〜 言論否定の言論人 〜

 すでに旧聞に属するかも知れぬが、少し前に自民党の野中幹事長が馬鹿げた発言をしたことが報道された。
 それは小渕前首相の病気入院について民主党の鳩山代表がお見舞いの辞を述べた事に対し「白々しい」と発言したというものである。
 なぜ白々しいかと言えば、国会の党首討論で論戦を交えたことで前首相が体調不良に陥り入院に至ったからだそうだ。(勿論、その他の諸々も有ろうが)
 この発言には政治に比較的無関心な私ですら驚愕と言うか、呆れ果てたと言うか言葉を失った。

 国会という言論の最高府で、苟も選挙で選ばれた代議士という言論人が言論を戦わせる、至極当たり前の事であろう。
 その結果として体調を崩したと言うのなら、お気の毒ではあるが客観的にみて普段の健康管理を怠った当人もしくは当人の健康に留意すべき人達の責任である。
 野中氏の論旨を突き詰めると「言論の府で言論無しが善し」とするもので、幼児の言い争いより低次元の発言である。
 こんな人間が言論人の或る種の最高的地位の政治家であり、規模だけは日本一の政党の要職に有るとは本当に情けない。
 情けないが一部とは言え、こんな輩が跋扈しているのが国会であり我が国の政治の現状である。
 これでは政策以前に言論人として、そして人間としての資質を問わねばならない。
 それでも選挙では当選して出て来るのだろう。
 しかし、こんな人間から国民とは呼ばれたくない。
 少なくとも、こんな人間に一票を投じてはいないし今後も投じるつもりは無いのだから。

 今年は選挙の年、各地の有権者の皆さん、今度こそ常識・良識・見識を持った国政に相応しい人物を選ぼうではないか。
 しがらみや利益誘導を捨てて。ただ、選択肢の幅が如何せん小さいことは否めないが・・・
 
 

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