彼の為に彼を守る






 
ライル・ティエリア編


刹那が連れてきたケルディムガンダムのマイスターを見て、ティエリアは卒倒しそうになった。なんだ
あのそっくりぶり。これが人間というものなのか、ロックオン!
(違う、あの男は彼じゃない)
と思うものの、どうしても彼の前に出ると緊張してしまい彼・・・ライル・ディランディにツンツンし
てしまう。
そしてふと気づいた。
刹那がやけにライルの辺りをうろうろするのだ。しかもブリーフィングとなると、ぴったりと寄り添い
あまつさえライルの腰に手を回したりしている。
(????なんなんだ、この状況?)
人間を理解したとは言ってもティエリアには刹那の下心が分からなかった。そこで部屋に篭もりっきり
の戦術予報士を訪ねて事情を説明したところ、彼女の顔色が悪くなった。
「ティエリア、貴方初代ロックオンの事好きよね?」
「?はあ、まあ」
「じゃ、できる限りライルの傍に居てあげてくれる?操縦技術なんかも貴方が教えてあげて」
「え、でも刹那がやると言ってるが・・・」
「それは危険だわ。ライルがお婿に行けないかもしれない。そうなったらロックオンはきっと悲しむわ」
初代の悲しむ事は本意ではない。そう思ったのだが続けて言われる彼女の言葉に、衝撃を隠せないティ
エリアだった。

「というわけで、彼の面倒は僕がみる。君はあの青年か姫様の相手をしていろ」
刹那の眉が不愉快そうに跳ね上がった。
「承諾しかねる。アイツを連れてきたのは俺だ。俺が責任をもって面倒をみるのが普通だろう」
「あの二人も君が連れてきたんだから、そっちの責任を取ってくれ」
そう言うと変な所で律儀な刹那は、ぐぅと唸った。どうやらティエリアは刹那からライルの面倒権(な
んだそれ)を勝ち取れたらしい。
(ロックオン、貴方の弟はホモにならないように僕が守る!)
そう固く誓う。それからというもの、やっぱり隙あらばライルにひっつこうとする刹那がいる為に、テ
ィエリアはブリーフィングの時などはライルの隣に陣取るようになった。しかも少しでも油断すると間
に刹那が入ろうとする為、ぴったり寄り添うはめになる。その攻防戦は端から見てとても異常ではあっ
たが、ティエリアは気にしない。アレルヤには説明を全部省いて、ライルの自分とは反対の方に陣取る
ように命令した。意味が分からないアレルヤは目を白黒させていたが、偶然刹那がライルにひっついて
離れなくなった場面を目撃して以来、マリーと共にライルの傍にいるようになった。
(頼むぜティエリア。俺の弟を戦場とホモから守ってくれ!)
と言う声を聞いたような気がしたが、ティエリアは気にしない。脳量子波は使えるが、霊感は合わせも
っていないからだ。

例え刹那が主人公でも、ロックオンを悲しませる事はしないと新たに決意するティエリアだった。


★何故ティエリアがライルの面倒をみることになったかとか、結構ライルと刹那の間にいたりする事が
 多く見かけた為(ライルとせっちゃんはあまり隣同士にはならない)こじつけてみました(笑)スメ
 ラギさんはライルの貞操を気にしてはいるが・・・・てな感じです。

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