〜 追い風 凪 逆風 〜

小泉内閣の支持率が異常かつ極端に高い。
主な新聞の調査では軒並み85%前後にある。
あの日本新党ブームから細川内閣発足の時よりも高いそうだ。
これも偏に小泉純一郎氏と田中真紀子氏に負うところ多しである。
永田町の変人が変革の人に見え、外務官僚と戦う田中氏が勇ましく見える。
内閣発足から1ヶ月余しか経っていない現在、何らかの成果を問うのは酷ではあろうが、いま国民に見えているのは小泉首相の歯切れの良さと時に資料の棒読み、田中外相の外務官僚との喧嘩、塩川財務相の物忘れ、竹中経済財政担当相の骨太の方針くらいだろうか。いや、一つ成果はあった。それはハンセン病裁判で控訴を取り止めた事であろう。法理は兎も角として国民の殆どはこの判断を支持していると思う。
少なくとも森前内閣ではこうスムーズにはいかなかったであろうことは想像に難くない。
野党は困っているようだ。殊に民主党は元々が自民党と政策が極端に違うという部分が少ないから一層である。
予算委員会での追求でも枝葉末節をあげつらったり揚げ足取りが多く見られた。
そして「考え方はそれほど変わらないのだからご協力を」などとかわされてしまう。
これは他の野党も同様である。
或る新聞の報道によれば『小泉首相や田中外相が答弁に困るような質問はするな』などという抗議の電話やメールが野党議員の事務所に殺到したこともあると言う。
この国の民度はどうなっているのかと首を傾げるが、いま現在の風は良くも悪くも小泉内閣には追い風である。
しかし、風は必ず止む時が来るし逆風にもなる。いま暫くは様子を見よう、そして風を止めるのか逆風を起こすのか、国民一人一人が正しい判断を示そうではないか。
その為には私たちがブームに吹かれずムードに流されずハッキリと見据えてこそである。
それにしても小泉人気は高い。多くの国民の期待を集めているという事だろうが、誰が首相になってもあの森さんの後なら悪くなりようがないのも自明の理ではある。



 

戻る