〜 道理が通らぬ国 

 道理とは集英社刊新修広辞典によれば「物事の正しい筋道」とある。
 私は決して熱狂的愛国者でも無ければ、今時の若い者はなどと言う程の年寄りでも無い。
 所謂、平均的日本人のつもりである。その平均的日本人から見てもこの頃の日本、日本人はおかしい。

 最近で最もおかしいと思ったのは、殺害された被害者の遺品が遺族にではなく殺害犯に返還されたと言う事例である。
 法律的には間違い無いのだそうだが常識的に考えれば大いなる間違いである。
 殺された我が子の遺品が親にではなく殺した人間に戻される。
 これが異常でなくて何が異常であろう。
 法治国家である以上、法律に従うのは当然だが肝心の法律に過ちが有るならば、その過ちを正すのが道理であろう。幸い、このような事例では改善されつつあるようだが。

 法律と言えば、おかしいと思える事例は他にも有る。
 心神喪失とか心神耗弱という状況である。
 自分の犯した罪に対し認識が無い或いは薄いと言う事であろう。
 本当の精神障害者は別として、例えばシンナーや覚醒剤を使い幻覚に陥り、その挙げ句に他者を殺傷したりした場合である。
 シンナー吸引や覚醒剤自体が既に犯罪である。その明らかな犯罪の上に殺傷という犯罪を重ねる。
 常識的には重罪であろう。それが心神喪失・耗弱と言う理由により刑が軽減される状況が見受けられる。
軽犯罪を犯してから重犯罪を犯したら罪が軽くなると言うのはどう考えても常識に反するのではないだろうか。

 もっと身近な例で言えば、子供の灼熱死(脱水死)である。
 不思議と言えばこれほど不思議な事もない。親がパチンコなどに行き子供は車中に置き去り、気付いた時には脱水症状で死亡というものである。
 これが毎年毎年繰り返される。人間というものは学習能力の有る動物とされている。一度、見聞きすれば注意するのが道理である。
 これでは学習能力の有るパソコンやワープロ以下である。
 バカな親が増えたのか、はたまた世の中がおかしくなったのか。
 少なくともこのページを読んだ皆さん、異論反論も有ろうが道理とは何かをホンのちょっと考えて頂ければと思う。
 
 
 

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