アルシノイエ

「し、信頼の置ける者を中心に……ま、まとめました……」

薄暗い一室の扉が開かれ男が一人入室する、その姿を確認しては机に向かっていた女性が広げていた書面を丁寧に束ね、指示されていた仕事を完了させた事を告げる。

「手馴れたものですな……流石に仕事が速い」

その言葉を聞くなり能力の高さを結果で示す事に満足する態度を見せ、想定よりも短時間で仕上げる様を覗わせる。

「その書面を元に指示を出させよ……表の準備はどれ程か」

「はっ、かしこまりました……先程準備が整い、後は出港の指示を待つのみです」

扉の外で待機していた部下に書面を渡し、まるで仕上がる時を知っていたかの様に続く指示に繋げると、別の用件の進行具合を確認し、こちらも同調する様に整えられている報告を受ける。

「ヘステ様もお待ち頂いておりますし、後は控えの間で身支度を整えて頂けば宜しいかと」

「ご苦労……と、それでは共に参りますかな」

「お気をつけて」

「えっ……あっ……な、何を……ひぃぃっ」

問われた報告に続けて先を読む様に次なる内容を告げると要件を済ませた部下が下がる、そこで事が終えると思わせる雰囲気の中で続けて退室する男の声が女性に向けられる。
部下は当然の事の様にその光景を受け止めて一礼し立ち去ると、不意の言葉に惑わされた女性は歩み寄った男の手に囚われ抱えられ連れられて行った。

「ル、ルシウス様……お、伯母上も……お待ちしておりました」

「待たせていた様だな、では行くとするか」

「ヘステ……ふぁぁっ……行くとは……ど、どちらに参られるのです」

向かった一室には告げられた通りヘスティアが待っており、現れた男を確認して畏まると共に連れられて来た女性の存在に驚きを見せるが、大きく取り乱さずに迎え入れる。
姿を見せた男はルシウス、エトルリアの執政官を務めマケドニア遠征、そしてその後の統治を任されている存在である。
ヘスティアは遠征の途上でルシウス軍と交戦し、敗北を喫した後に保護の名目で囚われたが、ルシウスに気に入られ側室として手元に置かれる様になった。
ある程度事態を把握しているヘステはルシウスの言葉を受けて従うが、もう一人の連れられた女性は事情を伝えられておらず、抱き抱えられたまま僅かな抵抗と共に何事かを問う。

「迎えに行くのですよ」

「む、迎えとは……」

しかし断片的な答えが告げられ、ルシウスの歩みは止まらずに進んで行く。

「ノイエは前回同行出来ずにいましたからな、ヘステ達も同席しただけですし……一連の報告もせねばな」

「ルシウス様っ……ヘステはお傍で尽くしますから……そ、その様な報告をしなくとも……ひぃぃっ」

「ほ、報告とは……な、何を……」

その歩みと共に別なる目的も語られると、共に歩むヘステが報告の言葉に反応を示し取り止めるような姿勢を見せるが、腰に手を伸ばされて抱き寄せられ下腹を撫でられると封じられてしまう。
そしてその光景に身を震わせるのはノイエと呼ばれた抱かれている女性、ヘスティアの父方の伯母に当るアルシノイエ=メイオスである。
彼女はヘステの母エウリュディアの親友であり義理の姉妹でもある最も信頼ある側近で、遡ればアレクサンドロスを支えた将校を祖とし現在では名門文官家として知られる存在の才媛でもある。
エウリュディアが表舞台に立つ事を望まなかった事で、ノイエも従い目立つ事はなかったが様々な問題を解決する文官として腕を揮い、ヘステが西方に派遣された際に保護監視役として側に送られていた。
だが、ヘステが囚われると同時にノイエと同行した部下の三名も共に囚われ、ノイエはルシウスの手中に収まり、部下の者はルシウス配下の男にと収まる事になったのである。

「吉報を伝えておかねばなりますまい……この事は特に」

「なっ……お、おなかにっ……ふっ触れてはぁぁっ」

港にと到達し、ルシウスの到着を待っていた船にと乗り込んで行くと、抱えられる腕の中で徐々に事情を知らされるノイエは下腹に添えられる手の感触に哀れな声を上げながら船室へと姿を消して行った。

「そ、そんなに激しく……してはっ……あひぃぃぃぃぃ」

「す、少し休ませ……ま、またぁぁぁっ……も、もう抜いてぇぇぇぇ」

「お、おなかがっ……こ、これ以上は……だ、だめよぉぉぉぉぉぉ」

主の乗船に先んじて既に用意されている船室で睦み合う者達がおり、三者三様に負けず劣らずの色香を振り撒き室内を熱気で包んでいた。
ルシウスの船室とは異なる場所であるが、艶かしい女性の纏う衣装からアルシノイエと関わりのある者である事が覗える。

「普段の半分にも達していませんよ……まだまだ、これから」

「こんなに絡み付いて……では、もっと良く味わって下さい」

「この程度では数に入りませんから……しっかりと受け止めてください」

その女性達を向き合う様にして抱き合う相手は、ルシウスの部下である事が覗えると同時に、女性達よりも一回り程度若い男達である事も判る。
彼女達はアルシノイエの部下であり、ヘステの保護監視の為に同行をし囚われの身となった三名であり、抱き抱える男達はルシウス配下の文官達である。
デュラッツオが陥落してヘステが捕らえられていた頃、同時期にその部下達も捕らえられ淫虐の舞台で共に牝へと堕とされる道を歩む事になった。
しかし、ヘステの部下が捕らわれた中にはアルシノイエ達の姿は無く、奇跡的に難を逃れたかに思えた。

「くっ、は、放しなさい」

「暫しの間、こちらでお待ち下さい」

文官である彼女達は主戦場から離れた場に居た事で早期に逃れる事が出来たのだが、ヘステの保護監視役と言う立場から身を案じる意識が歩みを鈍らせていた。
だが、足を向けた先は普段より人気の殆ど無い地域で、自軍はおろか敵方にとっても敢えて力を割様な利は無いと判断され、危険を打破するのが困難な文官には打って付けの場であった。
追っ手も無くやり過ごした後に行動をする、そうした構想が浮かび上がるのも束の間、数名の男達に囲まれており何の抵抗を示す間も無く捕らえられ、そのまま近くに建つ廃屋にと連れられて行く。
特に手荒に扱われる事も無く、それどころか丁重とも言える扱いを受けつつ連れられた先は些か手狭に感じる一室であったが、そこで拘束をされず留め置かれたのである。

(この様な場所で……何を待つと……)

命の危険に晒される様な雰囲気は微塵も無いが、この場から逃れる事は不可能で有る事も同時に理解させられながら、男達の言う言葉にこの後に何らかの展開がある事を思わせる。
攻め込んだ敵軍の正体をこの時点でまだアルシノイエ達は把握出来ておらず、男達の存在も敵軍である事は理解できてもどの様な目的を持つか等は諮り知る事が出来ない。
その様に思案を巡らせながら暫くの時が経過すると共に、室内にはアルシノイエ達だけが置かれ、捕らえ連行した兵士と思わしき男達は表に出て手緩い監視をするに留まっていた。

(誰かが……近くに来たの?……)

はっきりとは聞き取れないが、表にいると思われる兵士達の声が聞こえ、それは上官と思わしき存在への敬礼、そして達成した任務の報告が行われている物と思わせる。
そしてその想定が正しかった事を証明するかの様に、閉じられていた扉が開き、何者かがノイエ達の前に姿を現す。

「な、何者です」

「……え、こ、この声は……」

高まる緊張を絶ち切る様にノイエが正体の判らぬ存在に向け、声を発する。
薄暗い室内に加え外からの光を遮る様に立つその存在は闇に紛れるかの如くで、人影は確認できると言うのが精一杯だったが、ノイエの声を聞き知った様な反応を示す女性の声が短く返された。

「……えっ……まさか、ヘステなの」

「……伯母上……ノイエ伯母上?」

その声に双方が反応を示し、互いが思い浮かべた存在を口にし思い掛けない再会を果たす事になる。

「お探しのヘステをお連れしましたよ、アルシノイエ様」

「えっ……だ、誰です」

身を案じていたヘステの声を確認し、一先ずの安堵を浮かべたノイエであったが聞き慣れない男の声が間髪入れずに続いた事で瞬時に警戒心を高め、驚きを抑えながら声を強めその姿勢を示す。

「麗しい貴婦人をお待たせしてしまいましたかな……私はルシウス、ヘステを保護する者です」

「ひぃっ……な、中に入っては……ひぁぁぁぁ」

しかし敵対的な口調を軽く受け流す様に軽口を交えながら自らの名を告げ、連れて来たというヘステの保護者とノイエの役割を奪うかの様に続けるルシウス。
そして、その言葉と共に歩み室内にと進む事を察して懇願する様なヘステの悲鳴が添えられる。

「……っ……へ、ヘステっ」

「……っっ」

「い、いやぁぁぁっ……み、見ないでぇぇぇぇ」

黒く染まる人影が次第に大きくなり、ノイエ達の目にはっきりとその輪郭が映りだすと、ルシウスに抱えられ胸元が大きくはだけ、秘花を貫かれたヘステの姿が飛び込んで来る。
予想だにしない姿を見せられたノイエ達は絶句し、硬直する姿はヘステの目にも映り……自らに向けられる視線が痛い程に突き刺さっては哀れな悲鳴を上げさせられるのだ。

「なっ…こ、この様な事っ……は、早くおやめなさいっ」

「その様に申されましても……これは、ヘステの義務ですからな」

姪の悲鳴に我に帰ると余りの光景に非難の声を浴びせ、すぐ様淫虐からの解放を突き付けるノイエだが、不敵な笑みを浮かべるルシウスは交わる姿がヘステの義務と嘯き、容易に止める事は困難であるとの見解を示す。

「ぎ、義務など……その様なはずは……そんなっ」

「……お、伯母上……」

当然その様な言葉を信じるはずも無く、世迷言と切り捨てては抱かれ犯されるヘステに目を向けて真意を問い掛けるノイエに、俯き言葉少なのヘステは顔を紅潮させながら僅かに頷いて見せる。
ルシウスの言葉など全てが偽りであると捉え、無理矢理捕らえ陵辱の生贄としていると考えていたノイエにとって、ヘステの出した無言の回答は余りにも衝撃的な物であった。

「皆様はヘステが特にと言う御夫人方ですから、この者達の支えとしてお迎えしますよ」

「えっ……な、何をっ……ひぃぃっ……は、放して下さい」

見せ付けられた余りの衝撃的な事態に呆然とするノイエをさて置き、ルシウスは一方的に話を進め新たに男達を招き入れると、奥に佇んでいた三人の女性に近付いては各々手を取り抱き上げる。

「なっ……この者達は……彼女達に何を」

「この者達は私を助ける優れた書の者、御婦人方も優れ足る物をお持ちと聞きますから……多くの相乗を望めるでしょう?」

「それでは、早速見せて頂きましょう」

次々に進められる暴挙にいかに優れた女性とは言え、想定を遥かに超える事態をさも当然の様に続けられては正常な判断を保ったままでいる事すら難しく、そうした手腕に長けるルシウスが相手ではノイエが太刀打ちできる筈も無い。
そのルシウスの指示を慣れた普段事の様に受け取り、実行に移す部下達の行動も加わっては想定する非常事態すら凌駕する状況に、呆ける思考と相俟ってどうにか言葉を発するのが関の山となってしまう。

「ひぃぃっ……そ、そこはっ……や、破れてぇぇぇぇ」

「ふぁぁっ……め、捲っては……えっ……と、解かれてっ」

「な、何をっ……つ、摘まな……あひぃぃぃぃぃぃ」

男達に捕らわれた三人は、その実力を確認されるかの様に精査される事になるが、実務を確認出来る様な状況に無い事は明らかである。
既にルシウスに抱かれ痴態を曝け出しているヘステの姿を目にしていたが、明らかに年齢の異なる自分達の姿が重なる事は無く、明確では有るが言葉通りの審査を思い浮かべていた。
その様な彼女達に下されたのは巨乳を執拗に刺激されては突端を尖らせては、張り詰めた衣服の胸元を破り出させる。
前掛けを捲り上げては下腹部を露見させ、腰に結ばれている紐が解かれては下着を奪われ生い茂る陰毛に秘花を曝け出させ、露になった花弁を這い回る指が咲かせては隠されていた肉珠を剥き出して、刺激に不慣れな宝珠を摘み上げたのである。

「おやおや、この様な粗相をされて……御婦人方を取り繕って助けてあげなさい」

「ふふっ……それでは、賞味させて頂きますよ」

「こちらには栓をせねばなりませんね」

「奥深くまで……しっかりと収めて下さい」

一連の行為が流れる様に進められ、抗う術を知らない彼女達は手玉に取られる様に男達の思うままに扱われると、悲鳴と共に幾筋もの放物線が鮮やかに描かれる。
曝け出された巨乳は重々しく揺れながら放乳し、下の茂みに隠された秘花が開かれ摘み上げられる肉珠の下の小孔からは潮が、更には小水までもが勢い良く放たれ、全身を駆け巡る喜悦は秘胴から粘質の蜜を零させてしまうのだ。
才女と呼ばれる彼女達の普段の姿からは、こうした光景を見る事が出来る筈も無く、この様な痴態を曝け出した事は今回が始めてである。
当然性に疎い事を知っているのだが、思いがけぬ痴態を曝け出した様に捉えては、麗しい貴婦人を取り繕う様に部下達へ指示を出し、痴態を強調させては彼女達が淫らである一面を有する印象を刻み込んで行く。

「あひぃっ……ち、乳首を咥えて……そ、そんなっ……飲まないでぇぇぇぇぇぇ」

「ひぁぁぁ……な、まさかっ……そ、それを……」

「そ、そんなっ……や、やめ……あふっ……ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ルシウスの言葉を合図とばかりに取り繕いと称された淫虐が始められ、いきり立つ乳首を口に含まれ咥えられれば溢れ出す母乳を喉を鳴らして味わい飲まれてしまう。
夫にすらその様な事をされた経験は無く、我が子に与えた母なる恵みを当然の様に奪われる事に泣き濡れる所に、そそり立つ逞しい肉槍が目の前に示されると、当然それがどの様な役割を持つのかは知っている。
しかし、自らの知識経験にあるそれは夫の物しか知らず、眼前に示されたそれは明らかに規格違いと言える程の威容を誇り、僅かな性交しか体験した事の無い彼女達にとって同じ役目を持つモノとするには戸惑いもあった。
そして何より、夫との交わりすら子を得てから十数年の間全く無いのだから、40を過ぎた自らの年齢を考えれば、夫は勿論自分よりも遥かに若いと思われるこの男達が、魅力も無い年増と交わろうと言う考えなど有り得ないと決め付けていた。
だが、そうした考えは彼女達による自己の過少評価を基準とした物であり、秘花を開かれ熱い男根が花弁に触れるに至ってまさかの事態をようやく把握すると、そのまま深遠に向けて一気に貫かれしっかりと抱かれ、交わり繋がる体勢を築かれてしまうのだった。

「多少修正の余地はありますが……これ程の素材はなかなか」

「指導のし甲斐が存分に残されておりますから……今後の役目にも弾みが付きそうです」

「今より専属と言う事で、我らが責任を持って収めさせて頂きます」

「なっ……待ちなさいっ……ど、何処へ連れて行こうと……」

三者三様だがそれぞれがしっかりと抱き合い、下腹には男達の剛直を収めた証しの様に歪な膨らみを浮かび上げ、身を預ける様に項垂れる熟女達。
その熟女を抱く男達は口々に一定以上の評価を与え、ルシウスに報告と共に感謝を表してはそのままの状態で下がり立ち去ろうとするが、その様子を感じ取ったノイエは部下を守ろうと堪らず引き止める。

「この者達にはこの様に御婦人方が番いましたから……残念ながらノイエ様が入る余地は残されておりません」

「なっ……そ、その様な事を申している訳ではっ」

しかし、そのノイエの言動を唯一交わり合う男女を構成していない事に対する不満と解釈する様に宥められ、部下同士で作られた間に割って入る行動に仕立て上げられては恥辱を煽られてしまう。

「その様に向きになられるのは……随分と不満を貯め込んでいると言う事ですかな」

「か、勝手な物言いは……」

そして仕立て上げられるノイエ像に不貞不満の淫欲を塗り込まれて行くと、勝手な虚像に反発し強固に否定を続ける物の、必死の否定が真実を告げられる事の裏返しとして強められ、反論が封じられて行く。

「それでは……ヘステの身替りを務めると言う事は如何ですかな」

「お、伯母上……な、なりませ……ひぁぁぁっ」

「ヘステの……身替りを……私が……」

憤りの高まる心情に突如として異なる提案を掲げると、向けていた強い反発心が行き場を失い虚を衝かれた様に空白を生じさせてしまう。
勿論ルシウスに益の無い提案をするはずも無いが、交渉の余地が無いと感じていたノイエにとって相当の譲歩がある様に感じさせるに充分であり、その狙いに不安を感じるヘステは警鐘を鳴らそうとするが胎内で剛直が蠢き喜悦に沈んでしまう。
当初要求したのはヘステの解放であり、保護監視役であると同時に姪であるヘステへの思いは母に匹敵する程の物で、身替りとなる事を受け入れれば少なくとも目の前の被虐から助ける事が出来るとの意識が浮かび上がるのだ。

「勿論、ヘステの義務ですから……ノイエ様が無理に替わる必要はありませんよ」

「んはぁぁぁっ……お、伯母上……わ、私は平気ですから……」

「ヘステっ……わ、私が替われば……ヘステは解放するのですね?」

ノイエに示された提案はヘステと入れ替わる事で達する物であり、当然ノイエの返答次第で結果が変わる。
しかし、既にヘステが抱かれている事が義務であると告げられ、当人も口にはしていないが肯定する仕草を見せており、そうした認識を踏まえてノイエが替わらずとも問題は無いと見解が先に示されてしまう。
ヘステも身替りを認める事に否定的な言葉を口にし、ノイエを巻込まぬ様に身を呈するが、救出の意思を示しておきながら、敢えて選択する必要が無いと逃げ道を用意されては、当然意思の強さが試される事になり、ノイエの選択も自ずと限られる。
そして、ヘステの姿を見ては見捨てる様な選択を出来る筈も無く、意を決しルシウスに望む結果を約束する様、最後の確認を求めてしまう。

「それは義務をしっかりと果たせるかどうか……ノイエ様次第ですよ」

ノイエが拒む事が出来ないのは明白であり、後ははっきりと宣言をするだけと言う段階にあるが、笑みを浮かべつつも手中に収めるヘステを弄び、単に入れ替わるだけでは目的を達するに至らないとの牽制が入る。
それはヘステを救う為に自己犠牲でその場を凌ぐと言う手段が封じられ、身替りとなっても不足と判断されればヘステは逃れられず、再度の機会も与えられない事を考えれば責任は重大であり、更なる重圧がノイエに圧し掛かるのだ。

「わ、判りました……私がヘステに代わって義務を果たします」

外堀を埋められ安易な答えは出せないと釘を刺された状況に追い込まれたノイエは、決意を新たに身替りの提案を受け入れ、ヘステに課せられたと言う義務を果たすと宣言してしまう。

「それでは……果たせるかどうか、試させて頂くとしますか」

「お、伯母上……申し訳……ありません……」

「ヘステ……良いのですよ」

その宣言を受けてルシウスはゆっくりと剛直を抜き、抱いていたヘステを降ろし解放する。
力無く詫びてはその場に横たわるヘステに、一先ずの要求が果たされた事を確認し、優しく微笑みかけては曝け出した痴態を少しでも払おうと乱れた身形を整え、包まれていた淫虐から引き戻す様に安心感を与える。
第一歩が果たされた事で求められる義務を果たすべく、ルシウスと向き合い対峙する。
しかし、ルシウスの言う義務とは何なのか具体的に示されてはおらず、ヘステもその事に突いては肯定する仕草を見せたのみで、内容は闇に包まれたままである。
ヘステがルシウスに抱かれ犯された光景、部下の三名がそれに続く様に同様の光景を作り出した前例が脳裏にあるが、自分自身にそれが当てはまるとは全く考えていなかった。
ヘステが抱かれるのは見栄えも良く年齢的にも負い目を感じる事は無い、行為を認める訳ではないが理由としては成り立つ物として理解しており、そうした条件を満たさない自身には成立しないとすれば当然とも思える。
先の三名も同様の意識を持っていたが意に反して犯された物の、突然の事態とあって平静を保ち判断する事が出来ず、ルシウスと異なり相手の無かった事で自分より若い部下が選ばれたとの意識も生じ、特殊な状況で起きた事故的な事例と捉えてしまっていたのだ。
そうした意識から眼前で示された事態は自らに重ねる危機とはならず、ルシウスの力量を感じ取るノイエは当然ヘステが力量を評価されて捕らえられていると判断しており、自らに求められる義務と言うのも、実務での貢献であるとの想定をしていたのである。

「尤も、十二分に果たせるとは思いますが……これからの愉しみでもありますからな」

「……ど、どの様に示せば……な、何を言っているのです……」

意を決したノイエを一瞥し、その印象を語る様に代役として不足の無いだろう事を存分に窺がわせると高い評価を下し、好印象を与えたと良好な出足を演出し期待感を膨らませるが、間を置いて続く言葉に不安感も抱かせる。
何を求められているのか、肝心な面は表に出さず、それを感じ取る要素も全く匂わせる事が無いルシウスに、期待と不安の入り混じる評価を受けて戸惑いを隠せないノイエ。
だが、優れた人材を求めている事に関しては正しく、その中にノイエが含まれている事も、想定する実務での貢献もまた正しい認識である事は間違いない。

「ノイエ様には前座など不要でしょう……コレももう不要と……では、しっかり収めて下さい」

「えっ……な、何をっ……や、やめなさいっ……ひっ……ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

尤も、人材確保として始めから狙われており、その為にこの場で囚われているのだが、単に優れた人材と言うだけではルシウス自らが足を運び交渉を行うなどと言う事は殆ど無い。
指示が出され、特に丁重に扱われた事には当然の理由があり、アルシノイエの存在が知られた時点で手中に収められる牝として狙われていたのである。
そのノイエに歩み寄り手を伸ばして抱き寄せると高い評価を確信する様に、無用な段取りを省き本題に取りかかる事を思わせる。
しかし、手中に囚われたノイエの身に訪れたのは想定外の事態であり、軽く前掛けを捲り上げられると不要の言葉と共に下着を奪い取られてしまう。
痴態の露見に恥じらいを見せる物の、ヘステから抜き取られて以降一切萎える事無くそそり立つ剛直が奪われた下着の代わりに秘花に触れると、その感触を感じ取るも次の瞬間には熱く滾る肉槍が秘胴を容赦無く貫き、未知の衝撃が全身を駆け巡ったのである。

「やはり期待通り味わい深いモノをお持ちで……末永く愉しめそうですな」

「あふぁぁぁぁっ……お、おなかがっ……おなかがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

部下の三人と違い、ルシウスの手に落ちていきなり秘胴を貫かれてしまったノイエは、野太く力強い並外れた剛直を奥深くにまで迎え入れ、性交の準備など全く出来ていない無防備な胎内を蹂躙されたのである。
既にヘステと交わった状態で姿を見せた事で、身替りが同様の状態で引き継ぐと言う解釈を示し、それが前戯等を認めずいきなりの性交を強制される事になったが、ルシウスは当然ノイエがそれに耐え得る事を感じ取り、より愉しむ為の初手として有効であると見たのだ。
その慧眼は正しく想定以上に確かで良質な結果をもたらし、ノイエの下腹に歪な膨らみを浮び上げさせてはしっかりと抱き抱え、悲鳴と同時に破り出た巨乳を捕らえて溢れ出る母乳をも賞味する。

「私の子を……こちらにしっかりと宿して下さい、義務ですよノイエ様」

「ひぁぁぁっ……こ、子を……や、宿す……そ、そんな事……出来るはずはぁぁぁぁぁぁ」

ルシウスの手中に収められたノイエに告げられたのは果たすべき義務であり、ルシウスの子を宿すと言う決して認められぬ内容で有った。
夫の有るノイエに取って不貞妊娠を要求される事になるが、不貞を認めない意思が当然働き拒絶の姿勢を見せる物の、重ねた年齢からそうした役目を果たせないと言う認識もあり、この時点では無理な要求であるとの解釈をしていた。

「うっ……うぇぇっ……」

ルシウスに捕らえられてから連日犯されたまま過ごし、子宮までもを蹂躙されては胎内を濃厚な子種で満たされていた。
側に置かれてルシウスの周囲を知る様になり、美しい女性達の誰もが下腹を大きく膨らませているにも拘わらず、ルシウスに求められれば恥じらいながらも拒まずに交わり、感謝の言葉すら述べる様を見せられていた。
そして軍勢が進み、途中で交戦や街、集落を経る度に麗しい女性が合流し、ルシウスの元にも特に選ばれた者などが連れられ、見せられて来た先人、そして自分の様に感覚を狂わせる魔手、剛直によって牝の本性を剥き出しにされてしまうのだ。
相手にする者が増えれば当然、個々の負担は軽減する為、ノイエにとっても他者の不幸を喜べはしないが僅かでも解放される事に繋がる事は確かである。
しかし、ルシウスとの交わりが途絶えてから突如として悪寒、吐き気に悩まされる様になり、変調に苦しんでいた。

「具合が悪い様ですが、禁断症状ですかな」

「うぅっ……ル、ルシウス……様」

「我慢は身体に毒ですから……存分に味わって下さい」

「ひぃっ……そ、そんなっ……だめっ、だめよぉぉぉぉぉぉぉぉ」

労わる中にからかう様な言葉を交えルシウスが一人姿を現すと、思う様に動けず身を竦め震えながら視線を向けるノイエに歩み寄り、抱き上げては当然の様に剛直を突き入れてしまう。

「ふふっ、悪阻とは……ノイエ様もまだまだ子を宿せる証明ですな」

「つ、悪阻……そ、それでは……わ、私が……妊娠……そんなっ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

一人変調に苦しんだ状態を敢えて続けさせ、ルシウスとの交わりを求める淫欲とすり替えて抱き犯すと、その通りであるかの様に身体は喜悦に溺れ隊長も整い始めていく。
だが、原因を悪阻と宣告されると、ルシウスと交わってからの時期的にも症状的にも裏付ける説得力を持ち、妊娠など有り得ないと思っていた自身の身体が答えを出したと思い知らされてしまうのだった。
それから進軍が収まるまで補佐役の一人としてルシウスの側に置かれるノイエは、この時の宣告が誤りの無い事を身を持って知らされる事になる。