エウマキア

「それではユリア殿が練習しやすい様に下準備を」

嘯くルシウスの手が重量感のある乳房の根元付近を抑えると、 エウマキアの乳房は布地が張り裂けんばかりに前に突き出し、そのたっぷりとした質感を示しつつ美しい形をくっきり浮き出たせる。
エウマキアは目を閉じわななく快楽に耐えるが、たちまち胸元から押し上がってくる感触に蝕まれ苦しそうに眉根を寄せる。
火照り始めた乳房は布地と擦れ合うだけでも快楽の悲鳴を上げ、押し潰される先端の尖りは淫猥な鼓動に打ち震える。

(こっ……この程度でっ……くっ、な、なぜこんなに)

長い陵辱のほんの序章でここまで反応する身体をエウマキアは必死に抑えようとするが返って自身の生生しい反応を自覚させられる。
その悦楽に蝕まれながら微かな吐息をも漏らすまいとする苦悶の表情はたまらなく弑虐心を煽るものであった。

「……ぁ……っ……」

しかもその意思とは裏腹に食いしばる口元から甘い吐息が漏れ出で、 胸元の布地を限界まで張り詰めさせた豊かな乳房が自らぶるぶると震える様が視界に入る。
明晰な頭脳は淫猥な責めに反応している証拠を容赦無くエウマキアに突きつける。
その上先程慣らされた下腹部が再びとろとろと融け出すに至り、エウマキアは羞恥にまみれながら自身の淫蕩な性への自責に苛まされる。

(…っ……、なっ…な…に?)

しかも鋭敏なエウマキアの意識には、自身の身体の更なる異変が奇妙なむず痒さとともに首をもたげてくる。
ゆるゆると揉み込まれる乳房から生じる愉悦は全身をくまなく巡り感覚を昂ぶらせ、再び疼き始めた体奥からは恥液が湧き出し始める。
それと似た感触が胸の奥で蠢き始める。
火照りきった乳房から溢れ出る刺激に呼応する様に脈動が高まり何かが沸き上がってくる。
言い様の無い不安を感じたエウマキアは得体の知れない感覚の原因を確かめようとするがその思索は新たな責めに中断を余儀なくされる。

「少し行儀が悪いですな」

「なっ、なにをっ……っ!」

ルシウスの手がするりと乳房の流線を先端に向けて滑り震える媚肉の中ほどを軽く抑える。

「……ぁっ……はっ…っ…」

エウマキアの柔らかな乳房が容易にくびれ、張り詰めた肌が僅かな圧力にも悲鳴を上げる。
豊かな乳房の中程に埋められた指が蠢くと、快楽の戦慄きが細密な内側を乱反射し、 弾力のある媚肉が苦しげにもがき輪郭の滑らかな曲線が波打つ。
強弱をつけ演奏するように揉み込まれると、小さくそして艶やかな声がエウマキアの意思を無視し絶え絶えに奏でられる。

「こっ…こんな……こんな事でっ…」

息が上がり美しい顔に大粒の汗を浮かべながらもエウマキアは瞳に不屈の意思を宿しルシウスを睨む。
だがその満足気な表情に淫蕩な反応を続ける自身が写り羞恥がとどめもなく溢れ出す。
しかも追い討ちをかけるかのように濡れそぼった秘花から淫猥な液体が太腿を伝い、それすら見透かされてるような錯覚に陥る。

(うっ…ま…また、んっ……なんなの)

そして胸の奥の脈動は更に強まり、熱い何かが中途半端に湧き上がっては収まりエウマキアの平静を乱す。

「あっ……はぁ……っ…んぁ…」

漏れ出る嬌声と自戒の意思が吐息の中に織り交ぜられ何とも言えぬ艶を醸し出す。
はしたない声を出してる事はエウマキアも自覚しているのだが押し止めることは叶わない。
柔肌を擦るルシウスの手の動きに、布地越しに浮き上がる見事な釣鐘型の乳房が前方に大きく突き出され、 閉じ合わせた太腿の付け根からは欲情の証拠が存分に滴る。

(ひっ…あっ…あふれるっ、こっ…これはっ)

そして胸の奥での息苦しいまでの脈動もとうとう限界を越え、熱い液体が乳房に流れこみ、その液体の名がエウマキアの意識に刻まれる。

「おや、なにやらびくびくとされてらっしゃいますね」

「なっ…なんでもっ、はっ…くっ、なんでも……ありません」

手を止めたルシウスが白々しく問いかけるとエウマキアは自身の更なる異常を悟られまいと必死に取り繕おうとする。
もし今自分に起こっている事柄をルシウスに知られたらどうなるか。
自身の未来が底知れぬ暗闇に沈んでいくように感じるエウマキアは散り散りになりかけた意識を必死にかき集め 乳房や股間の疼きと供にこの胸の脈動をなんとか押し留めようとする。

「ほお、それでは続けましょう」

「……っっっ…あぁ、はっ……くぅぅぅっ」

だがその努力を嘲笑うかのようにルシウスの手が一層激しく蠢く。
明敏な刺激が乳房を傍若無人に暴れまわり、一揉みごとに熱い液体が充満していく。

(あっ……どっ、どこから…こ、こんなに、で、でも…どうにか…どうにかしなければ)

乳房が満ちていく感触に泣き崩れそうになりながらもエウマキアは対策を模索する。
しかし暖かい液体は確実に充満してゆきルシウスの愛撫に水音の幻聴すら聞こえてくる。
そして乳房が充満すれば退く道のないそれはとうぜんその先端に行き着くのだ。

「そろそろ頃合ですかな、ユリア殿こちらへ」

そしてルシウスの指先も先端付近に達し嬲る様に乳輪をなぞりユリアの口元に近づける。
見透かしたようなルシウスの示唆にエウマキアは何とか痴態を回避しようとする。
だがただでさえ尖りきった先端が触れる布地にすら悲鳴を上げている中、 僅かでも破裂せんばかりの堅くしこるそこに乳房から溢れた液体が容赦無く注ぎ込み先端の窪み付近まで充満する。
後は僅かな刺激さえ受ければ爆ぜる様に乳白色の液体が舞い散る恥辱の光景が繰り広げられるのだ。

―――トントン―――

しかしエウマキアを絶望に染め抜く瞬間の寸前、扉を控えめに叩く音が淫猥な芝居を中断させる。
時が止まったような情景の中いち早く事態を認識したルシウスは薄く笑うと淫虐の責めに悶えるエウマキアの乳房をあやす様に撫でる。
切羽詰まった喘ぎが徐々に収まり変って蕩けるような吐息が漏れ出る。
上気した頬、焦点の合わぬ目、ルシウスは夢見心地のエウマキアの艶かしい貌を捉えると半開きの唇を吸う。

「んっ、んむむっ」

唇を奪われた事を認識したエウマキアは嫌悪感に惚ける意識を必死に正し、その手中から逃れようと身体をくねらせる。
だがルシウスの緩やかな愛撫にたちまち力が抜けその身をもたれかけさせる。
その上ルシウスの舌が唇を割り口内に侵入し、抵抗しようとするエウマキアの舌を絡め取り甘い唾液を音を立てて吸う。

「エウマキア様?」

返事が無いのを不審に思う家人の問いかけが、エウマキアに更なる焦燥を書き立てる。

「早くご返事を成されたらどうですか」

一方のルシウスは頃合良しと見てか不意にエウマキアの唇を開放する。
どちらのものとも分からぬ唾液の糸を紡ぎながら唇が離れ、 ルシウスはその泣き崩れそうな美貌をじっくりと堪能しながら挑発する様に問いかける。
エウマキアは陵辱に翻弄されてた事を否認すべく毅然と振舞おうとするが、 明晰なはずの頭脳は未だ口付けの余韻に混乱し、乳房はなみなみと湛えられたものがゆらゆらと揺れ一向に思考がまとまらない。

「な、何でも有りませんっ…、そ、それより、なんですか」

ようやく口にしたのは芸の無い台詞を誤魔化すかのように言葉を続ける。

「日も遅い様なので、お客様の食事をご用意させていただいたのですがいかがいたしましょうか?」

「わ、わかりました。私がご案内するので粗相の無い様に」

不信の交じる家人の言葉があたかもこちらの様子を見透かしている様に感じられエウマキアは早口でまくし立てる。

「はい」

欲情に蝕まれていた体も徐々に鎮まり、家人との応対の中でエウマキアは徐々に本来の表情を取り戻していく。
だがこれは小休止に過ぎず次の責めを受ければ容易に今以上の状態まで昂ぶるのだ。

「それでは参りましょうか」

何事も無かったようなエウマキアの台詞が、改めて冷淡な佳人はやはり取り澄ました表情のほうが良いと思わせる。
徐々に慣れさせ願わくばもっと深い快楽の奥底で果てる最後の瞬間までそのきつい眼差しで睨んで欲しいものだとルシウスは内心で呟いた。

飾り気はないが手入れの行き届いたフェリクス家の邸宅の広間。
豪華ではないが手の込んだ料理が並べられた卓の末席で家人達は少々戸惑った表情で主人と賓客の来室を待っている。
通常こういった歓待をするのはエウマキアが特に親しい知人を家人に顔を覚えさせる為であり、 あまり良好な関係とはいえないルシウスに対しこのような場を設けるのは少々意外であった。

「み、皆、待たせましたね」

やや震えた涼やかな声が入室を告げると家人達は推測を止め一斉に身を正す。
まずは彼らの主であるエウマキアがいつものように少々疲れた風情で姿を現す。
家人達は一様にその働きすぎの身を案ずるが休息をとる様に言ってもやんわりと断られるのが常である。
結局のところ彼らに出来るのは任せられた責務を完璧にこなす事だけである。
さらに今日はその身に纏わす何とも言えぬ色気がいつもより濃密に漂っており、その艶やかな様子に思わず生唾を飲む。
次いで二人の客人が姿を現す。
まずはルシウス=ムナティウス=プランクス、最近とみに声望を増す執政官である。
彼らの主と比べても見劣りしない風格に流石との感想を抱く。 しかしより目を引いたのはもう一人の客人のほうである。
他の二人と比べおずおずと姿を現したユリア、その風貌は彼らに見慣れた人の面影を投影させていた。
年配のものに至っては自分が白日夢を見てるのか、と思うものもいた。
ともあれそれだけで家人達は深い事情があるのを察することが出来た。

「あまり勘繰られるのは関心しませんな」

「えっ……なっ、はうっ……くはっ」

家人達がユリアに見とれているさなか、ルシウスは不意に呟くと自身の胸を刺激すまいと慎重に歩むエウマキアの横に並ぶ。
エウマキアは反射的に自分の胸を守ろうするが、かえって二の腕で乳房を揉む形になる。
たっぷりと母乳を湛えた乳房に圧力が掛かり各部で媚肉が弾けんばかりに収縮する。
そしてその脈動が先端に集い何とか抑えていた突起がまた尖り出し、身体中を走る甘い痺れに足元が縺れる。

「おっと」

不意に響く艶かしい声に家人達が視線を向けると、 そこには足元がふらつきよろめいたエウマキアがルシウスに腰に手を添えられ支えられた姿が写る。
彼らの知るエウマキアは背筋を伸ばした理知的で鋭利な孤高の佳人であり、このような姿は正直驚嘆を禁じえない。

「少々お疲れのようですな」

「だ、大丈夫です」

倒れかけたエウマキアの腕と背をルシウスは抱える様に保持する。
無論エウマキアはすぐに逃れようとするが背に回ったルシウスの腕が尻を撫で上げる。
豊臀の合間を縫う様に前後する指先の動きがエウマキアの身体から力を奪い、心を乱す。

(くっ……な、なに……こんなのでっ…はあっ)

予想だにしない場所からのむず痒い刺激が小休止をしていた身体に再び火をつける。
理性は必死に抵抗するが、辛うじて表情が歪み出すのを防ぐ程度で全身が蕩け出すのを止める事は出来ない。
体奥から再び蜜が溢れだし太腿に滴り、そして乳房には更なる母乳が注がれる。

(だ、だめっ……こんな、こんなところでっ…い、いやあっ)

エウマキアの上半身は完全にルシウスに抱えこまれ大きく張り出した乳房の下側に添えられたルシウスの腕が 反対の腕を取りその見事な釣鐘型の乳房は否応なくその美しい形を浮き上がらさている。
そして尻への愛撫に再び悦楽に浸り始めたエウマキアの身体はその主の意に反したまらなく恥辱的な反応を示し始める。
すなわちエウマキアとルシウス、二人の注視を浴びている乳房の先端がその存在を誇示するかのように布地を押し上げ始めたのだ。

(なっ、なんで……くあっ、ど、どうにか…んっ…どうにか、しなければ)

ルシウスに抱きかかえられたエウマキアの乳房は丁度両者の眼前でその美しい形を示していた。
当然乳首が尖り布地を押し上げるたまらなく淫猥な芝居もその眼前で繰り広げられる。
なおかつエウマキアが反応し出す身体に抵抗を続けているので、 胸の布地はゆっくりとしかし確実にいきり立つ乳首に押し上げられていくのだ。
その上いきり立てば立つほど布地の抵抗は激しくなり押し上げようとする乳首を圧迫する。
しかしその摩擦が更なる尖りを産み、打ち震えながらもその形を浮き上がらせる。
さらに乳房に限界近くまで蓄えられた母乳が乳首にも苦しいまでに充満し更なる起立を要求する。
そしてエウマキアにはその要求を拒むことは出来ない。
もし従わなければ、そこで繰り広げられるのは今よりも遥かに淫猥で恥辱的な見世物である

「は、はなして……くっ、ください」

「いえ、遠慮なさらず」

目の前の淫猥な情景から必死に目を逸らす様にもがくエウマキアを、 ルシウスは自分が注視していたことを示す様にあやし、柔らかな尻肉を堪能していた指先を徐々に前に進める。

「あっ、なっ…はっ」

濡れそぼった下着とスカート越しに鼠頚部をぬらぬらと刺激し秘花に達した指は、 布地越しにエウマキアの濡れそぼった花弁を割り開き柔らかい媚肉をむさぶる。

「やっ……やめっ……はっ、あうぁっ、はあっ」

エウマキアの声が荒くなり、その美貌が朱に染まる。

(な、なにをかんがえっ……はっ、こ、このままでは…、み、みなのまえで……)

際限無しに蜜を溢れさす秘洞は布地と供に指先を咥え込み、その竣動に身を震わせエウマキアに無体な命令を出す様に欲求する。
エウマキアの理性はそれを拒むが下半身から溢れる刺激は確実に判断力を蝕み気を抜けば一気に堕ちていきかねない。
そしてこの勝負はいかに粘ろうとも決して好転することは無いのである。
むしろ長引けば長引くほど身体は蕩けより濃厚な快楽を味合わされてしまうのだ。

「ささ、皆の前でどうぞ。下だけでなく上も出されても構いませんよ」

「した…だけでなく?」

虚ろに問うエウマキアにルシウスは微笑で応える。

(…うえ…?…だす…?……まっ、まさか!そっ、そんなことおぉぉっ…っっはぁぁっ―――――!)

その笑みに不安を感じたエウマキアが気付いた時には最早奔流は尖りきった乳首の窪み付近に荒れ狂うように押し寄せていた。
それでもエウマキアは必死に抵抗する。
飲み込む様に胸をそらし、僅かな出口に殺到する膨大な圧力に歯を食いしばり耐える。
無論その代償は指を咥えこんだ花弁は今まで以上の愛液を潮を吹く様に吹き零し、割開かれた尻肉の蕾も腕で存分に刺激される事である。
それでも絶頂の戦慄きが収まるまで何とか母乳は吹き零れず、たっぷりと母乳を満たした乳房は危うい均衡を取り戻す。
しかし意識は朦朧としており腕の中で為すがままになったエウマキアは、 ルシウスに操り人形のように椅子に運れると力尽きた様に腰を落とす。

「おやおや」

その光景の意味がわかったのは当人たちを除けばユリアだけで、 家人達はいつものように労わられる事を嫌ったエウマキアをルシウスが強引に押し切った様にしか見えなかった。
そしてこの一幕で家人達は近い将来の祝い事すら予感するまでになっていた。
エウマキアと客人二人が上座に少し離れて家人達がすわる。
惚けた顔で背にもたれるエウマキアの乳房は見事な形を保つ故に正面からはさほど目立たない。
しかし側面から見れば美しい釣鐘型の乳房が真っ直ぐ前に突き出し、 さらにその先端は依然ピンと尖りきっており、食事の手を動かすたびにそれが微妙に震えるがたまらなく淫猥であった。
このように乳が暴れるのを耐えねばならぬエウマキアの食事は自然控えがちに成り、ほとんどの料理を残したまま脱力した様にうなだれる。
もっとも遠目にはいつものようにエウマキアの食が細いことしか写らない。
そして家人達の心配を察したルシウスは不意に立ちあがるとエウマキアの傍らに近づく。

「なっ……なんです…」

エウマキアは声を震わしながらも気丈に言うがいつものような鋭さは薄い。
先程は耐えたとはいえ乳房はさらに密度を増し僅かな振動も乳首の先から胸の奥まで響き渡り狂おしいまでの刺激を響き渡らせるのだ。

「いえ、こちらからも良い眺めだなと思いましてね」

上方から見下ろすルシウスの視界には、白いテーブルクロスの上に突き出た紫の布地に包まれた釣鐘型の乳房が映え、 さらにその先端の尖り具合を明瞭に示している。
そのような情景を自らも想像できるエウマキアは俯いて沈黙する。
だがこれで惚けていたエウマキアの意識が再び組みなおされる。

「冗談ですよ」

準備を終えたルシウスがエウマキアの両腕に自分の腕を重ね片付けられていたナイフとフォークを手に取らす。

「なっ……なにを」

「良く食べなければ持ちませんよ。これからも……ふふっ、色々あるのですから」

含みのある台詞にエウマキアが慄然する間もなく操られたエウマキアの手が料理に手をつけ始める。

「はっ…やっ、くうっ…んんっ」

エウマキア自身の二の腕が張り裂けんばかりの乳房に触れる。
そのままナイフやフォークの動きに合わせその間に位置する二つの乳房を互いに擦り合わせる。

(はっ、あっ……も、もう…ひぐっ、あっ、もれる……で、でもっ)

もはやとうに限界を超えていたエウマキアの乳房は、それでも溜めこまれた母乳を噴き零すような真似はしなかった。
だが少量ではあるものの一噴きづつ噴き零れ食事が終わる頃にはエウマキアの胸元をぐっしょりと湿らせるまでになった。

「さあ、ご寝所へ」

そして食事が終わるとルシウスはそう言ってエウマキアを連れ行くが、 家人たちはそれを止める所か幸薄い主の幸せを願い暖かく見守るだけであった。