《ブックカフェ:サファリ::ジョブスとiモード》
既に本の山が築かれているのですが、中毒患者の悲しさで定期偵察の途中にまたも買い込んでしまいました。 上) 「スティーブ・ジョブスの道:STEVE JOBS&THE NeXT BIG THING」 −R・ストロス・著(¥2,427・税別):エーアイ出版− 【独り言】 浮き沈みの激しいパソコン業界ですが、その中でもジョブスほど波乱万丈の道を歩んだ人はいないのではないでしょうか。 その為か、読んで面白い為か本棚を調べるとパソコン関係の”偉人伝”ではアップルのジョブス関係が一番多いようです。 しかし、この本でアップル復帰までの道で抜け落ちていた”NeXT”時代が埋まりました。それにしても、これほどパソコンの世界を広げ多くの信者を作りながらインターネットや本で調べると彼はそれほど技術には明るくないようです。 「一体この人は何者なのだろう」といつも考えていたのですが、最近分った気がします。この人はパソコン界の「エンツォ・フェラーリ」なのです。 技術に疎くてもジョブスはパソコンが情熱の対象として死ぬほど好きでなのです。そして彼にはパソコンの輝く姿が見えているのでしょう。だから”アップル”が少しくらい高くても文句を言ってはいけないのです(そういう私はWindowsですが)。 下) 「iモード事件」 −松永真理・著(¥1,300・税別):角川書店− 【独り言】 これから恥ずかしい告白をしなければなりません。 この本は以前から本屋で背表紙は見かけていました。しかし、書名:「iモード事件」と装丁、そして著者名から女性向けの”ソフト・サスペンス”物と決めてかかり手に取る事もありませんでした。 ところが、最近読んだインターネット史で松永氏が<iモード>爆発の仕掛け人で携帯電話を携帯端末に変えた変革者であることを知り慌てて買い込んだ次第です。 ジョブスにしても松永氏にしても向こう側が見えて想像もしないようなところに入り口を見つけられるのは人は技術から一歩引いたところにいるこういう人達かもしれません。 |
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《ブックカフェ:「ゼロワン誕生:町工場BUBUの挑戦」》
「ゼロワンの誕生:町工場BUBUの挑戦」 −小島明久・著(¥1,456・税別):北日本新聞社− |
【内容】 北陸・富山で本田宗一郎に共感と憧を抱いた町工場の主が多くの困難を克服して長年のクルマ作りの夢を実現した情熱と挑戦の足跡を辿った不屈の草の根事業家のドキュメントです。 【随想的感想】 やはり、気になるロータス・セブンをモチーフとしたゼロワンのデザインですが、表面積を抑えてプレス・ボディパネルを最小にすると致し方無い結論なのでしょう。 それより、このデザインで安全基準をパスした努力に感心します。この本でもやはり有った安全を含めた多くの基準をパスする過程での悪戦苦闘が描かれています。 一方、マツダや担当官僚の協力や思いがけない励ましなど社会ルールを離れた日本的浪花節にホッとし救われた気持ちがするのはやはり私も日本人であるからでしょうか。 小さな事ですが、この様な事が日本も未だ捨てたものではないと思わせてくれます。 本としては感心しない事が幾つか有りました。効果的な写真の数々は読者には大変親切で嬉しいのですが、活字の大きさは異常なほどです。普通のフォントを使えば1/3ほどの厚さになると思います。モットいただけないのが文章です。小学生の絵日記のような文章は最後まで馴染めませんでした。 本としては色々欠点もありますが、面白い題材で読後清々しい気分になる事も確かです。クルマ好きはもちろんビジネス物としてもお薦めです。 |
《C言語日記:7:人間の環境設定と現状》
”C言語でプログラム”と言う新しいオモチャを楽しんで5ヶ月ほど経ちました。有り難いことに遺産の継承がシッカリと守られている為、古本屋と図書館の攻略本ストックを大変に重宝しています。 しかし、最近ジャンルがとても偏っていることに気づきした。蔵書がCとJavaに集中していてC++など他の言語解説書はほとんど蔵書されていないのです。 これからの話は東京の下町における状況ですので皆さんの地区は当てはまらないかもしれませんが、お付き合い下さい。 古本屋は仕方ないとしても、図書館の傾向も同じなのは納得できません。しかも、公共図書館にC言語解説書が蔵書されているところはまだ良い方で多くの図書館ではWindowsとi・mac(8:2)の使用解説書がパソコンの本だと勘違いしてるようです。 館内の閲覧用パソコン雑誌も状況は似たようなもので、同じ内容のWindows系ばかりです。Linux系やC言語系定期出版物は用意されていのが実情です。担当者の認識とこれからのコンピュータ文化は寒々しい限りです。 私が利用する地区ではその為、プログラミング解説書を蔵書しているのは≪江戸川中央図書館≫ただ一館だけです。他の図書館では コンピュータ=Windows; だと思っているようでC言語解説書は私の方が多く蔵書しているくらいです(もっとも相手の蔵書は0ですけど)。皆さんの地区は如何ですか?図書館関係者にはこの悲惨な状況を深刻に受け止めてもらいです。 この様な有様ですから、貸し出し競争が大変厳しいのが現実です。私もC言語解説書を読み終わるの(理解とは違います)に何度も空振りしました。 【お世話になった解説書】 (写真)「プログラミング学習シリーズ・C言語@:はじめてのCプログラミング」 −倉薫・著(¥1,900・税別):翔泳社− 初心者にも簡単にインストールと環境設定が出来る「Lsic86」のコンパイラ・CD-ROMが付いていて、内容も浅く丁寧な解説が秀逸な解説書でした。 (写真不掲載)「やさしいC」 −高橋麻奈・著(¥2,500・税別):ソフトバンク− 当初、本の厚さに圧倒されましたが解説の内容と範囲は期待通りでした。 定価が¥2,500ですから結局、図書館の貸し出しレースを制覇し3回計6週間借りました。C言語はこの2冊でOKだと思います。 これが5ヶ月を振り返っての想いです。 |
《ブックカフェ・サファリ:「挑戦」》
面白い本を見つけました。 「挑戦開発者だが知っていた苦悩と葛藤の舞台裏」 −日経エレクトロニクス・編(¥1,400・税別):日経BP− 【独り言】 表紙で購入しました。何しろ青色発光ダイオードに関する発明裁判で”200億円の支払い判決”を引き出した人物であることが脳裏に鮮明に焼きついていたからです。 判決の”200億円”にも驚きましたが、モット驚いたのが会社側が裁判所に提出した青色発光ダイオード≪利益0円≫の非常識な証拠書類です。 このニュースを聞いた時、呆きれて言葉も無かった事そして、こんな会社が相手では裁判を起さざるおえないという彼の行動に強く共感したことを思い出しました。 ところで、この本でモット興味深いのは99年出版で中村氏が会社に在籍していた時に書かれたことです。彼と会社についてどのように書かれているか今から楽しみです。 取り上げられている他の開発事例は、 (ソニー):平面ブラウン管「WEGA」 (松下通信工業):軽量携帯電話機「デジタル・ムーバP201」 (シャープ):「液晶ビューカム」 (アルプス電気):「マイクロドライ・プリンタ」 (三洋電機):有機固体電解コンデンサ「OSコン」 (村田製作所):「ジャイロスター」 です。 |
《TV:NHK「週刊・経済羅針盤」:海洋堂特集》
番組で紹介された海洋堂(日本?)が誇るフィギアです。 左が一大ブームを巻き起こした「食玩:動物シリーズ」です。改めて本当に良く出来たフィギアだったと再確認しました。 後継の昭和シリーズ:「懐かしいクルマ」と「アポロ月面着陸」もクオリティが維持され見事と言うほかありません(中国も立派!)。 |
フィギアではなく本社ロービィに飾られている「大魔人」です。そして趣味のプラモデル製作で息抜きをしている宮脇新・社長です。 |
番組中、紹介された原型師の方です。 左)ボーメ氏は以前から名前だけは雑誌等で聞いていたのですが、動画と素顔を初めて見ました。 右)は動物系原型師:松村しのぶ氏です。多分、この人が食玩ブームの火付け役なのでしょう。 |
−独り言− |
溜め込んだテープを消化していたら特集として「海洋堂」を取り上げている週刊・経済羅針盤(NHK総合:’04・11/28)を見つけました。 私は食玩マニアではないのですが、それでもミニカーや本で溜め込む(コレクション)楽しみを実践していますので噂には聞いていた食玩シリーズの幾つかは気になっていました。その為この予期せぬ特集は久しぶりの「釘付け話題」でした。 以前から模型雑誌などで知ってはいたのですが、新社屋の魔除け:「大魔人」や社内の様子、特にコミック風イラストでしか知らなかったボーメ氏の素顔には妙に感動してしまいました。 それにしても2週間以上も前の経済番組を今頃見るようなタイム・スケジュールの生活ではTVの速報性の価値は全然有りません。今更ながら現代の文明生活から足を踏み外した生活を実感しました。 |
《ブックカフェ・ハント:懐かしき007号シリーズ》
これでまた、何冊分かのスペースが確保できると図書館のリサイクルへ愛着が湧かなかった数冊を抱え行ってきました。 しかし、ついでのリサイクル探検で当初の目的も忘れ2冊も逆処分してしまいました。嬉しい愚行の成果がこの1960年代に出版された「007号」シリーズの本です。 上)「<007号シリーズ>:死ぬのは奴らだ」(1964・昭和39:8版) −I・フレミング・著(¥220):ハヤカワ− 下)「007号:ベルリン脱出」(1966・昭和41:初版) −I・フレミング・著(¥240):ハヤカワ− <その他大勢>の映画からの007ファンとして小説も「Dr・No」「サンダァ・ボール作戦」そして「二度死ぬ」など何冊か読んでいますが、全て最近改訂新訳された新装版でした。 ところが今回、思わぬところで懐かしいJ・ボンドに出会いました。何といっても”007号”のネーミングと新書版のようなサイズと装丁に良き時代を感じます。この装丁はまるで男性向け「ハーレークイン・ロマンス」です。 しかも古い物は全て有り難いレトロ・マニアとしては内容はもとより時代を映した構成が秀逸ですので紹介します。 「死ぬのは奴らだ」の”あとがき”は第一作の映画製作から未だ2年しか経過していない為、著者紹介とボンドとシリーズの魅力を述べただけですが、「ベルリン脱出」は巻末に資料として20ページ近くがシリーズ紹介(この時既に原作者:I・フレミングは死亡)とボンドの衣食住をプロファイルしているのです。ファンにはむしろオマケの方が気になるのではないでしょうか。 多くの項目の中ででも特に驚いたのが、時代を感じさせる喫煙量です。ボンド氏は一日に60本、計算上では16分に1本は煙にしてしまう大変なヘビー・スモーカーだということです。 ついでに66年という年を調べました。前年に「サンダァ・ボール作戦」が、そして翌年「二度死ぬ」が製作された時期で日本ではボンド・ブーム真っ只中の年でした。当時を知ると映画とリンクした表紙のS・コネリーも頷けます。 それにしても、40年間も良い状態で所蔵しておきながらリサイクルに無償提供するに至った事情が気になります。この本が私のところに至る過程を色々と考えると気分はシャーロック・ホームズです。 もちろん、主采ではありませんが、読書の箸安めとして手頃な本が手に入ったと40年間も大事にコレクションしていた人に感謝です。。 |
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《ブックカフェ:「天才ハッカー「闇のダンテ」の伝説」+C言語日記:7》
「天才ハッカ−「闇のダンテ」の伝説」 −J・リットマン・著/桑原透・訳(¥2,095・税別):文藝春秋− |
【内容】 コンピュータと電話(こちらの方が得意なようです)を自在に駆使し電話局など体制側を挑発する最期のハッカーであり初期のクラッカーであるケビン・ポールスンとFBIのデジタル・ウォー。 【随想的感想】 多くのオタクが辿ったハッキング・ロードである電話の”フリーキング”からコンピュータ・ハッキングを少し遅れて駆け抜けてしまった人間(ケビンは1965年生まれ)の悲劇のドキュメントです。 彼自身はプログラムとハッキングに偉大な足跡を残した先人に憧れ≪破壊や金銭の授受が無ければ知的欲求や満足は自由に求める権利がある≫というハッキング・ルールから盗聴と電話会社のシステム・ハッキングを繰り返した無邪気なデジタル・オタクなのですが、遂にFBI・電話会社から執拗な追跡を受ける立場になってしまいます。 何度もハッカー(クラッカーかも)の道から表通りに出る機会がありながら、結局は無邪気さとハッキング仲間から「凄い!」と賞賛される麻薬的快感から元の道に戻ってしまうケビンに消化しきれない無念さが残る読後感が印象的でした。 また、この類の本としては珍しく豊富な写真は読者に親切でした。
そして現在はC言語の次のステップ:C++の解説書を前に目が点になっているところです。これで正月の友達はBorland・C++とこの解説書に決定です。 最期に一言。図書館のPC解説書は”Windows”に偏り過ぎです。蔵書はC言語(オブジェクト指向言語も含む)やLinux解説書も考慮して欲しい。そして健全なデジタル文化育成のためにも付録のCD-ROMを貸し出し用にストックして欲しいです。 |
《TV:ETV特集「ロシアから見た日露戦争」》
ロシア大統領の訪日を来春に控え日露友好ムードを醸成する為の一環からかETV特集(12/08)で「ロシアから見た日露戦争」というロシア関係の番組が放送された。 この時代のロシア社会状況と時代背景に疎いのですが、ロシア軍で手紙、日記などこれだけ膨大なテキスト量を残したのは農奴出身者では無いと思うのです。 内容はそんな彼らの最近公開された手紙と日記に残された戦争と戦時下のロシア軍と指導層への率直な声を編集したものでした。 日本が”革命派”を利用したのか”革命派”が日本を利用したのかはともかくとして、今回特に強調されたのは”革命派”と日本の繋がりでした。歴史的を見ればレーニンのしたたかさの勝利であったことはご存知の通りです。 特別この番組での新たな発見はありませんが、いつ聞いても虚しさと気が重くなる戦場の現実と前線兵士の気持ちは絶対忘れてはいけない内容ばかりでした。 番組の主題ではありませんでしたが、「ハッ」とさせられる印象的な話題がありました。 私など今まで≪日露戦争≫は日本とロシアの桁外れな人的被害により消耗戦争というイメージで日露両国のことだけしか考えた事もありませんでした。 現実の第3の当事者として戦場となった中国の人々の悲劇と惨状は考えた事もありませんでした。 近所の大喧嘩を庭でされた中国にとっては日露どちらが勝利しても大きなツケを払わされる”悪夢の戦争”だったのです。 |
《ブックカフェ:ハント「NTT R&D の系譜」》
最近、公共図書館の”リサイクル・コーナー”(といっても棚1つですが)に凝っています。 もちろん、獲物ゼロ(私にとってという意味です)の日が圧倒的に多いのですが、今回のようにサンタ・クロースにも望めないようなプレゼントが手に入いる事もあります。 「NTT R&D の系譜:実用化研究への情熱の50年」 −NTT R&D の系譜出版委員会(非表示):99年出版− この本は不思議なことに何処を調べても定価表示がありません。どうも関係者だけに配った”内配書籍”のようです。 多分、この本は望まないところに強制的に配られ(あるいは強制的に買わされた)大掃除の結果”リサイクル・コーナー”に出されてしまったのでしょう。 私にとっては嬉しいことに人目に触れずひっそりと日の当たらない所に紛れていたのでしょう埃、日焼けによる退色が無い極めて良い状態の美本です。 推理を十分楽しんだところで内容ですが通信技術を中心とした各分野を12のチャプタァに分けて開発と研究のドキュメントとコラム&ウラ話でまとめた構成になっています。 これだけ多岐にわたる豊富な技術開発の現場レポートと技術解説が詰まったマニアックな本には滅多にお目に掛かれません。 反面、このような内容からして一般の出版ルートには絶対乗らないジャンルの本です。売れ筋を考えないマーケットを無視したメカ&テクノ・マニア垂涎の書です。 |
《通信:サイト納め&総括》
今年も例年通りの年でした。今年こそは出来るだけ(この辺の言葉選びが意志の弱さを物語っています)本を買わない。最悪、以下の条件式を守る。 /*年初の想像式*/ 読む本 == 購入する本; しかし、年初の想像式が正月のBOOK OFF偵察飛行で崩れてからはもうボロボロでした。 /*現実の式*/ 読む本 < 購入する本; しかし、幾つか今年の収穫もありました。先ずは時代遅れの愛人(化石燃量バイク)と別れ新時代の愛人(eMOTOR・ASSIST BICYCLE:電動アシスト自転車)と暮らし始めたことと好奇心を刺激する愛人(C言語)を見つけたことです。 健康と環境(いまや必須条件)の為とメンテナンス・フリーを考え今年の3月にバイクと別れ電動アシスト自転車を相棒としたことです。 しかも、当初の目的以外にも予期せぬ原油価格の高騰の影響を受けずに済むというプレゼントまで頂きました。このことが決断の正しさを一層確かなものとしてくれした。 一方のパソコン趣味もホーム・ページ作りで満足するはずだったのです。しかし、パソコン史の本を読む内に「オープン・ソフト・ハッカー」たちの理想主義に魅せられ気が付けばC言語の本に囲まれていました。 これが面白いのです。皆さんも頭の体操として気楽に体験することをお薦めします。何しろ生まれて初めて触れる思考方法論ですから刺激の強さは保障します。 私の環境は現在、コンパイラはC言語については古本でBOOK OFFの¥105(Lsic86試食版)コーナーで手に入れ、C++のコンパイラはHPからのダウン・ロード(Borland C++コンパイラ)で手に入れました。合計¥500も使っていません。 解説書は今のところ図書館とBOOK OFFを利用し¥4,000弱というところです。今は趣味としてゲーム替わりに面白く安上がりなC言語プログラムを頭の体操として楽しんでいます。 映画三昧のいつもの正月ライフに加え今年は図書館と自腹のC言語解説書に囲まれた少しだけ勉強が混じる年末年始になりそうです。 −お知らせ− 新年の更新はアルコールが抜け日付けが2桁になる前を予定しています。 |