〜 小心者の文句沢山(その2) 〜

 某コーヒー会社が一人用小袋入レギュラーコーヒーを出している。箱の説明に従いコーヒーを小袋底部に安定させる為2〜3回振ったところ接着が不十分だったのか袋が剥れてキッチン中にコーヒーが散乱してしまった。早速メーカーに、現品を同封してクレームの手紙を送った。
 暫くしてメーカーから丁寧な詫び状と、コーヒーの散乱した原因及び今後の改善策を記した説明書がギフトセットと共に送られて来た。何も物がほしくてクレームを付けた訳では無いが悪い気はしない。

 日曜日の買い物に母親の運転手兼荷物運びとして全国展開する某大型スーパーへ行った。買い物を終え、腹が空いたので我々二人飲食コーナーにてラーメンを啜って居た。
 汚れた口元をオシボリで拭いていると、母親が立ち上がり他のテーブルにオシボリを取りに行った。なるほど、よく見るとテーブル数に比べオシボリの数が少な過ぎるのだ。これは注意をしなくてはと思ったが飲食コーナーに居るのはパートと思えるオバチャンばかり。仕方が無いので帰宅してからスーパーに電話をしてクレームを言ったが、そこでビックリ!我々がオシボリと思って使ったのは何と台布巾だと言う。
 しかし、我々の他にも周囲で明らかにオシボリとして使用している人がおり、食事で汚れた幼児の口や顔を拭いているお母さんもいた。オシボリ置きの上に綺麗に畳まれた白い布、これではオシボリと誤解しても当然である。台布巾と知っている人は汚れたテーブルを拭き元のオシボリ置きに戻す。その後、台布巾と知らない人がオシボリとして使う。どう考えても不衛生極まりないので、その事を強く指摘したところ、もっと上部の者に報告し、その者が当方に電話を寄越す事になった。
 折り返し、全国の飲食コーナーを統括するという責任者から電話が入った。曰く「指摘されれば確かにその通りで誠に申し訳ない。当該店舗に付いては店長に指示し誤解を招かないよう、現時点で出来る策を早急に実施させた。今後、本格的に改善する。又、スーパーが全国に有り、飲食コーナーも殆どの店舗に入店している。各地により、多少の相違は有るが基本的部分は同じなので近々に全国の店長から状況を報告させ改善する点は早急に改善する。自分たち経営する側も、お客様の視点を心掛けているつもりだが、その場で問題が発生していないと可としてしまう。今回のクレームは良い反省材料になり大変に有り難かった。今後もクレームが有ればいつでも教えて欲しい」との内容であった。この返答に私は納得し好印象さえ持った。

 この二つのエピソードから浮かび上がって来るものは何だろうか。
 クレームを真摯に受け止め、誠意を持って対応すれば客を増やす事は有っても減らす事は絶対に無い。クレームも言わず離れて行ってしまう客が一番怖いのである。
 クレームを「うるさい客の勝手な言い種」と考えず、返って一つの大きなビジネスチャンスと捉え良策を講ずれば、現在のこの不況を乗り越えても余りある何かが得られるかも知れない。

 お客様は神様、いや、もっと大きな幸運を運ぶ女神かも

                                   
   

 

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