《通信:今年もよろしく》
明けましておめでとう御座います。今年も趣味を楽しめる良い年にしましょう |
このまま終わると思った’04年でしたが年末の”大津波”は予想もしなかった最大の事件になってしまいました。 最初は4,5千人の犠牲者というレポートで眠りに付いたのですが、次の日からは朝目が覚めるたびに1万人づつ犠牲者が増えあまりの惨状に圧倒され感想も無くただニュースを見ているだけでした。 しかも、私にとって津波の映像と並んでショックだったのが波に翻弄される人々が克明に記録されていたことです。カナズチの私にとってあの映像は刺激が強すぎました。数日はあの映像が目に焼きついてショックが尾を引いてしまいました。 もう一つ驚いたのが、大津波の実際の映像を初めて見たことでした。これまで観た記録映像&動画はピントがズレたり時間も短いものかあるいは襲来後の惨状場面ばかりでしたが、今回の膨大な津波映像は最近の映像の電子化、デジタル化はそして大衆化を如実に示していました。 この大災害によって図らずも家庭用ビデオの出現が映像文化にとって如何に革命的であったか実感しました。 一方、日本で年末の雪に四苦八苦していた私はおとなしく読書かお酒を飲みながらの映画鑑賞で過ごしました。肴となった映画は少し古い映画:「グッド・ウィル・ハンティング」と大分古い映画:「華麗なる賭け」でしたが、良い映画は賞味期限が長く十分堪能しました。 「グッド・ウィル・ハンティング」は自分の才能を持て余す自覚不足な暴走人間の成長を描いた大変面白い映画で3回も観てしまいました(お薦めです!)。 もう一本の映画は良質でクールな犯罪小説のような研ぎ澄ました展開が大好きで毎年観ている「華麗なる賭け」です。 今年、観た2本の映画は期せずして舞台がボストンでした。両映画に登場したレンガ造りの橋と滑るように川面を走る手漕ぎボートが印象的な場所はアメリカ人なら誰でも分るボストンのアイコンなのでしょう(教養と学問を感じるのでしょう)。 お酒にも飽き久しぶりにアルコールを2日間抜いたお陰で朝からのスッキリ感が生き返ったように爽快です。 今年も第1回古本屋偵察初飛行で色々なジャンルで面白そうな本を何冊か見つけましたので内容を確認次第順次紹介したいと思います。 |
《ブックカフェ:「ホンダ二輪戦士たちの戦い」上・下》
「ホンダ二輪戦士たちの戦い:上・異次元マシンNR500、下・快走マシンNS500」 −富樫ヨーコ・著(各:¥600・税別):講談社+α文庫− |
【内容】 長い沈黙を破って1979年に4サイクル・楕円ピストン:NR500で二輪レース復帰し、F・スペンサーによって2サイクル・3気筒:NS500でチャンピオンを獲得するまでのホンダイズムを描いたノン・フィクション。 【解説的感想】 この本はホンダが持つ2ッの凄まじいレーシングDNAを透して描かれた技術戦士たちの戦いを二輪レースに絞って活き活きと描いた異色のドキョメントです。 創業者以来のDNAである独創的発想の技術開発で勝利を見たい技術者と一刻も早い勝利を見たい営業サイドやファンなどとの大きな溝を描いた上巻ともう一つレーシングDNAである勝利のスイッチに切り替わった下巻という構成になっています。 上下巻に収録されている比較的多くの写真はWGPファン必見ですが、内容の理解を助ける息抜きコーナーともなっています。 写真や図版などのサービスを含めて出来事を時間軸に沿って積み上げていく書き方は読者に負担を掛けない好ましい効果をあげ文庫という形態をからメカ好きだけでなく1日の元気を出す為にも”通勤読書”にお薦めです。 |
《通信:CAR in TV》
最近のTVニュース、情報番組を観ているとは新車発表、自動車ショー&レース速報などのジャンルではメーカ−資料に頼った多くの自動車雑誌の存在に疑問を感じます。 TV-tokyoの看板経済番組「ワールド・ビジネス・サテライト:WBS」で放送されたデトロイト自動車ショーやミニ・クーパーの特集は最近のCGやカーマガジンより充実した内容でした。 特にデトロイト自動車ショーの報道は速報性、企業幹部へのインタビュウそして動画での自動車紹介は雑誌の下手なキャプション付き紹介を完全に凌駕しています。 話は変わりますが、動画でより強く感じるのはアメリカ市場ではデザインの流れが有機的から無機的な方向に完全に変わったことです。 ”有機質的曲線”フォルムからGMデザイン(キャディラック)を起源とするシャープでエッジの効いた”無機質的折り紙”フォルムが新たに日本メーカーを巻き込み北米でメインストリームとなったことです。 面白いのはGMに早くも単調なラインが見えて来たのに対してトヨタ、ホンダが新たな性格付けでこの路線をリードし始めたことです。 そして情報番組としてはネコ・パブリッシング提供番組:「ヒストリックカー・ライフ」です。 今年で3回目ですが、回を追うごとに面白くなっているのは立派です(初回は問題外ですが)。 今回はオーナー達のカーライフを中心に紹介していました。今年は雑誌と番組製作の方向性が一致して手馴れた作り方から登場した人たちの”お気に入りのクルマとの時間”と”嬉しそうな顔”がホビィ・ライフの魅力を十分伝えていました。 最期に今年の「パリ・ダカール・ラリー」は中盤で早くも主要日本人ドライバァが消え本当に残念です。 ア〜ア |
《TV days:映「ドリブン」》
観てしまいました、「ドリブン:DRIVEN」{ 2001年度製作・アメリカ 監:L・ハーリン 主:S・スタローン/B・レイノルズ }を。 事前に聞いていた評判以上の映画(芳しくない方で)でした。 噂では当初、F1を舞台として製作されるはずだったのが映画化権の契約金額があまりに莫大だったので決裂したと聞いています。 しかし、実際にはこの内容での映画化に恐れをなしたF1側が絶対映画化させないために決裂覚悟で提示したのではないでしょうか。 レース映画ですから、事故シーンの過剰サービスは仕方ないとしても、興奮したレーサーがフォミュラで公道を暴走してはいけません。 その上チームメイトまでもが知能指数とカルシュウムが低いのか驚くほど抑えが利かない人物(これが主役です)なのです。何を思ったか一緒に集団暴走してしまう件には私の思考回路がクラッシュしてしまいました。 しかも、レースで自分勝手で無謀なことをするのはいつもラテン系レーサーというのもステレオタイプでいただけません。 この脚本は多分、F1側に提出していたものでしょう。その証拠にチーム監督(B・レイノルズ)がF・ウィリアムズのような車椅子の闘将として描かれていました。 今はDVDを買わなかった幸運に感謝しています。 お口直しの映画としては新作:「アビエーター」{ 監:M・スコセッシ 主:L・ディカプリオ }に期待しています。 それと言うのも飛行機と映画を愛した”謎の大富豪:H・ヒューズ”の飛行機熱中時代を描いた大作だからです。しかもこのスタッフですから期待大です!早く観たい。 H・ヒューズに関しては彼の恋人であった女優・K・ヘップバーンの自伝を数日中に(ブック【映画】)にアップを予定しています。 |
《ブックカフェ・ハント:「殺人バグを追え」》
お願い) ブック・デザインとこの書名で逃げないで下さい。 「殺人バグを追え」 −I・ピーターソン・著(¥2,400・税別):日経BP社− 私も初めてこの書名を見た時は出版社の思惑にはまり、恥を晒せば”エボラ出血熱”、”ハンタ熱”や”サーズ”などのウィルスを追いかける<ウィルス・ハンタァ>の本だと思ったのです。 しかし、本書は対極の人間が作った”電子病原体”コンピュータのソフトやシステムの欠陥(バグ)が引き起こした数々の深刻な実態や現実を取材したドキュメントです。 皆さんが完成品と思い信頼して便利に使っているシステムやソフトが実際には開発、発売元も承知の未完成の欠陥品であることを実例と関係者へのインタビュウでレポートしています。 しかも、以前の限られたエリアあるいはスタンド・アローン(孤立)なシステムでは考えられない高速度でネットを介して世界中を飛び回っているのですから本当に恐ろしいです。 ニュースなどによれば近い将来には家電はもとより自動車などあらゆる民生機器のネット制御を目指しているようですが、私は長生きする為にも一番乗りはせずVer・5.00くらいまではインタァ・ネットとメール以外のネット接続は静観しようと思っています。 好むと好まざるとに関わらずネット、コンピュータ社会に生きなければならない現代人としては読むのが少し怖いです。 |
《通信:チョコレートの薦め》
気にはしているし、困っているのですが去年の秋口から一般書を読む時間が極端に減少しています。原因はC言語であり、その面白さに目覚めてしまったことであるとは明白なのですが、その流れは年が明けても続いています。 古本屋の¥100コーナーで手に入れた”初めてのC言語”という本から軽い気持ちで足を踏み入れたC言語プログラミングが面白過ぎるのです。その後は何冊も買い込んでしまいました(現在はC++系にも手を広げ物色中です)。 それにしても、こんなに面白い世界が無料で提供されていたとを今まで知らなかったことが悔やまれます。 話は変わりますが、最近、面白いことに気づきした。私のような遅れて来た”プチ・ハッカァ”としては解説書に書いてあることが中々頭に入らず学習が遅々として進まないのです。 しかし、正月のお菓子の残りである”チョコレート”を食べながら読んでいたら以前より遥かにスムーズなペースで理解が進み頭に入るような気がするのです。 チョコレートに何か有益な成分が含まれているのかなど確かな事は分りませんが独学の”プチ・ハッカァ”としては強力な味方を見つけた思いです。 ※…心理的な効果だけかも知れず、実際の効果は保障ではありません。 反面、目下最大の関心事と心配事は適量が不明なことと読書時にはいつも片手にチョコを持つことによる体重の肥大化と虫歯の発症です。 面白い映画を観ました。 「白い犬とワルツを」{ 監:G・ジョーダン 主:H・クローニン/J・タンディ 93年:アメリカ映画:T-101min } 平凡なアメリカ人が迎える最期の時を静かに描いた清々しい映画です。 物語とは別にクルマ好きとしては主人公が最期まで自分のパートナァとする錆だらけトラックにもう一つの気取らない豊かなカーライフを見ました。 |
《映:「旅情:SUMMERTIME」》
古い映画ですが、名作を観ました。 恋愛映画:「旅情:SUMMERTIME」{ 監:D・リーン、 主:K・ヘップバーン、R・ブラッチィ アメリカ映画:55年 T-103min }です。 女性の視点を借りて定石通りに描かれた観客を決して裏切らない恋愛映画ですから内容はご自身で確かめてもらうとして、面白いのは街を美しく切り取った映像が続くことです。 それはまるで好きなスタァのグラビアを貼りまくった部屋の様に映画中にヴェニスの美しい姿を映したグラビアが散りばめられているのです。きっとD・リーン監督はヴェニスに恋をしたのでしょう。 この監督は「アラビアのローレンス」を始め「ライアンの娘」「インドへの道」など先ず土地に惚れこんでしまうようです。 この映画でもDNAが動き出しているのでしょう、サン・マルコ広場を垂直俯瞰や俯瞰で流すシーンなど「アラビアのローレンス」を彷彿とさせるシーンが幾つもあります。 また、この映画で疑問だった何故アメリカ人はヴェニスに大挙して訪れるのかその理由の一端が分った気がします。 名作で残されたイメージが持つ影響力とブランド力の強さを今更ながらに実感しました。 最期に舞台が”水の都”ですからクルマ好きにサービスは有りません。 |