーパーCG”自体が滅多に古本屋に出ない為その時は完全に興奮状態で舞い上がってしまいました。
 しかし、その幸せも自宅の本棚の前に立つまでの数時間ほどで終わりました。又やりました。”恐怖の古本重複買い”です。
 その後は「30分は幸せだったのだ。」「タバコを吸っていると思えば安いもんだ。」と自分を慰めるいつものセルフ・セラピィ中です。

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