〜 「センス 対 センス」 

バンクーバー冬季五輪が始まりました。
国内的に楽しい話題は少ない我が国ですが暫くの間は選手たちの活躍をメダルの期待と共に楽しめるのではないでしょうか。
その冬季五輪に少しばかり傷をつけたのがスノーボード代表である国母和宏選手の服装問題です。
 
私は今回問題になった腰パン、シャツ出し、緩めたネクタイという彼の服装は好きではありません。
好きではありませんが目くじらを立てるほどの問題とも思いません。
『制服を崩して着るのはけしからん』 というのが始まりで 『謝罪会見のあの態度はけしからん』 に繋がり選手村入村式、開会式に参加させないという制裁 (自粛) になったようです。
しかし、制服を崩して着用するというのは彼のセンスなのでしょう。
そのセンスに対して別のセンスを持っている人たちが自分たちのセンスを押し付けてもそれこそ “ナンセンス” です。
例えそれが日本を代表する選手が着用する制服だとしてもです。
だからこそあの 『反省してま〜す』 と言う反省の無い謝会見になってしまったのです。
彼にしてみればどうして謝罪させられるのか今ひとつ納得できていない筈です。
JOCやスキー連盟の幹部などは 『反省を競技に生かして』 のようなことを言っていますが噛み合っていない気がします。
 
何より拙いと思えるのは開会式に参加をさせないという制裁です。
選手たちは日本を代表してオリンピックに臨んでいるのです。
そのオリンピックの華とも言えるオープニングセレモニーに犯罪者でもなく “たかが服装のこと” で参加させないという大人気ない対応は自ら選抜、招聘した代表選手に対して失礼でありJOCやスキー連盟の傲慢とも思えます。
この服装問題には識者と言われる人たちから色々な意見が出ていますが誰も 『制服を崩して着るのに賛成』 と言う人はいません。
当然のことです。
しかし、個人のセンスや好みは押し付けられて変わるものではありませんし反省を引き出せるものでもありません。
詰まらないことで一人の能力のある若者を追い込むより年寄りには無いセンスで競技に参加し楽しんで貰い 『メダルが取れれば儲けもの』 で良いのではないでしょうか。
 
センスや好みは公にせよ私にせよ言い出したら切りがありません。
どんな意見も正解であり不正解なのですから。
スキー連盟は選手の帰国後に処分を検討しているとの報道もありますがそんな馬鹿な事をする暇があったら連盟自らの体質改善と選手への接し方を磨いた方が余程これからの為になると思うのですが。




 

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