ただのうさんくさいオリエンテーリング理論
多田(男子日本ランキング、うさんくさくそこそこ上位)の怪しげなオリエンテーリング理論。
(ちなみに順位はうさんくさく15位)(2003.12現在)

現在、自分が重視しているもの:
 精神面: 自信。
 技術面: コンパス直進

まずは、精神論から

<精神論>

 上級者はよく、「流れに乗る(あるいは波に乗る)」とか「止まらない」とか「次の次を読む」とか言う。表現はいろいろだが、やってることは(多少の個人差はあるが)同じである、と自分は思っている。それは、

  自分の手続きに自信を持っているため、一連の手続きに迷いがない

ということだ。ランキングに名前が載るようなエリートのほとんどは、これができているはず。レースを通してやりきれているかどうかは個人差があるが。

 「この特徴物をチェックすれば絶対行ける」
 「この手続きを踏めば絶対つぼらない」
 「ここから直進すれば、ポストは絶対正面に見える」
という自信があれば、その手続きを踏むのになんのためらいもなくなる。ためらいがないからほとんど止まらずに、流れるように手続きを踏める。その手続きが正しいから、全く問題なくコントロールを通過することが出来る。これの繰り返しなのだ。
 レース中、その正しい手続きを半分無意識に出来るようになると、「ツボる気がしない」状態になるのである。(こういう状態になったとき、自分のオリエンテーリングが自信満々にでき、メチャクチャ楽しい)

 つまり、目指すものは「一連の手続きに迷いがない」ことであり、そのために絶対に必要なものが「自信」なのだ。

 もちろん、この「自信」には、根拠が必要である。根拠の無い自信は「過信」でしかない。
 「過信」の定義を、手続きが間違っている、あるいは重要な手続きが抜けているのに行ってしまう状態とする。この「過信」に陥ったときは、何レッグかたまたまうまくいくこともあるのだが、絶対どこかで破綻する。(うまくいくのは、大体3レッグがいいとこ)そして、この「自信」と「過信」の見極めが非常に難しい。トップランカーでもたまにやってるんじゃないかなぁ。
 大学1,2年の人で激しく飛んでいくのは、この「過信」のケースが結構ある。技術的な裏付けがないまま、精度の悪い手続きで行くので、だいたい痛い目に遭う。まあ、彼らは経験が浅いので仕方がない。が、簡単なコースでは最後まで破綻せずに行ってしまうこともあるので侮れない。

 話がそれた。「自信」に戻す。

 極論してしまえば、この「自信」が無い限り、どのような手続きをしても、どんなに速く走ろうとしても、絶対結果はでない。速く走っているつもりでも、どこかで絶対にペースが落ちるのだ。ポスト周りでもじもじしたり、なんでもない分岐で長い間立ち止まったりするのは、自信がない証拠である(断言)。
 新人でもベテランでも、速く走るには、自分の根っこにある「自信」が必要なのだ。だが、何度も言うが、根拠のない自信は「過信」となり、誰よりも遠くへぶっ飛んでいくことになるので注意・・・。

 自信の例: まるでツボる気がしなくなる。実際、全くツボらない。こういうときは手続きも
        完璧。(自分の場合はなぜかリレーに多い。)

 不安の例: ポストへのアタックの時に、「うまく行ける気がしない。」実際うまくいかない。
        直進が雑だったり、アタックポイントが不明瞭だったりする。不安なので歩いて
        周りをきょろきょろ見回す。これで簡単に1〜2分タイムロスする。

 過信の例: 正置をせずに90度違う方向に走り出す。本人は自信満々。しばらく走って、
        全く関係の無いところでアタックを始めたりする。当然ポストは見つからない。
        (大学4年の時に、この類のミスで25分間ぶっ飛んだことがある。強者は
         2時間コースなんてのも・・・)

 それでは、「自信」を得るにはどうすればいいのか。これについては明確な回答は無い。というよりも、人によって答えが違うはず。


<技術論>

 一概に技術と言っても色々ある。正置、歩測、コンパス、ルートプランニング、特徴物のチェックの仕方、地図を読むタイミング、走り方、全て技術である。他にも数え上げればきりがない。

かなり乱暴な分類だが、以下に技術を分類してみる (反論受け付けます(汗))

○基本技術 ・・・文字通り、オリエンテーリングに関する基本技術。
○地図力   ・・・読図に関する技術
○走行技術 ・・・走り方。
○手続き力 ・・・???

[基本技術]
<正置>
地図と現地を対応させること。ボクシングの「左ジャブ」に相当する。「歩測もコンパスも全ての技術は正置のためだ」と言う人もいるくらい重要な技術。
<歩測>
文字通り、距離を測る技術。歩測といいつつ実際は走っているが。「自分は100mで約何歩」というのを大体でいいから分かっておく必要がある。
<コンパス直進>
コンパスの針の指す方向へまっすぐ進む技術。ひたすら真っ直ぐ行く。

[地図力]
<ルートプランニング>
オリエンテーリングのオリエンテーリングたる技術。経験とトレーニングが重要。一見、同じルートでも、「何を見るか」「何を目指すか」で、プランが全く変わってくる。
 ラインをたどる、地形をカットする、コンタリングをする、ヤブを避ける、等々
<危機予測>
「ここはミスしやすい」という危険察知能力。隣の沢に入ってしまう、とかのミスを防げるかどうか。結構経験がものをいう。(ルートプランニングに含んでもいいかもしれない)
<ラフ&ファイン>
大ざっぱに見ていい場所と、細かく見ないと行けない場所を考え分けする。個人的には、考え方は賛成なのだがこの表現には反対。(これもルートプランニングに含んでもいいかも)

[走行技術]
<登り方>
 急斜面を素早く登ってから地図を読むか、歩いて登って地図を先読みするか、どっちか。中には走って登りながら地図を読む人もいる。地図を口にくわえて4本足で登る人も・・・。
<下り方>
 こちらは技術がいる。速く下るには勇気もいる。(勇気と無謀は紙一重。自分にケガが多いのは無謀な下りが多いからか・・・)
 両足のいずれかが常に地面と接しているように、そしてかかとから着地するように走ると、割りと安定して下れる。もっといい方法があったら教えてください。
<不整地走>
 どっちかというと体力? 慣れの問題。


[手続き力]
<地図を読むタイミング>
 いつ、どこで、どうやって地図を読むか。○山(大学同期)の受け売りである。一連の手続きを「次の次」という人は、これを重視していることが多い。
 『次のチェックポイントに行くまでに、地図を見て、「どっちへ、どこ(=次の次)まで行くか」を決めておく』


 とまあ、通り一遍の分類をしてみたところでえるものはあまりない。単に言葉遊びに終わるかも知れない。ま、それはそれでいいが。

 んで、この中で今の自分が何を重視しているかと言うと・・・・・・

 「コンパス直進」なんですねぇ。実は。基本技術の。

 自分の場合、重視する技術は「自分がいかに自信を得るか」を基準にして選んでいる。
 逆を言えば、「自信をなくしかねない場所をいかに減らすか」。

 自分の弱点はポスト周りの手続きが遅いこと。あるいは精度が低いこと。これは細かい地形を見るのが苦手なことに由来していると思っている。そこで重要なのがコンパス直進。びしっと当てれれば、細かい地形を多少は大ざっぱに見ることが出来る。苦手をある程度克服でき、結果として自信喪失の危険性が減るわけ。逆に直進の精度が悪くてポストに当てられないと、自信をなくしてどうにもならなくなる。
 だから、出足(1ポ)のアタックでミスすると、はっきり言ってレースは終わります。自信喪失して。だから、出足のアタックには全勢力を注ぎます(って、誰でもそうか)。極端な話、1ポが道の分岐だったとしても、その分岐に向けてコンパス振ります。

 次に「地図を読むタイミング」。これは大学同期の○山の受け売りなんだが、これ(要するに「次の次」)を意識したときはスムーズに手続きをこなせるんだよね。だから。

 ま、ポスト周りの手続きという課題を克服できたら、また重要視する技術も変わるでしょう。どのくらい先になるかは分からないけど。



 結論もでないまま、長くなったがこの辺でおしまいにさせてもらいます。万が一、そこそこの反応があるようだったら過去編も考えます。(昔(学生時代とか)考えていたこととか、自分の課題の変遷とそれに対する反省とか)


 書いてたら走りたくなってきた。早く足全快にならんかなぁ。