【佐野の舟橋(さののふなはし)】
「万葉集巻14」に次の和歌が有ります。
“かみつけの佐野の舟橋とりはなし 親はさくれどわはさかるがへ”
題材の橋がこの付近に有ったとされています。
橋は烏川(からすがわ)に架かるもので、当時は小舟をつないだ上に板を渡したものでした。
この橋をはさんだ二つの村の男女が恋仲となり、夜ごと橋を渡って逢瀬を重ねていました。これを嫌った親が、ある夜、舟の板を外して置いたため、これを知らない二人は、川に落ちて死んでしまいました。
歌はこの史実を万葉期に詠んだものと言います。
近くには、謡曲“鉢の木”ゆかりの常世神社、藤原定家を祀った定家神社が有ります。
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