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’05)6・2

《ブックカフェ:ハント:「沈黙の春」》



沈黙の春
沈黙の春
−R・カーソン・著
  (¥2,400・税別):新潮社−

採集随想
 今更でしょうが、この本は人間が自然環境にばら撒いてきた科学物質の恐ろしい影響と現実を初めて提起した世界一有名な”環境報告書”です。
 おそらく、誰でも数日は熱烈な”GREENPEACE”支持者にしてしまうほど凄まじいであろう内容は後日に譲るとして今日は多くの人にはどうでも良い本好きのこだわり、[単行本]と[文庫本]について話したいと思います。
 有名な本でしたから、環境破壊が話題になるかなり前から「沈黙の春」は気になる一冊でした。BOOK OFFでも何度か文庫本を見かけましたが、その度に手に取ってみたものの結局は書架に戻してしまいました。
 ところが、今週、本屋で立派な装丁を着飾った単行本と顔が合った時、強く欲望の心を刺激され比較するのバカらしいほどの定価の違いを物ともせず”勢い”で購入してしまいました。
 もちろん、金銭面だけでなくECOの観点からも同じ内容なら文庫本が正解なのは理解しています。しかし、そこが感情の動物、人間の悲しい性です。
 私は本でしたが、皆さんもクルマやファッションなどで似たような心理的葛藤の迷宮を体験をした事があると思います。
 こんな小さな事ですが、満足感と嬉しさで幸せな気分なのも事実でその捩れ現象がとても複雑です。

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’05)6・7

《通信:”COOL BIZ”長袖 or 半袖》

 毎年繰り返されるダメ・省エネ・キャンペーンの代名詞(固有名詞?)である”省エネファッション”ですが、今年の”クール・ビズ”には少し追い風が吹いているようです。何と言っても”クール・ビズ”の賢い点は基本を「ノーネクタイ」一本に絞ったところです。
 私自身、羽田首相が音頭を取った”省エネ・ルック”はハリウッド映画の極悪シンジケートの中国人ボスが着ている人民服モドキに見えてしまい、どうしても馴染めませんでした。
 ところで、皆さんのもう一つの悩みがシャツの袖丈ではないでしょうか、長袖、半袖どちらのシャツを着るべきかと言うことです。
 私はアロハ・シャツですから半袖なのですが、ビジネスマンの方はどうしているのでしょうか。本当は社会的許容範囲が広がり夏は夏らしく夏を演出できる「アロハ・シャツ」を着て欲しいのですが、冷房温度や個人の体調などを考えると体感温度の調節が比較的容易な長袖の方が多いのでしょうか。
 私も建物内に長く留まりそうな時は半袖ではなく長袖を袖まくりしての屋外移動となります。その他にもオゾンホールなどを考えれば紫外線対策として時代は既に夏でも長袖着用が正解かもしれませんね。

 勝手な第三者からの意見。
1ツ:ネクタイを外しただけの”ノーマル・クール・ビズ”に裾を出せるクール・ビズ・シャツもバリエーションに加えよう。
1ツ:体型もファッションであることを再認識。男もシェイプアップの意識を(天の声:先ず、自分を見てみろ!)。

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’05)6・11

《通信:遅れましたが、W杯の北朝鮮について》

 普段は右翼や某・都知事などの無神経な「日本中華主義」には嫌悪感を感じている私も今回の”北朝鮮vs日本”戦のゴール・シーンには鳥肌が立ち90minは”国粋主義者”になってしまいました。
 そのような興奮も少し冷めたようなので遅ればせながら視点を変えてW杯の”北朝鮮”について考えたいと思います。
 普段から「北朝鮮」については理解不能な論理で故意に世界と違う道を30年は遅れて歩むオフ・ビートな<将軍様の個人国家>と言う印象で身近に感じることもありませんでした。しかし、北朝鮮チームの報道は今回のW杯最終予選は新しいイメージとへのターニングポイントになるのではと期待させました。
 特に、日本との初戦は”在日Jリーガー”の公私にわたる素晴らしい活躍で僅かかもしれませんが北朝鮮のイメージは絶対にアップしました。ところが、この善戦で指導者とメンバーが勘違いしたのでしょう、以降、戦う度に試合内容が崩れだしました。
 止めが日本との第三国無観客試合です。この時の北朝鮮チームの実力はスポーツクラブ・チームにしか見えませんでした(私はサッカーに関しては”ドッドドド素人”ですが)。最期には北朝鮮選手がスパイクでディフェンスに蹴りを入れるに及んでFIFAの決定が正しかったことを却って証明しているようでした。結局、ポジティブで始まったイメージも終わってみれば大幅ネガティブでした。
 何故、北朝鮮チームは壊れてしまったのですか、日本人としても大変残念です。
 最期にグループ違いですが「クェート」を応援していたのです。報道によれば大変残念なことに韓国に4×0で敗退してしまいました。ア〜ァ!
 もう一つ、素人目に大変気になるのが最期の”日本vsイラン”戦です。既に出場の決まった国同士の試合は良くて「親善試合」、今の日本ではまさか無いと思いますが、下手をすると第二の「無観客試合」ですか。

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’05)6・14

《ブックカフェ:「中島飛行機物語:ある航空技師の記録」》

中島飛行機物語ある航空技師の記録
−前川正男・著(¥1,553・税別):光人社−
【内容】
 中島飛行機の航空機用発動機技師として太平洋戦争を見つめた自叙伝。
【読後放談】
 著者は開発部門ではなく生産部門で飛行機に関わり四面楚歌の状況で悪戦苦闘しそこで見た太平洋戦争を綴っている為、メカ・マニア、メカ好きの方がこの本を手にとると裏切られるかもしれません。
 陸軍、海軍の無駄な重複開発。何でも怒鳴れば済むと思っている歪んだ精神論。戦前の米国からの工場視察の資料による正確で徹底的な爆撃など矛盾と悲劇を詰め込んだような”中島飛行機の現実”は日本国と日本軍への先入観を裏切りことはありません。
 B-29などの開発情報を比較的早期からしかも正確に入手しその上、米国の技術水準と生産技術を知っている人間にとっては両国の落差が苛立ちを一層募らせたようです。私には分りませんが、この状況はアインシュタインと物理のテストを受けている感じでしょうか。
 特筆すべきはこの本は確実に前川氏本人が書いたということです。文章は読み辛くはありませんがとても賞を狙えるレベルではなく朴訥と事実を述べる素人筆です。もし、ゴーストライターがこの線を狙って書いたならD・キイスの「アルジャーノンに花束を」以来の快挙です。
 最期に衝撃の評価です。著者に恨みは無いのですが、もし他に読みたい本があればそちらを優先すべきです。

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