〜 証人喚問 〜

去る3月11日、数々の疑惑の人である鈴木宗男衆議院議員に対する証人喚問が行われた。
結論は皆さんもご承知のとおり、そして思っていたとおり真相の解明には至らず、却って疑惑を深める結果となった。
過去の証人喚問、ことに政治家に対する証人喚問で真相が明らかになったことが一度でもあっただろうか。残念ながら否であろう。
何故なのだろうか。先ずは追求する側の材料不足、証拠不足が決定的である。そして証人の『記憶にない・記憶が定かでない』の言い逃れ、そして質問時間の不足である。証人喚問が2時間とは如何にも短い、少なくとも半日以上は必要である。
質問時間は議院の人数により各党派に比例配分される。そうなれば当然ながら与党第一党の自民党が多くの質問時間を確保する。
今回の証人喚問も同様で、ムネオ議員に対し同じ自民党の議員が毒にも薬にもならない質問をし、それに対してムネオ議員は遺憾の意を表し、謝罪をしながらも疑惑の殆どを否定し真相には一歩も立ち入らない。
野党とても種々の疑惑に対し質問をぶつけながらも真相究明にはほど遠く、そして時間切れで終了、幕切れである。
単純に思うのは証人と同一会派の議員の質問が必要なのだろうか。いわば身内の人間に対して鋭く、そして端的にものが問えるのかということである。過去そして今回の証人喚問でも見られたようにまず無理なのは明々白々で証人に言い訳の場を提供しているだけである。
証人喚問=疑惑追及の場なのであるから員数による質問時間の配分は見直されるべきである。
証人と同一会派の質問時間を0にしろとは言わないが少なくとも現状の半分か3分の1程度に絞り、無駄な時間を廃し、その分を野党に配分し直すのがベターである。そして、1回の証人喚問で事足りたとせず真相を糾して行って欲しいものである。野党には弛まぬ真相究明の努力を願いたい。役所からのリーク情報だけでは結局は『言った、言わない』の堂々巡りと『記憶にない』の決め台詞で、真相究明には辿り着ける筈がない。
正しい証拠、論拠が有れば言おうが言うまいが、記憶に有ろうと無かろうと真相は自ずから現れるものである。
今回の証人喚問で記憶に残ったのはただ一つ、社民党の辻本清美議員が放った“疑惑の総合商社”発言である。
この辻本議員、時として品性の無さや常にカメラを意識しての立ち居振る舞いに辟易するが“疑惑の総合商社”はヒットである。座布団を2枚差し上げたい。
 
“疑惑の総合商社”社長のムネオ議員は自民党を離党した。
建前は自身の決断と言うことになっているが、外堀内堀を埋められ、同一会派議員の私利私欲による手の平返しに嫌々ながらがの離党がハッキリと透けて見える。その悔しさが離党会見の涙になったのだろうか。
ムネオの涙は“男の武器”になるのだろうか。それほど国民、有権者は馬鹿ではないだろう・・・。



 

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