青春の雄鶏




 


















嫉妬

自分の正体を知られたのかもしれない、そんなお間抜けな事態にルルーシュはCCと共にシャーリーを
追って成田までやってきた。取りあえずCCとは手分けして探そう、ということになりルルーシュはや
たら迅速に建てられた慰霊碑に向かった。そこに現れたのは、シャーリーの携帯を持っていた正体わか
りたくない感じの白髪のフラメンコ君だった。
「・・・・・これは銀髪だ。」
そうか、失礼した。
ルルーシュは怒りもあらわに、フラメンコ君に食い下がっていく。
「・・・・・マオだ。」
そうか、失礼。
「貴様・・・!シャーリーに何をした!?」
「さあ・・?」
取りあえずとぼけたフラ・・・じゃなかったマオ。ニヤニヤと笑って苦悩するルルーシュを見た。
「まさか・・・・!貴様シャーリーと朝チュンを!?」
「は・・・・?」
「あまつさえ、深夜放送なのを良い事に夜明けのコーヒーまで!?」
「お前の頭の中、いつの時代が闊歩しとるんだ。というかだな、彼女は今日の昼に会ったばかりだから
 ・・・・って人の話聞けよ!!」
「くそーやはりあの時、朝チュンすべきだったか・・・。いやいやシャーリーの心が弱っている時に、
 そんな事できるか・・・・。・・・・・うらやまし・・・・くない!ぜーーーたいうらやましくない
 ぞ!!」
頭を抱えてかなりの苦悩の表情をルルーシュが見せている。マオの頭にルルーシュの想像が流れ込んで
来た。
「!!!!!!!!!!」
それは、大変教育上宜しくない声だった。マオはこの時、他人の心が見えないことに感謝した。しかし
音だけでも大変な世界が展開されているのが分かる。
「おい・・・・・。」
思わず怒りに震えるマオに、ルルーシュがキッと睨んでくる。その時、マオは見た。ルルーシュの後ろ
に巨大な怒りの雄鶏オーラが噴出されるのを。
ごげごっごーーーーーー!!
雄鶏オーラは翼を広げて、怒りの雄たけびを上げる。
「燃え上がれ、俺の小宇宙!!」
「何言ってんだ!!そんな古いネタ知ってる方々がいると思っているのか!!」
「やかましい、この烈火の遼!貴様などそこら辺で寂しく双炎斬でも振るっていろ!」
「必殺技を寂しく発揮しろなどと、難しいことを言うな!!」
「どうせなら白炎を連れて来い!俺、あれに乗ってみたいんだ!」
「だから古いネタはやめろ!!」
ああ・・・俺どうして、こんな奴にちょっかいかけたんだか。CCを取り戻したいだけなのに、とマオ
は悲しくなった。目の前にはやっぱり怒りの雄鶏オーラを背負ったルルーシュ。
「大人しく、吐け!シャーリーとはどこまでいってしまったんだ!!素直に吐かなければ・・。」
「どうしようっていうんだい?」
「スザクをけしかけるぞ。」
沈黙。
「・・・・自力で何とかしようという気は起こらないのか。」
「スザクけしかけた方が手っ取り早い。」
ダメだ、この男は自分とシャーリーがアダルトな関係であると思い込んでしまったようだ。マオはなん
だか面倒くさくなってきた。
「分かったよ。」
「そうか、ならドコまでいった?」
「そうじゃなくて、彼女に直接訊いてみればいいだろう?」
「なんだってっ!?そんなこと・・・・!!うん、訊く。」
「・・・・・・・・・」
どっぷり疲れて肩を落とすマオの背中をドつきながら、ルルーシュはシャーリーがいるというケーブル
カーの駅に向かった。


「教えてくれ、シャーリー!!こいつと朝チュンしたのは本当か!?」
シャーリーと顔をあわせた途端、ルルーシュは喚きだした。
「・・・・・・え?」
当然シャーリーは戸惑い顔だ。銃をルルーシュに向けたまま、硬直する彼女を見てマオは溜息をついた。
「こーーーんな惜しみなく変態丸出しな奴と、夜明けのコーヒーまでしたとは本当なのか!?」
ルルーシュの勘違いの台詞はまだ続いている。マオはルルーシュの後ろにいるので、彼の表情は見えな
いのだが彼女の表情は丸分かりだ。シャーリーの顔色が緊張の為に生じた青から、段々怒りの為に赤く
なっていくその様を、マオは他人事のようにぼんやりと見ていた。この時ばかりはギアスの力よりも精
神の疲労が勝ったようで、心の声は聞こえていても意識を滑っていく。
「もう黙って!!」
パーーーーン
此処にはとても書けないような状況まで口にして騒ぐルルーシュに、とうとうシャーリーが切れた。そ
れはそうだろう、好きな相手に覚えもない変態とドコまでいったのかと喚かれればたまらない。この時
のシャーリーの叫びはまったく正しいといえる。しかし問題は彼女の手に銃が握られていたということ
だ。当然運動神経が人並みのルルーシュは驚いて後ろにひっくり返り、階段を景気良く落ちていく。そ
の時ルルーシュの上着からシャーリー秘蔵の写真がバラまかれたが、そこにいる全員が気がつく余裕は
なかった。
「ルルのバカーーーーッ!!!」
パーン
パーン
パパーン
最後は意とせず連射になったようだ。
「わ、わ、わ、落ち着けシャーリー!!」
「助けてCC!!]
成す術もなくシャーリーの銃から逃げ回る2人の悲鳴が、夕暮れの成田山に軽やかに響きまくったので
あった。

       

★こんな壮大なルルシャリ書いて、私って凄い(妄想はほどほどに)!・・・すみません、嘘です。おか  しいな、こんな怖い最後になるはずではなかったんですか。 戻る