〜 主権者への犯罪 〜

またまた外務省が喧しい。田中真紀子氏が外務大臣になった時とは違う喧噪である。
外務省課長補佐のホテル代水増し詐欺事件だ。
田中外相就任以前から露呈していた機密費流用事件も尾を引いているというのに、在外公館での資金流用や公費での私物購入、食費の付け回しなど、一般の世間では“横領”と言う犯罪が横行している。
その中でのホテル代水増し詐欺である。この犯罪も外務省の伝統のようでずっと以前から続いていたようだ。
そして、これらの犯罪は全て、国民の税金を搾取した悪質で破廉恥な所業である。
事件を起こした役人は、“税金”が“予算”と名を変えると途端に金銭感覚が麻痺し、自分の物と勘違いをしたのだろうか。それも千万単位、億単位で。
今回のホテル代水増しの課長補佐は宿泊代や飲食代等をプールした裏金から支払っていたそうだ。
その宿泊や飲食には彼の部下や上司も含まれている。それも、プールした裏金から拠出されることを知りながらである。
それなのに逮捕されるのはノンキャリアと呼ばれる叩き上げの課長補佐クラスばかりである。
彼らを管理監督する立場のキャリアは散々に美味しい汁を啜っておきながら精々『監督責任を問われての処分』程度で終わってしまう。まず、懲戒免職ということはない。
勿論、最も悪質なのは水増しの課長補佐には違いないが、それを『薄々しりながら』のキャリア連中も同罪であろう。いや、管理監督をしなかった或いは出来なかったキャリア連中の方が罪は重いかも知れぬ。
このような国民の税金を私する人間が居るようなら確かに外務省は伏魔殿である。
しかし、このような伏魔殿の部分はどこの省庁でも見え隠れしている。
国の予算とは以前にもこの「The Pen」で書いたが国民が汗水を垂らした税金と言う結晶である。
それを横領、私するのは主権者たる国民への明確な裏切りと思い知るべきである。
マァ、そんな思いがあれば事件が起きる筈はないのだが・・・。
役人の体質が改善されない限り、いつも言われる“氷山の一角”が繰り返される。



 

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