〜 速い、高い、まずい 〜

ここのところ新聞紙上などで『公団』がよく取り上げられている。
代表的なところでは日本道路公団、本州四国連絡橋公団、日本鉄道建設公団等々。
地方自治体や第三セクター的なものも含めればその数は膨大である。
そしてその『公団』の評判が極めて悪い。
それぞれの持っている技術や技能等に対して評判が悪いのではない。
その体質に対してである。
 
いま多く取り上げられるのは日本道路公団だが、日本道路公団に限らず公団的なものに付いて回るのが官僚の天下り先としての位置づけと運営の稚拙さ、そして隠蔽体質であろう。また、鈴木宗男代議士ら政治家による公団の私物化も問題視されて来たが一向に改まらない。
不要不急の道路、通行料が高過ぎて使い物にならない横断橋や高速道路に湯水のように予算が浪費される。
浪費される予算は国民の税金である。国民の血税を地元への利益誘導に使う政治家、唯々諾々と阿る公団。
いつも言われることだが道路にせよ橋にせよ“始めに建設ありき”だから社会情勢が変化しても計画の変更はなされない。
 
計画変更は利益誘導の政治家の面子を潰し、公団は公団としての存在意義を疑われかねないと彼らは考える。
生活者としての国民のことなど一顧だにしない。
本当に必要な道路や橋ならいくらでも建設すれば良いだろう。とは言っても現在の我が国の経済状況では『いくらでも建設する』のが無理なのは火を見るよりも明らかである。それどころか既存の建設費用の利子の返済に汲々としているのが現状である。それならば、利益誘導の政治家どもの面子のための道路や橋の建設を止め、公団は公団らしく本来必要とされる事業を推進するのが当然の帰結ではないだろうか。
 
立派な高速道路が出来たために従来町に立ち寄った人々が通過してしまい町が寂れ過疎化に拍車がかかり町の予算も逼迫などという冗談では済まないような現象も各地にあると聞く。
政治家は公団への介入を止め、公団は官僚の受け皿を止めれば多少は風通しも良くなるように思うのだが・・・。
 
某飲食店チェーンのキャッチフレーズに『早い、安い、うまい』というのがある。
公団が合格なのは『早い≒速い』だけである。それも料金が高過ぎて利用者は伸びないどころか落ち込むばかり。
何処かの公団でこの飲食店チェーンのノウハウを学ぶところはないだろうか。
少しは味な公団に変化出来るかも知れない・・・・・。]



 
 

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