〜 参院選 駆け抜けた旋風 〜

炎暑、猛暑の中で始まった第19回参院選は7月29日の投票で幕を閉じた。
結果は自民、民主、自由各党の議席増、公明党は現状維持、他党は保守党を含め軒並み議席減となった。
結局は自民党の一人勝ち、野党は議席増の2党を考慮しても拮抗勢力とは成り得ず完敗である。
今回の参院選の特徴は何と言っても小泉旋風と言われた小泉自民党総裁のカリスマ性であろう。猛暑の中、選挙カーの上から汗を飛ばしながらポンポンと捲し立てる。聴衆は話の内容よりも、そのスタイルに拍手する。確かに見た目のカッコ良さは他党の党首らから一歩抜きん出た感はあった。しかし、本当に必要なのはスタイルではなく政策の中身なのは当然のこと。その中身が問われることは殆ど無かった。無かったと言うより問うことが出来なかったと言う方が正しいかも知れない。これは野党の政策とて同じである。
小泉政権が掲げる大柱の“構造改革”とそれに伴う“痛み”とは一体どのようなものなのか。政権は言及せず、野党は追及しきれず、有権者は主権者でありながら蚊帳の外である。しかし、この蚊帳の外の人々がいざと言うとき真っ先に“痛み”を被るのは火を見るより明らかである。
その痛みは敢えて甘受できる程度のものなのか、それとも死に至るような激痛なのか。政権党は“痛みは小さい”と言い野党は“大きい”と言う。そして結局は曖昧模糊のままで選挙戦は終わった訳である。
この参院選を客観的に見れば決して自民党が勝利したのではなく、小泉イメージが勝利したのであろう。
そのイメージの前に野党は抗せるだけの力量が無かっただけのことなのではないだろうか。
兎にも角にも結果は出たのである。小泉内閣には“痛みを伴う構造改革”の真の中身を国民に披瀝して貰うと共に、野党には論理的かつ現実的な追求をして欲しいと思う。
自民党内、暫くは大人しいだろうが大勝=派閥・族議員の温存でもある。やがて彼らは必ず派閥の理論、族議員の理論で動き出すことは間違いあるまい。
そのとき小泉総理・総裁が踏ん張れるかどうかに彼の政治生命がかかっていると言っても過言ではないだろう。
先ずは獅子身中の虫を駆除し政策を現実化して見せて欲しい。
その結果は次の選挙で国民が審判を下すのである。
アッ、そうだ、痛みなら国会、地方議会の多過ぎる議員の定数を大幅に減らし、議員諸氏に先ず味わって貰おうではないか、どれほどの痛みなのかを・・・。



 

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