最強は誰?

















喧嘩

ルルーシュとスザクが喧嘩をしたらしい。シャーリーが生徒会室に入った時には既に始まっており、な
にが原因かわからないまま双方共に口を閉ざした。それから大変気まずい雰囲気になってしまい、流石
のシャーリーも閉口してしまう。
「ねえ、ルル、スザク君?」
取りあえず両者を呼ぶ。ルルーシュは瞳だけシャーリーに向け、スザクは顔をシャーリーに向ける。
「ホント、何が原因か知らないけど男の子は夕日をバックに川の中で殴り合って意思疎通すれば良い事
 じゃないの?」
2人共、目をぱちくりさせてシャーリーを凝視した。
「ん?イレブンの文化ってそうじゃないの?」
かなりシャーリーは真面目だった。
「スザクと殴りあうのか?しかも何故か水の中で?そんなことしたら間違いなく俺が天に召されます。」
「そうかな?僕、ルルーシュを撲殺できるのかな?」
天然なコメントをルルーシュは完全に無視した。
「シャーリーだって知ってるだろう?こいつの運動神経は俺より良いんだよ。」
あんな人間離れしたスザクと真正面から殴り合ったら、水の中でなくてもルルーシュの昇天は確実だ。
「あ、そっか。アーサー事件の時もスザク君はやもりのように屋根はいずってたけど、ルルは屋根から
 滑り降りたんだもんね。」
「あの高さから滑り降りたら、俺は確実に天に召されます。」
「そう?」
「そうだよ!天然で俺のトラウマひっかくのは止めろ。」
意外と必死なルルーシュにシャーリーはにっこりと笑ってみせる。
「大丈夫よ、ならルルをボコボコにした相手を私がボコボコにするから。」
「わあ、僕シャーリーにボコボコにされちゃうんだ。」
「おい!なんで嬉しそーなんだお前は!そんなことより自分がかなわなかった相手を、女の子にボコボ
 コされてしまう俺の立場はどーなるんだ!」
それは男としてかなり恥ずかしいな、ルルーシュ。するとシャーリーはビッ!と親指を立てた。
「平気よv私、水泳部だから水の中なら慣れてるもの。」
「いや、慣れでどーにかなるもんでもないぞ・・・・・。」
「そーだよねー、足元さえ確保できればパンチ繰り出すことは可能だよね。」
「お前、シャーリー殴る気か・・・・・。つか微妙に会話が噛み合ってないぞ。」
「そう?」
「そうかしら?」
「ええい、ボケ2人で突っ込みは俺1人か!今すぐに天に召されたくなってきたぞ。」
「駄目だよルルーシュ。」
地団駄ふんで喚くルルーシュにスザクが即答する。
「そうよルル。貴方が天に召されちゃったら・・・」
そこで2人の声が揃った。
「「この番組、終わっちゃう。」」
「・・・・・・・・・・・・・。」
2組の、色合いが違うが同じ緑の瞳が邪気もなくルルーシュに注がれる。ああ、こんな時に会長かリヴ
ァルがいてくれれば、違う作戦が展開できるのに!!とルルーシュは臍をかんだ。なんの、どういう作
戦かなのかは本人が全く思いついていなかったが。端から見たらバカップルに見える幼馴染の少年と、
親しいクラスメイトの少女を黒の皇子様は成す術もなく見つめていた。


「よっ、ルルーシュどうした?」
救世主のリヴァルが現れる。ルルーシュは思わずガッシとリヴァルの両肩を掴んだ。
「ここは任せた。俺はちょっと出てくる。」
「え?あれスザクとシャーリー?ん?どうしたんだよル・・・・・ってもういねぇ!!!」
全てをリヴァルに託して、ルルーシュはその場から逃走した。


☆喧嘩とは全く違うほのぼのになりました(そうか?)ルルーシュが一人で孤独に突っ込み役をしており  ますが、きっと楽しいと思います。あはん(←?) 戻る