さてどうなるやら




 










告白2


          これはなんなのだろう?とライは心の中で呟いた。読書を楽しんでいたところに突然、ルルーシュとス
          ザクの2人がノックも無しに飛び込んできた。何事かと目を丸くして立ち上がると、ルルーシュとスザ
          クはなにやら相手を牽制しつつこちらに向って来る。
          勝者は(珍しく)ルルーシュ。
          いきなりぐわしっ!と抱きつかれて、ライは驚いた。ライに抱きついたルルーシュは足で近づこうとす
          るスザクにわいのわいのと喚きながらキックをかましている。

          なにがなんだかさっぱりわからない。

          ルルーシュが話がある!と怒鳴っていたがその話はスザクにキックをかます事に忙しいらしく、ちっと
          も進展しなかった。
          しかもマズイ事にルルーシュの腕が上にずれていき、丁度ライの首の辺りをぐわしっ!と抱きしめてい
          る。更にはルルーシュの猛攻に耐えたスザクがライの腹の辺りに頭を押し付けて抱きしめるものだから
          さあ大変。上と下とで締め付けられて、ライは命の危機を感じた。
          「い・・・ったい・・これは・・・・。僕を殺す気か、君達は・・・・」
          ライの弱々しい言葉は、喚きあう2人の声にかき消される。必死で取りあえず1番の脅威であるルルー
          シュの腕に手をかけて外そうとするが、なにかを勘違いしているルルーシュの腕に更に力が篭もった。
          (ああ・・・もうだめだ・・・。こんな人生の終焉を迎えようとは)
          視界が暗くなり、息苦しさもなくなった。
          (なんだか良くわからないけど、取りあえず呪っとくからな2人共!ミレイさんに女装でもさせられる
           と良いわ!)
          そうして
          ライはわけもわからんまま意識を失った。


          「ああっ!どうしたライ!?」
          ぐったりと力が抜けて倒れこむライを、ルルーシュが支える。
          「そ・・・そうか。何も言ってないが、俺の告白は大成功というわけだな!?」
          そんなわけあるか。
          どうもライが自分に寄りかかってきたと思ったようだ。が
          「ルルーシュ、ライ気を失ってるよ?」
          下にいたスザクがライの顔を覗き込んで、ぽつんと呟く。
          「なんだって!?どうしてそういうことに・・!?はっ!」
          見れば自分の腕はあろうことかライの首に巻きついている。流石にルルーシュは青褪めた。
          「ルルーシュ・・・君が刑務所から出てくるまでライの事はまかせてくれ」
          「殺してないっ!しかも恐ろしくてお前なんぞに託せるかっ!」
          2人は暫く睨みあっていたが、同時に溜息を吐き出した。


          意識がぽかり、と浮上した。ライはのろのろと起き上がる。
          (あれ・・・どうしたんだっけ、僕は・・。確かルルーシュとスザクに絞め殺されそうになって)
          ふと横を見ると絞め殺そうとしていた(とライは認識した)当のご両人が床に正座して項垂れていた。
          心なしか耳と尻尾が垂れているような感じ。しかしライはふつふつと怒りが湧いてきた。
          「ルルーシュ、スザク、そこに座れ」
          「もう座ってます」
          「ルルーシュ・・・・・(怒)」
          「すいません・・・」
          ライは一つ溜息をついた。落ち着こうと思ったのだ。感情的に怒鳴りたいのは山々だ。だが相手にも言
          い分はあろう、怒るのはそれからだと思った。
          「で、ルルーシュ、話ってなんだ?」
          「・・・・聞いてくれるのか、ライ?」
          「聞いてから怒るか、殴るか、一本背負いするか判断する」
          「・・・殺されそうだ」
          「いいから、なんだ?」
          促すとルルーシュはいきなり立ち上がる。
          「ライッ!」
          「な・・・なんだ?」
          ぐわしっと両手をルルーシュの手に握り締められる。
          「俺と・・・・っ、付き合ってくれ!」
          「良いよ、別に」
          なんだ、そんなことなんかとライは思った。が、正座したままのスザクの顔が青褪めている。
          「ほ・・・・本気か、ライ?こんなヘタレと本当に!?」
          スザクは立ち上がって、ライに詰め寄る。スザクの焦りが良く分からないが、取りあえずライは頷いた。
          「で、どこの店に付き合えば良いんだ?」
          何気なくそう訊ねたのだが、2人はピタリと動きを止めた。
          「ん?ルルーシュは非力だろ?どっかの買出しに行くんじゃなかったのか?」
          ぎゅ、とライの手を包むルルーシュの手が更に握り締めている。真剣な光を宿した紫の瞳が、ライを見
          ていた。綺麗だな、とライは呑気にそう思う。
          「その付き合いじゃない。俺はこ・・・こ・・・こ・・・」
          「?鶏か?」
          「違うっ!恋人としてお付き合いして欲しいんだ!!」
          言い切ったぞ、ルルーシュ!偉いぞ、ルルーシュ!よしよし、ルルーシュ!
          「・・・・なんだか部外で凄い馬鹿にされている気がした」
          気にするな、さあライを落とすのだ!
          「よし分かった。ライ・・・・・ええと答えを聞きたいんだけど」
          その問いかけにライは少し考えたが
          「いいよ」
          とあっさりと答えた。
          「やった〜〜〜〜!!!」
          「ええええええええ!?なんでぇ!?」
          ルルーシュの喜ぶ声と、スザクの悲鳴が響いた。ルルーシュをふっ飛ばし、ライに迫る。その勢いに流
          石のライも引く。
          「良いのかい?君ホモになっちゃうんだよ!?」
          「あー僕は知っての通り、昔の人間だ。僕の時代は別に異端ではなかったよ。だから少し試してみても
           いいかなーと思って」
          もっと昔はそれが高貴な人間の嗜みで、少年に自分の知恵を与える良き行為だったりして。思うがそん
          なことで与える知恵ってアダルトのテクニック以外、何が継承されるのだろう?神様も男女共にドンと
          来いってのもいるし(ギリシャの神様とか)

          ともかく、ルルーシュの告白は大成功だったようだ。


          しかし後日、スネたスザクが黒の騎士団に大いに八つ当たりをした為、ルルーシュは死ぬ思いをしたと
          いう。


          ★というわけで、ルル/ライにめでたく収まりました。まあ、私がルル/ライですのでね(笑)   戻る