1、オフィスブリーチング(歯科医院で行う歯の漂白)

松風社製「ハイライト」(35%過酸化水素水使用)1回約30分かかります。3回程の来院が必要です。

主成分の過酸化水素水の漂白作用によって色が明るくなります。ただし、漂白効果には個人差もありますし、漂白後の後戻りもありますので注意が必要です。

                        

上の写真(左術前 右術後)はホームブリーチングでは色調変化が認められなかった為、オフィスブリーチングでトライしてみた症例です(上顎前歯6本)。施術後の知覚過敏があった為、3ヶ月で3回だけの漂白で限度でしたが、色調は大分明るくなりました。その他今まで当院のスタッフ2名に試させてもらいましたが、色調はワンランク(一人はA4⇒A3、もう一人はA3⇒A2)明るくなりました。今のところそれほど大きな後戻りはないようです。

 

2、ホームブリーチング(患者様自身でご自宅で行う歯の漂白)

米国ディスカス・デンタル社製「Nite White Excel」(主成分は10%過酸化尿素)過酸化尿素は過酸化水素と尿素が結合したもので、水分の存在により、徐々に約3.6%の過酸化水素と約6.4%の尿素に分解します。漂白効果はオフィスブリーチングとの差はほとんどありません。歯科医院で型を採って専用のトレーを作製し、それに材料をご家庭で自分で注入し、約2時間就寝前の時間に装着します(約2週間)。歯肉炎や知覚過敏の起こることがあるので、その際は数日開けて再開します。装着時、うがいや飲食はできません。

オフィスブリーチング同様、漂白効果には個人差があり、またどうしても後戻りがあります。当院では当院ののレセプトを開院以来担当して頂いている方に試させていただきましたが、色調(A4)は全く変わりませんでした。その後暫く中断していましたが、他院では成功しているという話を聞き、再トライしました。

下の写真は先日(平成16年7〜8月)、行ったホームブリーチングの結果です。歯頸部のテトラサイクリンによる着色はブリーチングの難症例なのですが、多少の改善が見られました。写真で見るとあまり違いは分かりませんが、肉眼的には結構改善し、患者さんは喜んでいらっしゃいました。恐らく写真だとライトを当てなければならず、内部の着色が浮き出てしまうためと思われます

cf.漂白のメカニズム

過酸化水素水がエナメル質の表層の部分だけを変化させて内部の色調を目立たなくマスキングするだけである、という説と、エナメル質表層で生成されたフリーラジカル(不対電子をもっているために、他の分子から電子を奪い取る(酸化する)力が高まっている原子や分子)がエナメル質中に拡散して象牙質まで達し、漂白作用を発現する、という説があります。