ローレライ

身をこわばらすローレライの胸に手を伸ばし、双丘を衣服越しに捉える。
身を捩り逃れようとするがかえって背後から捕らえられる。

「英雄殿もこうなってはどうにもなりませんか」

「くっ、は、離しなさい」

「この巨きさ、感触、英雄の持ち物に相応しいと言うべきですかな」

ルシウスは遠慮無くやわやわと衣服の上からでも十分なその暖かさ、柔らかさ、張り、衣服越しに堪能する。

「は、あっ、や、やめなさい」

「そういうわけにはいきませんな」

力無き拒絶に揶揄で応えながら、手のひらで乳房全体を捉える。
手のひらに入りきらない大きさを持つそれは、触れた手に柔らかくしっとりと吸い付き力をこめると弾力を味合わせながら意のままに変形する。
夫と死別してから触れられたことすらない個所を激しく責められると、律動の度に甘い刺激が溢れ出る。
快楽の波動が全身をくまなく巡り、全身から力が抜けていく。
最初は陵辱を排除しようとしていた手も、己の官能を責めたてる魔手の表面を力無く掻くのみである。
押さえきれない媚が声にこもり、その自覚がローレライをさらなる恥辱を刻む。

「ふぁぁ、や、いや、あ、あぁぁ」

押さえきれぬ声が漏れ出すと、その泣き声をもっと奏でようとするかのように乳房への責めは徐々に激しくなる。
根元から視界に見せ付けるようにくびりだし、まるで乳が出るかのように絞る。
泣き声は艶を増し、徐々にだが確実に理性が感覚に侵食される。

(ダ、ダメ、淫らな気分になっては。うっ、だめ、だめなのにぃ)

一枚一枚快楽への抵抗をはがされながらも踏みとどまるその姿は陵辱者の思うが侭の状態であった。
そしてルシウスは揉まれる動きに合わせて上下する顎を片手で捕らえ、半開きの唇に唇を重ねる。

「んっ、んむっ、ふうぅぅぅ」

唇を結ぶ間もなく舌先が口腔に侵入し、弄ぶかのように隅々まで這い回る。
さらにとっさに異物を排除しようと動く舌を捕らえ、絡み合わせて陵辱する。
そして抵抗を失った舌を離し口腔内を嘗め回したと思うと、再び力無く震える舌を捕らえ味わうのを繰り返す。

(あっ、はっ、な、なに、なんなの)

激しい陵辱とさえ言える口付けにローレライの意識は霞み、ただ愉悦の刺激のみが脳髄を駆け回る。
さらに口腔を完全に占拠した侵略者は、捕虜を引っ立てるようにローレライの舌を自分の口内に引っ立てる。
そこで舌のみならず唇や歯も陵辱に加わり逃れようと身を捩るローレライの舌を嬲り尽くす。
わざと拘束を外し、自らの口内へ帰ろうとする舌を途上で捕らえ再び引き込み、互いの唾液を交換する。

「ふ、ふぁ、は、あぁぁぁ」

ようやく唇が離れるとローレライは呆けた顔で荒い息をつきながら口の端からどちらのものとは分からぬ唾液を滴らせる。

「随分と感じやすいようですが、旦那様もさぞかしお楽しみだったでしょうね」

「ち、違います、感じてなんかいません。それにあの人はこんなこと」

耳元を舌先で嬲られながら囁かれる言葉に、切れ切れの声とともに力なく首を横に振る。
しかし言葉とは裏腹に湧き上がる恥辱が胸からの脈動とは別に全身を苛み、瞳からは恥辱の涙がこぼれる。

「か、感じてなんか、は、あっ、くわぁぁ」

「では旦那様の代わりに、未亡人を仕込んであげましょう」

身勝手な宣告と同時に両の胸を左右に引き別々に嬲る。
一方は激しく逆は優しく揉みしだく、別々の竣動がかみ合いローレライは早くも切羽つまった泣き声を上げる。
空閨により容易に昂ぶる様になった身体はその意思を無視し悦楽に震え、押さえようとすればするほど更なる高みに昇らされる。
ルシウスは捕らえた獲物の予想以上の味わいにほくそえ笑みながら、一層辱めの手を強める。
双乳は押し潰すようにすり合わされると、豊かな量感を示しながら絡み合う。

「ローレライ殿の胸は揉まれるのが本当にお好きのようだ」

「ち、ちが…う、ちがい……ます」

涙交じりに否定するローレライ。
しかしその反応が男を喜ばせる事には気づいていない。

「聡明な貴方にも分からないことが有るようですな。なら確かめてみますか」

「えっ?な、何を?」

相手のからかうような口調にローレライは言い知れぬ不安を募らせる。
ルシウスは巨きな乳房を根元から絞り上げ、ローレライの目前に薄い布地を持ち上げるその先端の突起を示す。

「こんなに尖らせていては、着衣の上からでもどういう状態か明白ですな」

「ち、ちがう、これは」

自身の身体の反応を自覚したことで、涙目で弁解する視線の先でさらに明瞭に尖り出す

(な、なんで)

「おや、更に」

「い、言わないで、見ないで」

言葉で追い討ちをかけられ、ローレライはおもわず目を背ける。
しかし、その様子を愉しそうに見ていたルシウスが乳首に軽く触れる。

「ひやぁぁぁぁぁ」

部屋中に隠しようの無い悦を含む高い声が響きわたる。

「うっ、はっ、あっ、うぁっ、…………」

そのまま硬くしこった乳首を弾かれると、そのリズムにあわせ快楽のうめきがあがる。

「くっ、うっ、はぁぁぁぁ」

つまんでいじりながら左右に引っ張ると、切なげな息が漏れる。

(こ、こんな男のおもちゃになるなんてっ……し、しかも、私感じてるの?)

上向きに引っ張り、胸全体を大きく揺らす。
更に硬くしこらせていくそれを愛撫していく内に布地の上からも淡い色が透けて見える。

(やめて、止めてください、どうしてこんな辱めを受けなければ、誰か助けて)

「……!」

乳首をつぶすと鋭い刺激が背筋をはしり言葉にすらならない悲鳴がほとばしる。

「ひうっ、あっ、くっ、」

柔らかく愛撫されると、軟らかな刺激がじっくりと身体全体に染み渡る 。

「感じてなんか……いない。はしたない女じゃ……ない。こんな事……大嫌い。待ちわびてなんか……いない。気持ち良くなんか……無い」

うなされたようにつぶやく否定の言葉の一つ一つが更なる高みに導く。
息が荒くなり、熱っぽい吐息が漏れ、全身は絶え間無く噴出す汗にまみれ、小刻みに振るえる。

「おや、もうですか」

「そ、そんな事ぉぉぉぉぉ」

十本の指が自在に動き、先端のみを搾り出されるように擦られる。
とうとう薄い布地は谷間付近で破れ、その裂け目がが自重で広がっていく。
そこに間髪いれず陵辱の手がのばされ、素肌から一層の刺激がもたらされる。
そして乳首をも捕らえられ、今までとは違う鋭敏な脈動が身体に刻みこまれる。

「ふ、あっ、あ、いやぁぁぁぁぁぁ」

ギリギリの境界で踏みとどまっていた身体が一気に奈落に墜とされ、心も恥辱を刻みながらそれに続く。
全身が硬直し、ついでヒクヒクと痙攣する。力が抜けその身を陵辱者の胸に預ける形になる。

「んっ、あっ、うっ」

そのまま唇を奪われるが骨の髄まで快楽を刻まれ思考すらままならない状態では何の抵抗もできない。
容易に侵入を許し、口腔を責められ舌を絡めとられる。しかしこの行為で、極った身体が不思議に落ち着いていく。
そして唾液の糸を引きながら唇が離れて行くのを漠然と眺め見ている内に、ようやく自らの身に降り掛かった理不尽な陵辱への、怒り、恥辱、やるせなさがよみがえってくる。

「まさか胸だけで極まるとはな」

「ち、違います。そんな事有りません、あ、ま、また」

涙を目の端に浮かべながら否定するが、悪魔の指が余韻覚めやらぬ乳房で蠢きだすと、再び泣き声をあげはじめる。

「胸だけで達した気分はどうですか?」

「こ、こんな非道な目にあって、達っするわけなんかありません」

完全に弄ばれた身体とは裏腹の屈服してない目。どうやら更に愉しめそうである。

「ほう」

衣服越しとは異なる感触を存分に味わいながら乳房全体を弄び、乳首を苛む。

「あはぁぁぁ」

(も、もう触れないで)

容赦の無い責めが休む暇も無く繰り返され、甘い刺激に翻弄される。

「はっ、あっ、あうぅ、ひっ、か、ああっ」

荒い息、脈動する乳房、朱に染まる肌、ルシウスは笑みを浮かべながら陵辱を続ける。