エウマキア

「大変魅惑的な姿ですが、少々激し過ぎますな」

(と、とまらないっ、また……ああっ)

エウマキアの装いは胸元はおろか首から腰までを大きく割り開かれ、放乳の激しくなった事への明確な証拠として搾乳牝の自覚を強めさせる。
そして破り出た一瞬など始まりに過ぎず、その魅惑的な身体は搾られ弄られ母乳が潮が激しく噴き零しつづける。
気丈な意思は喜悦の爆ぜりを必死に堪えようとするが果たせず、肉という肉が淫蕩な性に染まるのを止める事が出来ない。
犯された痴態への賞賛の言葉はエウマキアにとっての辱めであり、その根源であるはずのルシウスにすら過ぎると称される事はこの上ない恥辱である。
しかし鏡に映る自分の姿を見ればそのはしたなさを否定できず、意識した視線の先でさえ淫靡に蠢く様は自身の不出来を酷く責めさせる。

(前も……後ろも……、こんなにはしたなく……)

その痴態は先程までより腰を上げる姿勢をとらされ、愛する人の遺品に責められる秘花の下にそそり立つ剛直を咥える尻穴が鏡面を介して示される。
秘花の沸き立つような反応は尻穴への突き上げの延長の様にも見て取れ、縦に並べられる様子が本来使うべきで無い穴から喜悦を溢れさせているのを揶揄する。
犯され続けた秘花は剛直の変わりに入れられた柄をすっかり飲み込み、はしたない絶頂の様子は遮るモノのない痴態を曝け出す。
膨れ上がった肉珠が淫猥に捲れた肉襞と連なって震え、喜悦の極みを表す飛沫が勢い良く中空に噴き上げられる。
勿論尻穴も出入りする剛直に粘膜を捲らせながら分泌された淫液を存分に塗し、ぴったりと噛み合った肉の擦れる淫らな音が淫行の証拠として響き渡る。

(こんな私は……辱められる……べき……なの……)

一晩にして淫らに堕ちた様を見せつけられた生真面目な意識は譴責を強め、当然に自身が罰を……望まぬ責めを受けねばならぬと感じてしまう。
そう思えば相手が陵辱する事は否定しても自分が陵辱される事は否定できず、相手を忌む気持ちすらその相手に犯され喘ぐ事実でエウマキアを貶めるのだ。

(ましてや……恋など……)

勿論エウマキアの意識を苛むのは自身の淫猥な性だけでなく、心に誓った貞節を裏切る事が誇り高い矜持をより責め立てる。
贈られた衣服を破りなお止まる事の無い放乳は不貞への譴責を延々増幅させ続けたが、それが収まるに連れて避け様の無いものとしてユリウスとの決別が浸透する。
射精、肛姦、口淫、積み重ねられた不貞の数々は生真面目な性を介して増幅し、深い自責に沈むエウマキアに愛する人への思いを語る事を許さない。

(あんな契約をして……その上……)

何時誰にでも明らかな決別の書面を自ら……しかも尻穴に咥え絶頂と同時という淫蕩極まりない押印で作り出してしまった。
その上愛情の末の授かりモノを喜悦に塗れて溢れさし、思い出の品をも破り去った事は恥辱の契約を裏付けるのに十分である。
勿論自己に厳しいエウマキアは不貞の交わりを拒めなかった時点で自身に愛する資格など認めていない。
しかし文書として目に見える形で残す事は、そして契約以前に愛より淫欲に属する事を身体で表現する事は、気高き矜持との対比で更なる恥辱を呼ぶ。
ユリウスへの愛情は概ねの物事に淡白なエウマキアの内であまりに大きく、それが無くなる事で気丈なはずの心が未だかつて無くか細く震える。
そして愛するに相応しくないと認識する痴態の裏には思うが侭に弄ばれていると言う事実があり、客観的な視点はユリウスとの交誼を否定すると同時にルシウスとの交誼を肯定してしまう。
未だ気持ちは屈さぬが理性は既に収まるべき場所を認定し、エウマキアが理知的に思考しようとするならその属する所は必ず後者に辿り着くのだ。

「……っっっ、あっ、ひあぁぁぁぁぁっ」

その思考が悪夢のような結論に向かう一方で、エウマキアの身体はそれを遮る所か後押しするような反応を示す。
熱く火照る身体に汗も涎もいかほど零しているのか分からず、特に淫猥で罪深い部分は狂おしい噴出で喜悦を表現する。
爆ぜるような音、激しく吹き零れる様。
感情の揺れに構う事なく、むしろそれに煽り煽られる様に勢いの収まらぬ奔流は内から巨乳を揺らし、特にその乳首はこの上なく尖り立った様を爆ぜる様に震わせて乳白色の液体を噴き上げる。

(こんなに……だして、まだっっっ)

しかし優れた牝としての資質を持つエウマキアであるが授乳の経験は無く、昨夜の痴態の様に搾られ犯されながらでは無ければ限界まで堪えた母乳を噴き零しきれない。
それでいて乳肉の熟れ具合は極上である為に胸の奥より溢れ続ける奔流を受けとめる能力を持っており、元々の人並み外れた巨きさが更に膨らむように蠢きながら苦しげな飛沫が噴き零れる。
噴き零す事を望むわけではないが満足に母乳も出せぬ自分が母親失格のように思え、また乳首を曳き回すユリウスの遺品が搾乳牝の本性を取り繕っている自分を譴責しているように思える。

「おや、苦しそうにされてますね」

「やっ、やめなさいっ……、くっ、ふわぁぁぁぁぁっ」

そしてルシウスが指先を這わせれば奔流は激しくなり、はしたなく育った淫肉を搾られれば奔流が瀑布に変わる。
ルシウスの思いのままに母乳を噴き零す我が身に所有されている感覚が強まり、遺品に噴き掛かる様がその事実をユリウスに告げているように感じられ、延々続くそれがエウマキアの矜持をどこまでも堕とす。
噴き零す量が増しても内の息苦しい喜悦は変わらず、むしろ放出の勢いが増すことで内への反響を増してしまう。
傍目にも悲痛なほど豊満な釣鐘が強く不規則に波打つのだから、その感覚は見た目以上の刺激を濃密な喜悦に変換して受け取ってしまう。
息詰まる状態が喜悦の極みで意識を保たせ、指先一つ動かせぬまま脳裏に浮かぶ痴態の極みを認識させる。
淫猥に噴き零れる母乳が自身の目を背けていた本性の象徴のように思われ、その姿はエウマキアにはしたない痴態を公に晒すべしと宣告しているように思わせる。

(熱く……苦しく……おかしく……なる……、でも……でもっっっ)

突き上げられる度に重ねる絶頂はもはや何十度目かも分からず、容易に喜悦の極みに達してしまう自分の姿があまりにはしたない存在に感じられる。
蕩けきった身体が煮え滾る様に脈打ち、明滅する脳裏には想像できぬほどの喜悦と恥辱が刻まれる。
射精時の壮絶な絶頂に劣る事で爆ぜきらぬ余韻が昂ぶりを継続させ、そででいて決して軽くない爆ぜりは蕩けきった心身を十分に震わせる。
その息苦しさは脳裏に昨夜の壮絶な絶頂を思い浮かばせ、淫らに喘ぐだけでなく情欲の開放を求める自分を感じては淫乱な牝の自覚を深める。
晒してしまった痴態はあまりに淫猥な重罪であり、拒む事も受け入れる事もできぬ事で気丈な才女を辱める。

「あっ……またっ……っっっ!?」

爆ぜ散った感覚はすぐに喜悦をかき集めてより集まり、脳裏には息を付く間も無く再び爆ぜる姿がより淫猥に繰り広げられる。
しかし不意に確たる束縛が淫らな収縮に慣れた肉を拘束し、再び淫らな爆ぜりに向かおうとする昂ぶりはエウマキアの予測せぬ仕掛けに阻まれる事になる。
それにより抗えど押し流される放乳の喜悦恥辱を重ねて響かせる事は無くなるが、勿論それは想像以上の辱めが極上の肢体に行われた事を意味する。

「くうっ、なっ、なにがぁぁぁぁっ」

エウマキアの脳裏に浮かぶのは衣服を破れ出る勢いのままに母乳を噴き零す痴態であるのだが、予想に反し眼前で繰り広げられる光景は乳白色の瀑布では無い。
張り詰め淫靡に踊る巨乳で予想通りの痴態であるのだが、ただその先端の乳首に絡む紐が予想された放出を封じ……陵辱を深める。
かつて何度も晒した痴態はエウマキアを飽きる事なく喜悦恥辱に染め抜いたが、それを逃れた先もより恥辱に満ち溢れたモノである。
元々尖り立っていた乳首は拘束により中程でくびれ、反する様に蠢いて励起する様を強調する。
既に処されている金具に押し上げられた歪みが無理に正され、二種類の拘束は内と外から鋭敏な尖りを責め立てる。
拘束に反する肉のうねりが巨乳全体をも激しく震わせ、束ねる様により集められた感覚が濃密な喜悦を呼ぶ。
感覚が妨げられるはずの乳首の先も痺れるようにむず痒く蠢き、確かに遠くでありながら独特の余韻がエウマキアを苛む。
勿論くびれの影響は乳首そのものだけでなく噴き零れようとしていた奔流にも及び、瀑布として溢れようとした勢いが全て内に響き悲痛な責めとなる。
望まずとも蠢く媚肉が望まずとも噴き零れる母乳と交じり合う濃密な感覚に、責め苦であると同時に開放でもある噴出すら出来ぬとなればその刺激は計り知れない。

「ふふっ、これでも収まりませんか」

「ああっ、こ、こすれてっっっ」

ルシウスは笑みを浮かべながら飾り紐を引き、当初の衝撃すら覚めやらぬエウマキアを更に責め立てる。
細い拘束と鋭敏な尖りの擦れる刺激が強まり、内を貫く金具も存在感を増して悩乱を誘う。
放乳に尖り立つ乳首は既に十分以上の喜悦に満たされていたのに、蕩けきった肉を無理に束ねる感覚の変化が更に明瞭で濃密な喜悦を生み出す。
普通に出しても出し切れぬ量を止められれば肉の内は脈動が跳ね回り、延々堆積する衝撃がエウマキアを喜悦の境地で更に昂ぶらせる。

(お乳を出して……今度は止められて……)

強靭な意志も高潔さを伴うゆえに快楽の器官である乳首にその意を伝えれず、逸る意思に恥辱のみを刻みながら愛し子を育むべき授かりモノを陵辱に供してしまった。
その事はエウマキアを母親として許されぬ罪人として貶めるのだが、その噴出を押し止めても増す喜悦の濃度がエウマキアを更に辱める。
出そうが出すまいが喜悦を溢れさせている事が、自身の母乳が愛の成果でなく情欲の糧のように思わせ、ひいては自分が人を愛する事の叶わぬ身であると感じさせる。
そしてこれ以上は無いと思われたものを容易に上回る刺激がエウマキアの心身を蹂躪し、抗いはおろか予想も出来ぬ事実はエウマキアに完全なる敗北を意識させる。

「こ、この程度で……くぅっ、あぁぁぁぁっ」

淫猥な拘束を受けた乳首から響く刺激は絶頂を重ねて然るべきであるのだが、昨夜の陵辱で放乳とともに喜悦を極める事が躾られているエウマキアの身体は爆ぜる寸前の感覚のまま昂ぶり続ける。
その意思は次の瞬間にも達する姿を写しながら決して絶頂は訪れず、結果抗い昂ぶり続ける負荷が心身を悦楽に沈ませる。
押し止められる中でも絶頂の波は次々に訪れ、濃密に絡み合う感覚は喜悦と悲嘆を相乗して高める。
気丈な性が無理に紡ぐ反論も端々に喜悦を感じさせて淫猥に響き、それを受けるルシウスの笑みに虚勢を見透かされている事を感じては恥辱に塗れる。
しかし言葉を止めてしまえば堕ちてしまう感覚がエウマキアを包み、喜悦に溺れかける才女は言葉も喘ぎも止める事が出来ない。

「ふふっ、これで外れる事は無いですね」

(ひっ、まだっ……まだ辱めるの)

ルシウスは徒に飾り紐を引いていたわけで無く、その伸びる先は淫肉を貫く金具に繋げられる。
拘束がより強くなり、紐に引かれる感触が金具を介して肉の内にも響き渡る。
しかし当然に溢れ出ようとする母乳は噴き零せず、悶える様に金具を振り回す様は狂わんばかりの喜悦と同時に悲痛なまでの恥辱を煽る。

(このまま……私は……この男の思うが侭に……)

母乳を噴き零せぬまま延々昂ぶり続ける姿が思い浮かび、その先に自分がどのようであるか想像がつかない。
溜まりに溜まった母乳で拘束が爆ぜてしまうのか、それとも痛痒に耐えかねた自分が解いてしまうのか。
どちらにせよ淫猥極まりない情景であるが、後ろから自分の身を抱く男の存在を意識すればその程度の恥辱では済まない様に思えてくる。
母乳を噴き零す事をルシウスに懇願する自分の姿が思い浮かび、懇願を堪えても労わる様に拘束を解かれは歓喜と共に母乳を噴き零す姿すら思い浮かぶ。
貫かれる金具が淫乱の証明なら縛る紐は従属の証明の様に思え、ルシウスの好きな様に解かれ噴き零してしまう様がその所有物である事を意識させる。

「それでは取り繕いの続きを」

「ま、またっ、なにをっっっ」

ルシウスはエウマキアの呆けかけている意識を呼び覚ます様に呟くと、わざわざ引き出したその抗議を無視して淫猥な装飾を続ける。
放乳で生じた裂け目を左右の乳首に端を発した飾り紐が縫い付けながら行き来し、紅潮した滑らかな肌を隠す様に布地を寄せる。
はしたない痴態が少しでも隠れるのはエウマキアの望む所であるのだが、その代償として増す乳首への負荷は胸の奥から母乳を誘いながら抑える事で一層悲痛な尖りを演出する。
取り繕ったとはいえ巨き過ぎる乳房は半分以上晒され、喜悦を色濃く写す曲線が脈打つ様は今にも全体が飛び出さんとするのを意識させる。
またいかに拘束しようとも母乳が漏れ伝うのまでは止める事はできず、服の内に外に伝う雫が噴き零すのとは違うだらしない自分を意識させる。
その上ユリウスの遺品に塗り込められる感触が愛の否定を後押しし、ここでもやはり破り出た時よりねっとりと自責を煽る。

(こすれて……くいこんで……、はぁ……あぁっ)

巨乳の震える下でも編み上げられる飾り紐は当然に鋭敏な肌を嬲り、むず痒く擦れる布地や露出を意識させる外気と合わせて淫猥な三重奏を奏でる。
特に柄で栓された下腹は数を重ねた射精で膨れ上がっており、強く結ばれる飾り紐が食い込めば内の精液まで掻き混ぜられる。
取り繕いを編む紐は見た目こそ膨らみを抑えるように作用するが、間近な者とエウマキア本人には線で抑えられた事で面の膨れが強調されるのが見て取れるようになる。

「格好が整ってきましたな」

(どこへっ、どこまでっっっ)

嬲られるままに喘ぐエウマキアに編み上げる紐の行く先は分からぬが、尖り立つ双の乳首を起点とする淫猥な責めの終点はやはり喜悦に励起する肉の尖りである。
幾度となく犯され今も柄の挿入に喘ぐ秘花は淫靡に花開き、その喘ぎぶりは蜜や熱気はおろか精液を噛み締める音すら響かせる。
励起した襞の一枚一枚が抗いながら淫らに蠢き、発情しきりながら気品を失わぬ様は正に絶景であるが、その中でも視覚的に目を魅くのが上端の肉の尖りである。
花弁の震えを束ねる様に位置する肉珠はぷっくりと膨れ上がり、美しい紅はその無防備な感覚を窺わせる。
性器や乳以上に意識せぬ器官であったそれは昨夜の陵辱で信じられぬ喜悦を響かせ、生涯使う事の無いと思われた悦楽に特化した機能は空閨の情欲を加え最悪の形で発露してしまった。
僅かに触れられただけでの衝撃が回を重ねる毎に強まり、他の場所を攻められても余波にビクビクと反応してしまう。

「このように見事に膨らませて」

「ま、まさか……あそこに……」

下腹の擦れる刺激を序曲とする陵辱の頂きを恐れていたエウマキアに、それを察っするルシウスは揶揄する様に目標を告げる。
膨らんでいると言われてもすぐには思いつかぬが、紐の進みを考えれば異様な熱が嫌でもそこに意識を集中させる。
そして全体の喜悦の中で忘れがちだった部分の励起を確認し、乳首の拘束と重ね合わせれば最悪の結論が思い浮かぶ。
いつもの聡明さがよく知らぬ場所への不安を増幅し、巨乳や秘洞以上に一点に集中している事がそれを煽る。

「流石はエウマキア様、察しが良い」

「ひぃぃぃっ」

空閨に熟れきった肉体の内でも特に尖り立つ部分に響く刺激は恐れていた以上のものである。
触れられれただけで過大な刺激が意識を飛ばし、ついで摘む動きが呆けようとするのを止めて荒れ狂う喜悦を明確に認識させられる。
肉珠からはあまりに太く鋭敏な感覚が秘洞から子宮まで深く根を張っており、性器全体が慄く様に震えて柄を精液を噛み締める。
ルシウスの指による小さな肉の尖りへの命令に秘穴の全てを統べられる感覚は、犯され搾乳される以上に牝として支配されている事をエウマキアに意識させる。

「そ、そこに……なにをっ、なにをぉぉぉっ」

しかもルシウスの責めは指だけでは終らず、細くしっかりとした何かが鋭敏な肉の尖りに絡まる。
喜悦に溺れまともな思考もままならぬが淫猥な行為が行われた事はすぐに理解し、直近の記憶にある同じ様な感覚と重ね合わされる。
それは噴き零さんとする母乳を止められている尖りと同じ扱いであり、すなわち乳首に端を発した飾り紐は同じく励起する肉珠へ結びつけられたのだ。
金具や母乳と言った要因が無い事で純粋に擦られる刺激が響き渡り、縊り出される乳首とは違い四方から絡む感触が肉珠を包囲する。
その刺激に只でさえ励起しきった肉珠が更に膨れ上がり、設えられた拘束に食い込み嬲られる。
そして肉珠への刺激が鍵であるかのように熱く煮え滾る秘洞は潮を噴き零そうとするのだが、重ね合わされる拘束が乳首と同様に絶頂を封じる。
それでも細やかな潮が際限無く噴き零れ、秘洞の収縮は物言わぬ柄を蠢かせて更なる喜悦を生んでしまう。

「これで身形は完成ですな」

(くっ、なんでっ、ふれられても……いないのにぃぃっ)

エウマキアの視界には淫猥に震える胸の谷間のみか、布地の切片に尖り立つ乳首肉珠まで映し出される。
当然エウマキアから見れば身形など整っていないが、才女を辱めると言う目的においてはこれで完成である。
ルシウスが手を離しても鋭敏な肉の尖りを結ぶ呪縛はエウマキアを喜悦の渦から逃さず、むしろ触れられていないのに濡れている現実が辱めを加速する。
尖り立つ乳首の蠢きに肉珠が引かれ、肉珠の震えに乳首が擦り立てられ、延々続く淫猥な背めの連鎖が肉の尖りを更に鋭敏に調教する。
同時に張り巡らされた紐も真白い肌を淫猥に擦り立て、肉珠の周辺では絡み引かれる恥毛が際限無い喜悦を更に複雑にする。
全裸以上に淫猥な姿がエウマキアに激しい恥辱をもたらすが、一方で衰えぬ淫肉の尖りが取り繕えぬ本性の様に認識される。

「さて何と名乗りましょうか」

「えっ、あっ……」

自身の装いの恥辱に苛まされていたエウマキアの意思は脈絡の無いようなルシウスの言葉に一瞬戸惑う。
勿論字面をなぞればすぐにその意味を理解するが、聡明なはずの頭脳が子供に問うような問いに答えられない。
人が社会の中にある事を象徴するのが一人一人の名前。
知に優れるエウマキアであるからこそ重く、あの一夜を経た自分の名を見出し得ないのだ。

「エウマキア=フェリクス」

「……その名は名乗れません」

確認する様に昨日まで名乗っていたものを告げられるが、今はそれを用いれぬ事はルシウスもエウマキアも良く分かっている。
その響きには正しく生き、幸薄けど誤り無い人生が懐かしく思い起こされる。
しかしそれに対する今の自分の姿はあまりにはしたなく、政務に励んだ日々の記憶が貫き犯される痴態に取って代わられる。

「エウマキア=カエサル」

「やめてっ、言わないでっっっ」

昨日までの名を名乗れぬと意識する事がエウマキアを不安にさせるが、続くルシウスの言葉はその精神を更に揺さぶるものである。
かつて心より人を愛した時夢想し、かなわねど思いつづけた名。
しかしあまりに甘美な響きは却って先程以上の罪悪感を呼び、思わず懇願する声にはいつもの冷静さが無い。
そして必死の懇願も虚しく胸に秘めた只一度の交わりの記憶が小水を漏らしながらの絶頂に変わり、子を抱いた僅かな時間に搾乳の責めが重なる。
ただ貞操を守れぬのみでなく口腔も尻穴も貫かれ射精され、更に母乳も搾られ娘も犯されては母としてもあまりに不出来である。
想いの強さが自らのはしたなさで名誉を汚す意識に変わり、愛する故につがう事を否定し愛する故につがえぬ事を悲嘆する。

「それではどういたしましょうか」

(わたし……は、エウマキア=)

ルシウスの曖昧な問いはエウマキアの思考が促し……望まぬ結論に自ら達させるものである。
問われれば考えてしまう反射が淫猥な自分に相応しい名を探し、積み重ねられた忌避恥辱に最悪を見出してしまう。

(……プ……)

思いついた瞬間に激しい拒絶が溢れるが、今まで問いかけられた名を否定した理性は無慈悲なまでの肯定を示す。
あらゆる痴態を晒した一夜が脳裏に写し出され、淫乱女エウマキアの姓はそれ以外に無いのではないかと思えて来る。
フェリクスの名をを汚し、ユリウスの妻を名乗るなどおこがましい。
犯され喘ぐありのままの姿を称するその姓は……。

(……プ……プラン……クス……)

自らを責める生真面目さが聡明な頭脳を用いて辱めの名を探し出し、それすら毅然と受け入れる意思の強さが導くのは辱めの極みである。
気高き婦人はルシウスを忌避する故に自らを辱める名としてしまい、今までの恥辱を合算して余りある響きがその存在の根底に刻まれる。

(しかし……そう名乗ればまるで……、でも……私には……)

プランクスの名を名乗る事はエウマキアの内ではルシウスの所有する牝である事を表明する事であるが、意図せずとも表面的には公式には独身であるエウマキアがルシウスと婚姻するものと当然に解釈される。
その事は当然にエウマキアも想像でき、勿論所有物でなく妻として扱われる事がより恥辱をもたらす。
エウマキアは自らを貶めたのであって相手を認めたわけではなく、双方が望んだかのような体裁は忌避されるべきものである。
しかしもはやそれ以外の名乗りは思いつかない事が、エウマキア=プランクスが相応しい名である様に、ルシウスの妻と思われるのも相応しい身分ではなかろうかと思えてくる。
その身を所有されるだけでは不貞への罰として甘く、自ら望んで見せねば贖罪にならぬのではないか。

(あのような契約も為したのだから……)

そして愛する人の名により作成された契約がいかな陵辱にも屈しないエウマキアの意思を揺るがせる。
思い起こすのも苦痛である契約であるが、その押印は傍から見てどうであったか。
生真面目な意思は過去の記憶を陵辱に悦んでいたかのように思い起こさせ、はしたない振る舞いを忌避する思いがかつての自分でさえ信用できない。
ルシウスを忌避しているつもりであったが……本心は情欲と共に寄り添うことを望んでいたのではないか?
一度自分を貶め始めれば謂れの無い譴責は止む事無く加速し、貞淑の仮面を被り淫欲に浸る本性を隠す自分の姿が思い浮かぶ。

(名はエウマキア、姓は……プランクス)

その全ての原因を至らない自分のはしたない性に求めた時、エウマキアも身も心もユリウスに相応しくないと自分で決めてしまった。
当然フェリクス家の当主としても許容出来るはずも無く、残るはルシウスに所有される牝でしかない。
それならば……皆に妻と思われるのも当然ではないか。

「さあ、皆の元へ参りますよ」

「……はいっ……っっ……ふぁっ…」

ルシウスは自身で思い至ってしまった結論に震えるエウマキアは息付く間も与えられず、その豊満な尻を貫き抱えたまま歩き出す。
そして既に心中で決した自分の立場にエウマキアは抗えず、尻を貫かれ進む恥辱の歩みを肯定する様に応えてしまう。
自らの虚飾を強く認識するエウマキアは贖罪と共に二度と罪を重ねぬ義務があり、自らを貫く剛直はその為の戒めの様に思えてくる。
勿論自身の論理の誤りもルシウスへの忌避も認識できるのだが、それすら自らの虚飾と考えてしまえば抗う事などできず、忌むべき認識と受け入れるべき義務を同時に認識する事で今までの以上の恥辱を作り出すのだ。