徹子の部屋
1998年10月13日(火曜日)


余貴美子さんがテレビ朝日の『徹子の部屋』にゲスト出演された時の様子です。出来るだけ忠実に書き取りました。


ルールル ルルル ルールル ルルル ルールールールールー♪(←いつものあの音楽で)

黒柳徹子さん(以下徹子、敬称略):よろしくお願い致します。
余貴美子さん:(以下貴美子、敬称略):お願い致します。

徹子: 今日のお客様は大変美しい女優さんでいらっしゃいます。
最近ではテレビドラマの『くれなゐ』で大変難しい役をお演りになったんですけど、ずっと舞台に出ていらした女優さんでいらっしゃいます。
コマーシャルにも出ていらっしゃいます。
そして女優・范文雀さんの従姉妹におなりになる方。中国の方でいらっしゃいますが、日本のお生まれと伺っておりますが。
余貴美子さん、今日のお客様です。よろしくお願いします。
徹子: 皆様こんにちは、徹子の部屋でございます。
今日のお客様は、そういった訳で、舞台の女優さんでいらしたのでなかなかテレビで拝見する事はなかったのですけれども、ここの所暫くはずっとテレビに出ていらっしゃって、最近では今申しましたように『くれなゐ』というドラマで大変難しい役を、女性同志でベッドシーンがあったり…、いろんな役をなさったんですけど、大変お美しく、またご自分の考えをよくお持ちの方でいらっしゃいます、余貴美子さん、今日のお客様です。
どうも、初めまして。
貴美子: 初めまして。
徹子: ええと、范文雀さんの従姉妹でいらっしゃって…
貴美子: はい。
徹子: あなたのお父様の…??
貴美子: はい、父の、姉の子供が范で。
徹子: そうか、じゃあ伯母様の子供?
貴美子: そうですね、はい。
徹子: だから従姉妹同志って事で。
貴美子: はい。
徹子: なんかずっと女優さん同志なのに、ご一緒の共演の機会もなく、まぁあなた劇団にね、いらしたからって事もあって、この間はじめてご一緒に?
貴美子: ええ、あの今年の1月に新国立劇場で『リア王』、同じ、あの、姉妹(きょうだい)役だったんです。
徹子: 3人姉妹(しまい)ですね。
貴美子: 3人姉妹の私が次女で、范さんが長女役で。
<『リア王』の舞台写真 登場>
徹子: 右側が范さん、その毛いっぱい付けてるのがあなた?
貴美子: 毛いっぱい付けてるのが私です(笑)
徹子: あなたですよね(笑)
それで新国立劇場だったから、まぁあのお金に糸目をつけないと言わないまでも、衣裳とかカツラとかなんでも出来てとても良かったんですって?
貴美子: ええ、とっても嬉しかったですね。お金を気にせず色々用意出来るの。
徹子: あなた劇団でずっとやってらした時はもう大変でしょ?カツラ1つでも。
貴美子: そうですね。
あの、私は自由劇場という所に10年いまして、次は東京壱組というのを10年やって、今なんですが、本当にお金のない20年で、もう物を拾うとか、盗むとか(笑)そういう風にして小道具とか、カツラとか…
徹子: まぁ、落っこってる物でもね、使える物があればね。
貴美子: ええ。あと、人のお情けにすがって、まあ演劇をやっていたという感じです。
徹子: まぁこの方こんなにお美しいのに皆さん、お婆さんをお演りになったりもするんですよ。
舞台で一寸あの、お婆さんをお演りになって、80才のお婆さんですって?
貴美子: はい。
徹子: で、こういうのもやっぱり自分で全部当然ですけど…
貴美子: やるしかない…
<貴美子さんがお婆さん役の舞台写真を見て>
徹子: で、これは、これはまたどうしたんですか?この人はお婆さん、ですか??
貴美子: ええ、わたくしですね。
徹子: これはあなた!!
貴美子: はい。
徹子: へえ〜!
貴美子: でもこれはあの、塗ったあとに鉛筆でスッと筋を書いただけなんですけど。
徹子: これ髪の毛なんかはどうなんですか?
貴美子: 髪の毛はもうそのまま…
徹子: あら、ご自分の毛?
貴美子: ええ
徹子: あら全〜然っ!女優さんて面白いですね。今の人があなたとは思えませんね。(笑)
貴美子: (笑)
徹子: で、もっとすごいお婆さんがあるんですけど。
<貴美子さんがお婆さん役の写真、2枚目を見て>
徹子: これもまぁ、お婆さんっていうか、まあ、ああいう人なんですけど、もう今のあなたと全然違う人に見えますが。あのー、同じ人間とは一寸思えないって感じですけど、あのすごいお婆さん、すごいっていうか、すごいですよね
貴美子: これは鼻は付けて、色々な、含み綿したり、色々な、一生懸命…
徹子: なるほどね。これ、でもやっぱり一寸お金持ちの…
貴美子: あ!分かっていただけ嬉しいです。
徹子: かなりお金持ちの、ブルジョワ??(笑)
貴美子: ええ、努力して(笑)
徹子: でもあなたは、今、湘南の方に住んでらっしゃるそうですが。
貴美子: はい。
徹子: 漁師のおじさん達と仲良くして…
貴美子: そうですね。
この間あの、月を眺めてて、星が綺麗だなぁとか、あと海もね、海の音とか聴くと気持ちがいいのもので、ボーっとしてたら、よく漁師のおじさんが通って、「お前なにやってんだ?」「えっ?月が綺麗でしょ??」「そんなに金になんない事して何になるんだ?」とかみんなに言われるんですけど
徹子: あ、ほんとぉ。
貴美子: はい、ほんとに。
まぁ、お芝居とか劇団なんていうのはそういう無駄な事してても誰にも咎められない生活をずっとしてきたので
徹子: そうでしょうね。
今伺っただけでも20年そうやってやってらしたので、だから漁師のおじさんにしてみれば、お綺麗なのに、何で金にならない事するんだよって。
でもこの頃川島なお美さんとご一緒の『くれなゐ』?ああいうのにお出になったりすると、みんながね。
貴美子: そうですね。
ご近所の方も色々、あの、煮物とかお魚も運んで来てくれたり色々協力して下さる…
徹子: あ、そう!じゃあほんと、皆さんのお情けですね。
貴美子: 本当に。
徹子: という余貴美子さん、今日のお客様です。どうぞ皆様ご期待下さい。
< CM >
徹子: 余貴美子さん、やっと最近湘南にお一人暮しが出来るようになって
貴美子: はい。あの、もう40(しじゅう)過ぎてるんですが、親と一緒に住んでいましたので、一寸一人で住んでみたいなと思って(笑)
徹子: (笑)
貴美子: 今までほんとに劇団の時にお金なくて助け合ってましたから、劇団員達と。
もう「お金ちょうだい」と母にずっと言って、もう誰にも怒られずによく生きてきたなと思いますけど
徹子: お母様からお小遣いをお貰いになって
貴美子: 恥ずかしいですけど
徹子: でもまあ、そうですよね。
貴美子: 人様には言えないような事なんですけど。でもそれでやっと、ちょっと一人で住んでみようかなと思って
徹子: ああそう!でもそれはねぇ。あのほんとに、特にご自分が住みたい方に住んでらして
貴美子: はい。
徹子: でもそういう暮らし、劇団をお作りになってなかなか暮らしていけない時、アルバイトを随分なすったそうで
貴美子: そうですね
徹子: アルバイトの話が面白いんですけど、あの〜、なんですか、プレイボーイクラブって言うの??
貴美子: ええ、ここが1番…あの、自由劇場というと六本木にあって、皆さん色んな水商売のお仕事とか、色々お金に手っ取り早くなる様な事を探してて、プレイボーイクラブは面白そうだったっていう
徹子: あれですよね、うさぎのバニーの格好してるんですよね
貴美子: ええ。どうせならそういう物をつける方が面白そうなんて
徹子: 脚もこういう黒いので、あと網タイツになってて、お尻の所にうさぎのぽんぽんが、こう丸いのがついてるって感じですよね
貴美子: 1度あの格好をしてみたいとお友達と試験を受けに行ったんですけど、でもなんかもう勉学から離れてましたので、国語とか社会科とか、そういう科目の試験があるんですよ
徹子: えぇっ!?
貴美子: ええ、英語のメニューをスラスラ言えなくてはいけないし
徹子: 英語のメニューはスラスラは分かりますけど、国語とか??
貴美子: 一般常識とかいうのが
徹子: え?国語とか数学まであるの?
貴美子: ありました。数学…社会科みないなものだっんですけど
徹子: ああそうですか。バニーをやるのに??
貴美子: ええ。
それで試験を受けまして、通知が来るからという事で、きっと全員受かるよなんて言ってましたんですけどね。お友達と研修期間があるんで通ってまして、でももう一週間くらいで嫌になって辞めて
徹子: 入ったことは入ったんですか?
貴美子: ええ。でももう耳ももう…お客様の前に出る前に辞めてしまって
徹子: お耳つける前にお辞めになって
貴美子: はい。
徹子: 研修ってどういう…?
貴美子: やはり本当に一般常識と、お客様に何を聞かれても答えられるような常識と…バカだと思われてたのかもしれないですね、そう言われれば劇団員て。何だか何やってるのかって。
徹子: 他の方もでも研修受けるんでしょ?
貴美子: ええ、ええ。
徹子: それよりも私思ったんですけど、あれ、(お尻を一寸出す感じの格好で)お尻こういう風にして、(手でくるっとお皿を出す真似をして)お皿こういう風にして出すんですって?どうやって??
貴美子: そこまでは習わないで終わってしまったんですよ。一寸興味があったんですけれど
徹子: なんか、お尻こうやって、こういう風に飲み物なんかね、スッとこういう風に出すでしょ?
貴美子: ええ。
徹子: でも、みんなほんとに綺麗に揃って、私は日本のは行った事ないけど、ニューヨークで行った事あるんですけど、1回ね。
貴美子: ええ。
徹子: ほんとにみんな可愛くて綺麗ですね。
貴美子: そうですね。
徹子: ピチピチしてて、そりゃいいだろうなって
貴美子: 一寸よさそう…あんまり貧乏だったのでそういうのが綺麗に見えたんですね
徹子: そうね、ああいうのが出来ればって感じはありますね。でも駄目でしたか
貴美子: はい。
徹子: それからあの、韓国パブっていう?
貴美子: ええ。私はあの一寸変装して韓国から来た留学生ですって言って、言葉をたどたどしくして、1週間ぐらい勤めたんですけど、それももうダメで
徹子: 太鼓を叩いてるのが良かったんですって?
貴美子: ええ。ちょうど演奏しているお店だったのですごくその演奏に感動してしまって、習いたいと思ってそこに忍び込んだんですけど、それもダメで、結局母親に頼って生活してた毎日です。
徹子: あぁ、そう。でもお父様は反対なさらなかったかもしれないけれど、何にもお金にならないのは?
貴美子: う〜ん、ほんとにお金に…その仕事の価値とか人間の価値っていうのは、お金にならないのになんでやってるんだって。あの、漁師さんと一緒で、そういう事を毎日言ってましたから、ちっとも認められてなかったんだと思うんですけど
徹子: 今はどうでしょう?
貴美子: もう今は父は亡くなったんですけれど、母はもうお好きになさいみたいな
徹子: そうですか。でもお父様が生きてらしたらねぇ
貴美子: そうですね
徹子: ろくでもない仕事じゃなかったと思って下さるかも…
貴美子: どうだ!みたいな…少しは言えたかもしれないんですけど
徹子: すいませんね。あとは他にアルバイトなすったものあります?
貴美子: いえ、ないんです。殆どもう人に頼って(笑)
徹子: じゃあお母様にお小遣いちょうだいの生活で
貴美子: ええ
徹子: ヘぇー。でもよく20年そうやって、自由劇場という所に10年、それからご自分でお作りになった東京壱組ですか?
貴美子: ええ。
徹子: そこで10年。沢山のお芝居をおやりになったでしょ、そこで。
貴美子: そうですね。本当に他の事はしてなかったですね。遊ぶ事も旅行もしなかったですし。
徹子: ああそう。じゃあもう若い時からもう芝居一筋っていう
貴美子: そうですね。ただそれがどういう心持ちでやってたかって聞かれると困るのですが、何も考えてなかったからやれたというか
徹子: まぁ、お好きだったんでしょう
貴美子: そうですねぇ、それすらも一寸判明しないんですよね(笑)
徹子: ああ、そうなんですか(笑) でもああいう芝居をご自分達で作ってやってる時は面白かった?
貴美子: そうですね。まぁほんの少しの時間だけは面白いと思うんだけれど、あとは辛ーい毎日ですよね
徹子: そりゃそうですよね。なかなか日本はまだ芝居をして食べられるっていう所にならないですので、杉村春子先生でも、あのまだ最後の方まででも「いらして下さいね」ってお手紙でお芝居のチラシの中に一言添えて、杉村春子ってサインしてお出しになってらっしゃいましたからねぇ
貴美子: そうですね。
徹子: だからなかなか芝居だけで…杉村先生はテレビとか映画とか出てらしたけど、それでも芝居だけで食べてくっていうのは殆どね、今出来ないですもんね
貴美子: ええ、はい。
徹子: だから旅公演があるとね、それで焼却していくんですよね。東京でやった公演の装置とか衣裳とかっていうものは何年間に渡る旅で
貴美子: そうですね
徹子: だから旅にも呼んでもらわないと
貴美子: そうなんですよ。それもまた複雑なシステムがあって日本には。
徹子: そうですね。
貴美子: ええ。ポッと行って出来るものじゃないので
徹子: 特にまあ、あれですよね、演劇鑑賞団体とか市民劇場っていうのがあって、そういう所でもうみんなが選挙(占拠?)するように何に来て欲しいっていう風で…だから呼ばれることは今やとても光栄なことなんで。呼ばれないと今度なかなか劇団がやって行かれないっていうことで。
それで、東京壱組はどうだったんですか?
貴美子: 東京壱組は、やはり、なんとなくみんなやめてしまったんですけど、10年続いたんですけど。やっぱりこのまま貧乏は嫌だって逃げ出した人がいらっしゃって、そしてそれぞれ違うプロダクションにみんな入って、違う活動を始めて…
徹子: あっ、そうなの。じゃ、あなたは今そういう感じで?
貴美子: はい、そうですね。
徹子: じゃあこれからTVやなんかお仕事があればどんどん舞台でも
貴美子: そうですね。
徹子: だからさっきの従姉妹の范文雀さんとおやりになった新国立劇場の『リア王』、あれなんかほんとにそういった、フリーにおなりになった立場でお出来になったのかしら?
貴美子: はい。
徹子: 如何でした?新国立劇場にお出になって。
貴美子: 初めての新しい劇場なもんで、皆さんもおたおたしてらしたんですけど、それもやはり新国立劇場のシステムも大変色々あったのですが、でもお金が使えるということは本当に
徹子: お金がね〜。要するに自分の劇団だったら自分の、劇団のお金だからお金でやらなきゃいけないというか、1円でも出さないようにしようとするでしょ。だから、さっきのカツラでも衣裳でも、あの、まあ毛をこのぐらい長くって言えるっていってたでしょ?リア王の次女の役でも。髪の毛、劇団の時はもっとほら、安いカツラでもっと短かったかもしれないから。どんなにでも長く、毛いっぱいっていうの、嬉しかったんですって?
貴美子: ええ、ほんと。
徹子: これからまあ色んな舞台にきっとお出になると思うので、その辺は楽しみですね。
< CM >
徹子: 残念だけどお父様が10年くらい前にお亡くなりになって
貴美子: はい。
徹子: じゃああなたがTVやなんか出てらっしゃるのをご覧にならないで
貴美子: はい。
徹子: あ、それは残念でしたね。お家は横浜なんですって?
貴美子: はい、そうですね。
徹子: で、今、湘南にお一人で?
貴美子: はい。
徹子: 何しろもっと自然のある所が良かったんですって?
貴美子: そうですね。やっぱりジムで鍛えた肉体よりは、山川海で鍛えた肉体の方がいいかなと思って。
徹子: はい。
貴美子: お食事もやっぱり、市場とかがあるので、あと無人の売り場もあるので、パックとかサランラップにつつんであるお野菜よりは。養鶏所も近所にあるし。お魚は…
徹子: 鶏は養鶏所?
貴美子: はい。裏には温泉もあるし、あと山も沢山あるので
徹子: あ、温泉まであるんですか?あら、いいですね!
貴美子: 自分で沸かして入れる所もあるので
徹子: そういう所もあるの?
貴美子: はい。本当に近いんですけれど、通えるリゾート地って言うぐらいですから。
徹子: あ、今そこから通ってらっしゃるんですか?
貴美子: はい。
徹子: あ、そうそう、裏山とかもうすごい長い間あなたはお歩きになったりするんですって?
貴美子: そうですね。まあ、4・5時間は歩かないと抜けられないような山を歩くんですけれど、葉山の御用邸が近い事もあって、時々ガードマンの方ですか、皇室の方がお散歩してらっしゃるのか分からないんですけれど、ポッと背広姿の男性がこう、立ってらした時があって
徹子: あ、それはこうぶ(?)警察みたいなそういう方かしら?
貴美子: ええ。
徹子: 山の中でいきなり背広着てる人に会うとびっくりしちゃう?
貴美子: そうですね。こんな所に人が?というような所に立ってらっしゃるので、びっくり…
徹子: じゃあ、皆であれしてるのかしら…
貴美子: ええ
徹子: あ、そうなんですか。
貴美子: お会いしたらどうしよう、こんにちはって言えるだろうかとか(笑)
徹子: それで、そういう方達はあなたが歩いてらっしゃる所を何にも仰らないで?
貴美子: ええ
徹子: 何にも仰らないで黙って??
貴美子: ええ
徹子: あ、そう。でもやっぱりびっくりしますよね、そういう格好してらっしゃる方がいらっしゃると。
貴美子: ええ。
徹子: そして自由に生活してらっしゃる
貴美子: そうですね。
徹子: で、その中であなた音楽とか、随分色んな事やってらっしゃるんですね。
貴美子: あの、もしじい(?)の手習いみたいなのなんですけど。海の前に住みたいと思ったのは、『うみ・そら・さんごのいいつたえ』という椎名誠さんの映画で石垣島に2ヶ月くらい滞在した時に
徹子: うみそら??
貴美子: さんごのいいつたえという映画で、石垣島の白保という所に2ヶ月間おりました時に、漁師のおじいとかおばあとかが三線を弾いて歌ってるのを、お酒飲みながら三線を弾いているのをかっこいぃ〜!と思って、私も絶対海の前で、習って弾くぞー!って思って、引っ越して、それから新宿の今、「とぅばらーま」というお店で三線を習って
徹子: ああ、そう。三線って三味線みたいな形してますよね。
貴美子: はい。
<貴美子さんが三線を持って映っている写真 登場>
徹子: あら、これあなた?
貴美子: はい。こういう格好をして演奏会の時はこのかんぷうっていう沖縄の頭を付けて演奏しないといけないんです。
徹子: ああそうなのー。じゃあ、お着物もそうですね?
貴美子: ええ。こないだ新人賞を受けて、合格したんです。
徹子: あっ、そう!じゃあ賞をお貰いになったのね。
貴美子: はい。
徹子: でもこれ覚えるの大変なんでしょ?楽譜とかあるんですか?
貴美子: ええ、楽譜はあるんですけど、言葉が、歌詞が沖縄の言葉なので、なかなか覚えられないんです。
私がやってるのは八重山民謡っていって、古典なんですけれど、なかなか歌詞が、意味も分からずに、注意して下さる先生の言語でさえ聞き取りにくいんです。はぁ??なんて言って(笑)
徹子: 先生は沖縄の方なんですか?
貴美子: はい、沖縄の方です。
徹子: そうかそうかー。
貴美子: はい。
徹子: でも沖縄の言葉って分析すると、ものすごく、昔の丁寧な言葉なんですよね。いい言葉ですよね。
貴美子: ええ、本当に美しいと思って、絶対習いたいと思って。
徹子: じゃあ新人賞をお受けになったんだから、随分一生懸命やってらっしゃるのね。
貴美子: 今度は優秀賞を目指して(笑)でも三味線は…今、民謡もやってるんですが、こんどうさんすい先生という所で習ってるんですが
徹子: 日本の民謡?それは。
貴美子: はい。それも本当に沢山の数の曲があるので、本当に日本の古典芸能というか、芸は本当に奥が深くて、まあ、何事もそうですけど
徹子: そうですよね。
貴美子: 本当に。
徹子: 民謡なんか、何にもない所でアアア〜♪とかっていうところあるでしょ。あれ、みんなどうやって音とってるんでしょうね。
貴美子: そうですねぇ。コブシをまわす楽譜も面白いのがありますよね。ここは舌を回すとか、色んな複雑な表示をしてるのがありますでしょう?よくこういう事を発見したなぁ、発明したなぁと思いますよね。
徹子: なんか、神田明神の方で和太鼓もやってらっしゃるんですって?
貴美子: ごめんなさい(笑)
徹子: それはどういう意味ですか?
貴美子: あのー、将門(まさかど)太鼓っていう女性だけのグループなんですけれど、外務省の外郭団体になってて、外国で演奏旅行をずっとしてるんですけど、日本の文化を紹介するので
徹子: いらしたことあるんですか?外国にあなたは
貴美子: はい。わたくしが参加したのはアメリカの州を回ったんですけど、かなり評判がよくて、アメリカの方って太鼓とか好きですよね
徹子: あぁそう。じゃあ晒を巻いたりなんかして
貴美子: はい。
徹子: 何ていうのかしら、(脚のあたりを指しながら)白いこういう短いの履いてるでしょ?パッチっていうのかしら?
貴美子: はい、パッチ…
徹子: かっこいいですよね、女の方も綺麗でみんなね。でもあれ、力要りそうね
貴美子: そうですね。私なんか時々しか練習参加してないので、よく皮剥けたりして血だらけになって
徹子: でも海外公演がそれだけ出来るのはいいですよね。
貴美子: かなりいい曲が将門太鼓にはあるので
徹子: そうですか。じゃああなたはアメリカにいらしたけど、他の方達は色んな所に?
貴美子: ええ、フランスだとか、東南アジアもあちこち回って
徹子: まあ、そうですね。和太鼓は本当にみなさんお好きだし、随分みなさん外国へ行って色々な方たち演奏してらっしゃいますものね。
貴美子: ええ。
徹子: じゃあ和太鼓の方も時間があれば神田へいらしてやるわけ?
貴美子: はい。
徹子: お忙しいですね、随分趣味が(笑)
貴美子: ちょっと忙しいですねー(笑)
< CM >
徹子: さて、TVドラマの『くれなゐ』では川島なお美さんとのベッドシーンって、珍しいですよね、女性同志のベッドシーンて。
貴美子: そうですよね、本当に。お嫁に行けなくなったらどうしようとか、ぐじゃぐじゃ言いながら。川島さんは随分大胆な方なので助かりましたけど(笑)
徹子: あ、そう!まあ、色んなラブシーンって沢山ありますけれども、女性同志のっていうのはTVではわりと少ないかもしれませんね、今まで。
貴美子: そうですね。そして経験したこともないですからね。どんな風にしたらいいのか分からないんですね。
徹子: そういう時は詳しい方が来て説明して下さるとか、そういうのはないの??
貴美子: いえ(笑)
徹子: あ、ないの?そういうの、じゃあみんなで研究するだけなんですか?(笑)
貴美子: みんなで、あーだ、こーだと言って、本当はこの人どうだろうとか、適当にいいかげんなディスカッションをして決めるんです(笑)
徹子: あぁ、そうやって決めるんですか。それじゃちょっとわかんないかもしれないですね。でも、余さんは面白い方で、そういうことでもなきゃ、こういう経験は出来ないってお思いになったんですって?
貴美子: そうですね。もしこういうお仕事をしてなければ本当に。こういう仕事をしてますと、色んな役が来ると、すごく楽しいです。妖怪の役も出来れば…
徹子: そうですね。妖怪はあの、西遊記?
貴美子: 西遊記で羅刹女というのを…
徹子: その時はどなたがお出になったの?
貴美子: あの、牧瀬里穂さんと唐沢(寿明)さん…
徹子: あ、一番新しいの?
貴美子: はい、新しいのをTVで
徹子: あ、妖怪役をやったの。色々つけたの?妖怪は
貴美子: 金色のコンタクトに、牙に、爪に、髪の毛も…殆ど私じゃなくても良かったんじゃないかっていうぐらい(笑)
徹子: でもそのぐらいおつけになると不思議なもので、わりと大胆に出来るんですって?
貴美子: そうですね、本当に楽しいですよね。
徹子: やっぱりそういういわゆるレズシーンみたいな、そのままのお顔でお出になるっていうのはなかなか…
貴美子: そうですね、何か付けたり貼ったりする方が楽しいですね。
<貴美子さんが蛇の役の格好をした写真>
徹子: あ、これは何の??
貴美子: これはあの
徹子: 舞台?
貴美子: はい。ホテルで、犯人は誰だみたいに泊り掛けで犯人を探すパーティーみたいなのが流行ったんですよ、一時、今でもやってるんですけど。その時に蛇の格好して歌ったり踊ったりして。手が
徹子: 手が中に入っちゃってるの?
貴美子: はい。
徹子: 身体の中に?
貴美子: はい。錦蛇の衣裳、自分達で作ったんですけど
徹子: そういう、劇団の時に
貴美子: はい。
徹子: あ、そうですか〜。
貴美子: そしてあの、ホテルの客室を回って、そしてお客さんが犯人は誰だって当てて、その方にトロフィーとか差し上げるって企画
徹子: あ、芝居??
貴美子: 謎解き――?
徹子: 謎解き、芝居、実際の人巻き込みっていう感じ??
貴美子: 泊り掛けでっていう
徹子: 歩いてくの大変でしたでしょ!跳ねてったんですか?
貴美子: ええ。蛇のようにこう、くねくねして
徹子: あら面白い!
貴美子: ホテル中を。新宿のかなりおっきい…ヒルトンじゃなくて…
徹子: ああ、大きいホテルで。みなさん協力して下さいました?お客様は。
貴美子: はい、もう大変ですね。
<貴美子さんがチェコスロバキア人の役の格好をした写真>
徹子: あ、これはなんですか?
貴美子: これは東京壱組の時のお芝居の時に。これは一生懸命頑張ったんですけど、ちっともロシア人じゃない、あ、チェコスロバキア人ですか
徹子: でもやっぱりあれですよね。頭につけるものやなんか、ご自分達でお作りになるんでしょ?
貴美子: はい、紙で作りました。
徹子: 紙で作ったりね、貼ったりして。でもなんかそれらしく見えるような、でも随分色んな事やってらっしゃるのね。それからさっきのお婆さんね。一番最初のお婆さん見せて下さい。日本の着物着てる人…
<貴美子さんがお婆さん役の写真(1枚目)、再度登場>
徹子: この人見るとほんとに笑っちゃうわね(笑)これがあなたなのかしらって!
貴美子: これは『分からない国』といって、原田宗則さんという作家がいるんですが、彼が書いた作品で
徹子: これあの、しかももっと可笑しいのは何にも、今のお顔を髪の毛後ろにあげて、ちょっと何か書いただけっていう…
貴美子: ちょっと塗って、鉛筆で筋を皺の所を延ばして…
徹子: でも面白いですよね、女優さんてねぇ。ああやって殆どお化粧をしてらっしゃらないけど、ああいう感じでね、役をやってらっしゃると、あれだけ…
<1枚目と同じお婆さんの格好で、他の出演者の方と一緒に写っている写真を見て>
徹子: 今の人(お婆さんは)は右の人ですよね??
貴美子: はいそうです。
徹子: だから本当に、髪の毛とても上手く老人の色になってるんですけど
貴美子: 毛を薄くするのにぴたーっと留めて、毛が少なくなった感じに
徹子: そうそう、毛が少なくなった感じにしてね。随分だけどそういう風に見えますよねぇ。横顔なんていうのは殆どメーキャップではごまかせないですけどね、随分年取った人に見えますね
貴美子: 歌舞伎のお友達が丁度観に来て下さって、市川右近さんとかがいらして下さった時に、メイク見せてくれっていらして下さったんですよ。あ〜、よかった、成功成功って、その時は思って。一緒に歌舞伎の方達とお仕事した事あるんですよ。その時に、歌舞伎の方達はメイクを教えて下さらないのでこうやって見て、すごい難しそうなんで、沢山塗ったりするんで、あれは出来なかったんですけど。歌舞伎の方達がこんなに簡単なメイクを感心して下さったので、ちょっと嬉しかったんです。
徹子: ああ、そうですかぁ。
貴美子: ええ。
< CM >
徹子: なんか、ご結婚の話っていうのは??
貴美子: 一度も、ちっっとも、とんと無いんです(笑)
徹子: とんと無い!(笑)あ、そう〜。あなたはお母様が日本の方
貴美子: はい。
徹子: お父様が中国の方っていうんですよね。
貴美子: はい。
徹子: 今、山田洋次さんの映画にお出になったっていうんで、みなさんね、色んなお話してらっしゃるんですけど
徹子:
貴美子:
学校V(同時に)
徹子: ええ、ええ、どうでしたか?
貴美子: あのう、憧れの監督でしたので、今回のお話はリストラされた中年の方達が一生懸命頑張るっていうお話なんですけど、本当に参加出来てよかったと思ってます。
徹子: そうですよね。山田さんって素敵な方ですものねー。
貴美子: はい。
徹子: じゃあ、学校Vの封切りを楽しみに、きっとね、みなさん待ってらっしゃると思いますので。どうぞ、色んな方面でまたご活躍を見せてください。
貴美子: はい、ありがとうございました。
徹子: ありがとうございました、本当に。
<音楽と共に番組終了>

その日の貴美子さんについて
髪型は、ちょっとくしゃっとしたアップで、いつも貴美子さんがされてるスタイルでした。お洋服はちょっと変わった模様で、薄ーい、透けた感じの素材です。色は地の色が白で、青と紫が入り混じったような感じで、貴美子さんにピッタリのイメージでした。

イヤリングがとっても可愛くて、アジアンな感じのわりと大きめのをされてらっしゃいました。アジアン好きな私としては、ちょっとばかし欲しい!と思ったりしてしまいました。そうそう、番組中、どうもカチャカチャ音がするなあ〜と思っていたのですが、そのイヤリングがぶら下がりタイプのだったので、そこから音がしていたようです。マイクが音を拾ってたのかな??

番組を見ていて思ったのは、沖縄のお話の時は、特に、貴美子さんがいきいきと話されてらしたことです。本当に沖縄とか、それを取り巻くものたちが大好きで、愛してらっしゃるのだな〜と思いました。でも、これって本当に素敵な、幸せな事。私も何かいきいきとお話出来る人でありたいな。

蛇足。このページを作ろうと思って、一生懸命聞き書きしてたのですが、徹子さんって、本当に喋られるのが早いっっ!書くのが追いつかなくって、何回も巻戻し、巻き戻し…貴美子さんが話し終わる前に次に進んでたりするので、ちょっとそれが残念だったかな?



このページはテレビ朝日、番組、黒柳徹子さん、余貴美子さんとは全く関係ありません。

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