深夜番組

       突然だが、004の夜は早い。それは仕事柄仕方ないということもあったが、寝床で本を読んで眠くな
       ったら寝てしまう。その時間は大体夜11時であった。


       その風習はギルモア邸に行っても、変わらない。別に早寝早起きを心がけているわけでもないのだが。
       002辺りはその辺がオヤジ臭いと言って、004からマシンガンの連射やら乱打切りをプレゼントさ
       れている。なんせ004の怒りは前触れもなく突然爆発するので、予想がつけにくい。しかも意外とポ
       ーカーフェイスを保っていたりするから、始末が悪い。002もその辺りを学習していれば良いものを
       まったく気にせず、毎回死に掛けている。しかも009がそれを見ていたら、あとで009によって最
       悪なトラップが部屋の中に設置されてしまうので、さらに死にかけていたりもする。サイボーグでなけ
       れば、最初のお迎えであの世に連れて行かれてしまうだろう。サイボーグでなければ会うこともなかっ
       たし、サイボーグになったからこそ死に掛けても復活できる。どちらが良いかは非常に難しい問題だ。

       そんなある日、004はぽかりと目が覚めた。珍しいこともあるもんだ、と苦笑しながら起き上がる。
       カーテン越しに届く光は、間違いなく月光だ。時計を見れば、午前1時過ぎ。妙に目が冴えてしまった
       004は、ベットを離れてトテトテと階段を降りて行った。ふと気が付くとリビングに灯りがついてお
       り、何やら音がしている。一旦それを無視して台所に向かう。ガラスのコップを出してきて、ミネラル
       ウォーターを注いだ。別に水道水でも良いのだが、003が折角なんだから美味しいお水を飲みなさい
       と言って譲らないので、なんとなしにミネラルウォーターを飲んでいる。そのコップを持って、リビン
       グを覗き込んだ。
       「おや、どうしたのさアル?」
       ソファにだらしなく座っていた009が、004の方を向いてニコリと笑った。
       「お前、こんな夜遅くにTVなんか観てんのか?」
       呆れたように呟く004に、ここに座ってとばかりにポンポンと自分の隣を指す。促されるまま、00
       9の隣に座る。TVにはアニメが映っていた。
       「まあね、僕結構コレ好きでさ!この日だけは起きてるんだよ。」
       「ふ〜ん、こんな遅くにアニメなんかやってんのか。誰が観るんだ、こんな時間に。」
       「僕。」
       「・・・・・・・・言い換える。お前以外に。」
       「さあ?でも結構最近は深夜にアニメがやってるよ。それって観る人がいるからじゃないの?」
       「へえ〜皆余裕だな。」
       「そーでもないとは思うけど。ま、良いやv一緒に観てようよ。」
       「・・・・・俺はアニメには興味ないし、話もわからんぞ。」
       「良いんだよ、たまには2人でゆっくりとTV観てたってさ。」
       そう言われて004はちょっと考えた。成る程、昼間は002や003と一緒にTVを観ることはあっ
       ても009と2人きりという状況はなかった。なんだか苦笑がでる。
       「まあ・・・・たまだからな。良いだろう。」
       そう言って009を見ると、009は嬉しそうに笑った。
       「うん!一緒にね!」




       ★お疲れ様でした。深夜番組は私は全然わかりません(コラ)。平日はさっさと寝てしまうし、休日もさ         っさと寝てしまうからです。だから009が観ていたアニメというのは、何かは考えてません。でも         最近増えましたよね、深夜放送の枠で放映されるアニメって。なんでも放送枠の料金が安いんだそう         ですけど・・・。出来ればもっと観れる時間帯にして欲しい私です。衛星放送もなあ、なかなか観れ         ないですし。うーむ、ちょっと寂しいかも・・・・。        戻る