佐野の舟橋


【佐野の舟橋(さののふなはし)
 「万葉集巻14」に次の和歌が有ります。
 “かみつけの佐野の舟橋とりはなし 親はさくれどわはさかるがへ”
 題材の橋がこの付近に有ったとされています。
 橋は烏川(からすがわ)に架かるもので、当時は小舟をつないだ上に板を渡したものでした。
 この橋をはさんだ二つの村の男女が恋仲となり、夜ごと橋を渡って逢瀬を重ねていました。これを嫌った親が、ある夜、舟の板を外して置いたため、これを知らない二人は、川に落ちて死んでしまいました。
 歌はこの史実を万葉期に詠んだものと言います。

 近くには、謡曲“鉢の木”ゆかりの常世神社、藤原定家を祀った定家神社が有ります。

 たびたび流失しましたが、その都度、木橋で架けかえられています。 近年、橋脚が鉄製になりました。


 文政11(1827)に造られた同歌の碑が近くに建てられています。


所在地:群馬県高崎市上佐野町
※上信電鉄「佐野のわたし駅」至近


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