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    神和のメルマガ・もっと知りたい不動産      8号     2003/11/28作成
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 「短期賃貸借制度」の廃止について

 おそらく来年4月頃には施行される、短期賃貸借保護制度の廃止(平成15年
 7月国会にて成立)という民法の改正の問題点について、出来るだけ分かり易
 く説明いたします。

 短期賃貸借とは、皆さんが一般に行っている2年契約で更新可能ないわゆる借
 家契約のことです。

 改正された主な点は以下の2点です。

 1.抵当権が設定されている物件の借家契約について、入居後に差押えがあ
   り競売が実行された場合、借主は建物の買受人に借家権を主張できず、
   請求が有れば建物を6ヶ月以内に明け渡さなければならない。

 2.借主が建物の買受人に借家権を主張できなくなったため、敷金の返還請
   求権も新たな買受人には請求できなくなった。(元の家主に対してのみ
   可能と言うことです)

 少し解り難いかと思われるので、噛み砕いて説明します。
 まず、借家の90%は抵当権が付いているものだと思ってください。そのほと
 んどが建物を建てたときのローンです。
 あなたの借りた建物もそうであるとして、家主さんが何らかの事情でローンの
 返済を滞らせ、銀行から差し押えを受けてしまったとします。(この場合の差
 し押えは登記簿謄本という書類に記載されます)
 この後もローンの返済がなされないため、銀行が競売にかけてしまった。
 そこでこの建物の買受人が新たな所有者となるわけですが、改正法施行後は新
 たな所有者はあなたに出ていってもらうことが出来るようになった。
 また、家主の地位を継承しなくなったのであなたに対して敷金の返還義務もな
 い、ということなのです。
 ひとことで言って、針が振れすぎたと思えるくらい家主さんの立場が非常に強
 化された改正と言うことです。

 これをして改正という言葉を使うことが、まともな神経なのか非常に疑問に思
 うところですが、まことにもっていかんともし難い。

 さて、以上が法改正のあらましですが、皆さんの美容と健康のため以下にいく
 つか精神安定剤を処方いたします。

 1.物件が差押えになること自体が非常に少なく、且つ競売に至ることは更
   にレアケースである。つまり、あなたがそのようなケースに遭遇するチ
   ャンスはUFOより多いかも知れないが、交通事故よりはたぶん少ない
   でしょう。

 2.通例の売買による所有者の変更は、家主の地位を継承するものであり、
   上記法制の適用外である。
   当然、敷金の継承も行われます。

 3.一般的に、競売による落札であっても、競落人は利回りを目的として購
   入する場合がほとんどであり、優良な借家人で有ればわざわざ立ち退か
   せ、新たに募集をかけ空室を作るような無駄なことは通例行わないであ
   ろうと考えられる。


 若干説明不足のところが有るかとは思いますが、更に詳しい事をお知りになり
 たい方はお問い合わせください。ゴルフと不動産屋、似合いすぎ。




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神和不動産メールマガジン(ID:0000114821)8号(2003/11/28作成)
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