〜 予算と税金 〜

結果的には白紙になったが国は予算を使って大手デパート「そごう」の債権放棄、要するに借金の棒引きを画策した。
世論の大反対と政権党の党利により債権放棄案は白紙となり倒産、民事再生法申請の流れとなった。
債権放棄は法理には背いていないと言うが納税者の感覚からは多いに乖離していたと言うことである。
「そごう」の理念無き経営者には呆れるばかりだが、国の予算を使って大きいとは言え一私企業の借金を棒引きにしようと画した政治家や官僚の見識を疑わずにはいられない。
予算とは何であろうか。それは税金である。
納税者の汗、血の滴である。その1円が10円を成し、10円が100円を成し、億、兆と成るのである。
しかし、それが「予算」と名前を変えると自らも納税者である筈の政治家や官僚の匙加減の道具に成り下がる。
そしてその匙加減を盾に権力の行使を目論む。納税者としてのごく当たり前の感覚を忘れてしまう。
一私企業の膨大な借金を棒引きする予算が有るのなら阪神淡路大震災で未だ立ち直れない人々、洞爺湖や伊豆諸島地震で生活が成り立たない人々、雪印やそごうの不祥事に泣く末端業者、政府の無策に喘ぐ中小企業者や従業員、その他諸々の本当に困っている納税者の救済に使うべきであろう。
これらの人達があってこその予算(税金)ではないか。
予算を扱う者は納税者の1円10円に思いを馳せるべきであり、それを思える者が予算を扱ってこそこの国も少しは立ち直りが早くなるかも知れない、と思うのだが・・・・・


 

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