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    神和のメルマガ・もっと知りたい不動産     18号    2004/09/07作成
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 「世界の中心でバカと叫ぶ」


 細××子とかいう占い師が、ヤワラちゃんは絶対金メダルを取れないと断言して
 いたそうだけど、その後の言い訳を知っている人には是非教えてもらいたい。


 占い師の知り合いが昔一人だけいた。「六本木のケンさん」と自称する正体不明
 の男で、丸坊主にヒゲ、着流しという出で立ちで、痩せさらばえた目つきの悪い
 男だった。
 気が向いたときだけ、六本木の辻に夜更けあたりから店を構えていた。
 当時彼は50才前後だったと思うが、若くてきれいな女性と同棲していて、彼女
 のほうもやはり六本木の通りで指輪やネックレスの露天商をしていた。
 通りの少し裏にある二人のアパートにも遊びに行ったりしたのだが、今で言うメ
 ゾネット、早い話がいつ倒れてもおかしくないオンボロ棟割長屋。そこで彼が自
 慢気に話すヤクザ達との大立ち回り、けんか自慢、ウソともホントともつかぬ、
 とっても書けないヤバイお話のいろいろ。
 ずいぶんと昔のことで、当時、六本木の深夜、意味もなくフラフラとするだけの
 僕らには、彼と彼女の醸し出す破天荒な雰囲気が羨ましくて堪らなかった。
 僕の仲間の一人は何を感化されたか、間抜けにも家出までしてしまった。
 そう、僕らは彼と彼女の前であまりにも幼いガキだった。

 ある日、彼の店で立ち話をしていたとき、「ちょっと小便してくるから、ここに
 座っていてくれよ」と、彼に言われた。
 客が来たらどうするの、聞き返すと、「おまえが占ってやれよ、エッ、いいんだ
 って、おまえはすぐそうやって難しく考えるからヨ、相手の顔見てナ、適当に答
 えてやりゃいいんだヨ、じゃ、頼むな」
 そうして、20才かそこらの小僧のにわか占い師は、世界の中心でウソッパチを
 叫ぶ、のバカを演じて見せましたとさ。

 今から考えれば、彼は正体不明なのではなく、自分を正体不明に見せるのが実に
 上手かっただけなのかもしれない。

 六本木という街が、何かであることを止めた日から先、彼と彼女のその後は知ら
 ない。
 今では六本木も立派におのぼりさん御用達のテーマパークと成り果てました。


 ところで、細××子とかの傍若無人を見て、彼ならなんと言うだろう。
 「あいつ、マジで自分の言ってること信じてやがらぁ、気持ち悪いったらありゃ
  しない、占い師の風上にも置けないヤツだぁな」とせせら笑っているだろうか。

 

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神和不動産メールマガジン(ID:0000114821)18号(2004/09/07作成)
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