〜 人道の船と拉致 〜

北朝鮮の言う人道の船『万景峰号』が歓迎と反対の中、新潟港に入港した。
そして国土交通省が実施したPSC(ポートステートコントロール=船舶安全性検査)を受け、是正すべき幾つかの点が見付かり是正命令を受けた。
 
それにしても不思議なのは朝鮮総連やその関係者達の態度である。
日本と北朝鮮には核問題の他に拉致という大きな壁が立ちはだかっている。報道管制で金正日総書記に都合の良い事しか知らされない北朝鮮国内の国民ならいざ知らず、日本国内の朝鮮総連や北朝鮮関係者はそれが未解決であることをよく知っている筈である。少なくとも朝鮮総連は拉致問題が金正日の口から『拉致は確かにあった』との発言を受け、記者会見で日本国民に対し遺憾の意の表明と謝罪を行った筈である。そして朝鮮総連が本国北朝鮮の言いなりにはなっていないとも発言した。しかし、ここ最近の言動は北朝鮮と同じである。これでは朝鮮総連を無条件に信用するのは出来ないのが当然であろう。
 
そして、今回の『万景峰号』で修学旅行に出発するために新潟に来た朝鮮大学校生も不思議である。彼ら彼女らは拉致の事実、それの未解決をよく知っている筈である。仮にも大学生、祖国を見学出来る喜びだけで船に乗るのだろうか。拉致問題の解決には何等の感心も興味も無いのであろうか。
 
言ってみれば朝鮮総連は北朝鮮の傀儡であるから、北朝鮮の言う通りに発言し行動してもさほどの不思議はない。
しかし、若き朝鮮大学校校の生徒達には若者らしい目で祖国を見、拉致問題を考えて欲しいものである。
そうすれば『人道の船』が真っ先に日本に運ぶべきものが何であるのか自ずから答えが見えてくる筈である。
 

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