最強の騎士?




 


















憤慨

マオは頑張った。どのぐらい頑張ったかというと、ハチの巣にされたというのに復活するほど。CCを
取り戻す為の旅は、いつの間にか勝手に妄想に陥った挙句命の危機まで律儀に振ってくれたルルーシュ
に「ぎゃふん」と言わせたいが為の旅になっていた。
「くそー、僕が本当に双炎斬ができたらーーーー!!」
と言ってもしょうがない事を愚痴りながら、せっせとルルーシュの妹をさらったりマシンガンを仕込ん
でみたり爆弾しかけてみたり。正直、努力の方向が激しく間違っているのだが、マオにはその事を分か
る余裕はなかった。その間も傷が痛む。頑張ったといっても、痛いものは痛い。
ルルーシュにチェスを仕掛けて、順調に勝ったのだが何故か爆弾が爆発しなかった。
がしゃ〜〜〜〜〜ん!
いきなり器物破損で現れた男、その名を枢木スザクという。日本人なのに名前がカタカナなのはパパン
譲りだ。思いもよらなかった展開に、マオは口をパクパクさせるだけであった。そんなマオをスザクは
キッと睨みつけた。
「自分は〜〜!!めんどくさいので、以下略。」
「自己紹介がめんどくさいって、コミュニケーションの基本をなんだと思っているんだ!」
思わずツッむマオ。しかしスザクはそのぐらいではビクともしない。
「お前がマオだな?ルルーシュから聞いたよ、僕も好ましく思っているシャーリーと朝チュンした挙句
 夜明けのコーヒーまでしたという、不届きものは?」
マオは心底驚いて、スザクの後ろで腰を抜かしているルルーシュを睨む。するとルルーシュは真っ青な
顔で、ぶるぶるぶると高速回転で首を横に振っていた。スザクもマオの視線を追うように後ろを振り返
り、やっぱり高速回転で首を横に振っているルルーシュを見た。しかし次の瞬間マオに向き直り
「聞いたような気がしたんだけどな。ま、良いや。」
ケロリとして言い放った。それはそうだろう、いくら友達とはいえ親しい女の子の朝チュンや夜明けの
コーヒーをべらべらと喋る奴はあまりいない。特にルルーシュは後でその妄想をシャーリーからこっぴ
どく叱られて、しょんぼりとしていたので話す可能性は皆無だ。命からがら逃げ出した後で、この2人
はなにか盛り上がっていたようだが、マオには興味がなかった。
「それどころか僕の義理の妹を浚うなど、不届き千万!」
「・・・・・・義理?」
「ああ、それは・・・」
「ま、待てスザク!お前は喋るな!!」
ようやく首の高速回転を終わらせたルルーシュが、慌てて話に割り込んでくる。しかし矢張りスザクは
ビクともしなかった。
「ルルーシュは将来、僕の奥さんになる人だからねvそうなればナナリーは義理の妹だろ?」
「・・・・・・・・・何か最初に激しく間違ってる台詞があるのが気になるんだけど?」
「当たり前だ!なんで俺がスザクの奥さんにならなきゃいけないんだ!嫌だぞ、そんな人生!?」
「恥ずかしがらなくて良いよ、ルルーシュvこの人は良い人だから、きっと祝福してくれるから。」
「普通、良い人が人の可愛い妹浚って人質になんかするわけないだろう?」
それは正論だ。それでもビクともしないのが、このスザクである。人の話を全く聞かない、ともいう。
「ちょっと魔が差しただけだって。ナナリーも無事だったし良かったじゃん。」
「それは大変喜ばしいことではあるが、そんなの魔がさしたって言われても・・・。」
なにやらワーワー言い合いだす2人。心の叫びが聞こえてきて、五月蝿さ倍増のマオであった。
「いい加減、手を離せよ!馬鹿力で掴みやがって!!この・・・・父親殺しがっっ!!」
ピタリ
言い争いはマオの叫びにより、中断した。くるうりとスザクが真っ青な顔でマオを見る。
「乳・・・・殺し?」
「なんだそれ・・・・?」
呆然と呟く(取りあえず)学生の2人。
「ちちの字が違う!それに親を抜かすなこの親不孝者!!」
叫びは全く無視される(取りあえず)中国人の1人。
「シャーリーと朝チュンしたからって、凄いアダルトな発想する奴だな・・・。何気に悔しい。」
「だから何で俺の勘違いをお前が知ってるんだよ!」
「いやだってルルーシュから・・・。」
「言っとらん!言うわけなかろう!寝取られたかもしれないなんて、悔しいこと!」
またしても、口論を始めるルルーシュとスザク。マオは泣きたくなった・・・・ので思いっきりスザク
の腕を振り切って、アメーバーのよーな涙をたなびかせながらドアへ走る。
「あ、逃げた。」
「追えよ、お前足速いんだろ?」
「めんどくさくなってきた・・・・。」
「貴様ーーーーーーっ!!!」
などという心温まる会話を背に、ドアを思いっきり開けた。
バタァァァァ〜〜ン
そこには夢にまで求めたCC。
「CC〜!!なんであんな変態と契約を!?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
困った顔のCCは、あっさり銃でマオを撃った。
「CC・・・・?こんな変態の近くで人生の終焉とは・・・・。」
悲しい言葉と共に、マオは倒れた。
「スマン、私もお前には悪い事をしたと思う。」
1人、シリアスに佇むCCの視線の先には変態のマオに”変態”の烙印を押された2人が、相変わらず
凄い口喧嘩を続行していたのであった。

       

★ううむ、ルルシャリとスザシャリとスザルルを絡めたかったのですが、なんだか上手くいきませんで  した。ま、人生こんなもんですよね(待て) 戻る