〜 拉致犠牲者 安否の裏表 〜

日朝首脳会談で北朝鮮に拉致された方々の安否が発表さると共に金正日総書記のお詫びの言葉が伝えられた。
結果は8人が既に死亡しているというショッキングなものであった。
ここで問題なのは生存と発表された4人の方々については北朝鮮も虚偽は言っていないと思えるが死亡とした8人の方々の安否である。
これが北朝鮮でなければ発表を信ずるに強ち無理は無いが相手が北朝鮮となればスッキリと信ずるには無理がある。
 
拉致犠牲者の家族の皆さんも言っていたが、北朝鮮の過去の言動は拉致そのものが無いというものであった。
それが小泉総理大臣との首脳交渉では簡単に拉致を認め死亡年月日を記述した安否情報を提出した。
(外務省が死亡年月日情報を隠したのは噴飯物である。隠蔽体質は未だ変わっていないらしい。)
20年以上に亘って、無かった筈の拉致があっさりとそして極端な短時間で認め、お詫びまでする。
こうなって来ると死亡したとされる方々が本当に死亡しているのか極めて疑わしく思えるのは吝かではないだろう。
まだ北朝鮮にとって必要な人は死亡として処理、適当な死亡年月日を記載しても日本側には分からない。
ニュースなどによると拉致された男女のうち1組の死亡年月日が同一であるという。これも又おかしな話である。死因は何なのか北朝鮮はハッキリさせていない。病気なのか事故なのか処刑なのか全く不明である。
 
日朝国交正常化交渉を再開することは悪いことではない。しかし、交渉再開の前に拉致犠牲者の本当の安否は宣言に署名した小泉総理大臣及び小泉内閣、関係各省庁の責任で迅速に行うべきである。
北朝鮮任せでは信用できるものではないのは火を見るよりも明らかである。
北朝鮮が死亡を言っている方々の遺骨や指紋、普段身につけていた衣類などを日本側に提出させDNA鑑定やその他の合理的、科学的鑑定を行うのが筋であろう。そして、それらを試みても尚かつ死亡が確認されたのなら日本政府が拉致犠牲者の方々のご家族に最終的な結果を真摯に報告し納得して頂くのが義務である。
それらがあって初めてご家族の方々の心の時計は進み始めるのではないだろうか。
拙速に交渉を始めるよりは先ずは拉致犠牲者のご家族の心を癒す方が優先されるべきである。
この問題を置き去りや棚上げにしての日朝交渉は本当の交渉ではなく単なる政府、官僚の踊り場でしかない。
 

 

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