将棋研究方法

実は、私がしていた将棋研究方法がかなり特殊で、プロ棋士の方が興味を示されました。
この研究方法は、現在でもトッププロの方が採用してます。

パソコンを買う目的が将棋研究の為なんて言うと、笑われたものでした。
森田将棋を見たときに、一般の人はコンピュータを対戦できると思われるでしょうが、その当時のコンピュータは極めて弱く、対戦できるレベルにはありません。
ところが、これに棋譜を登録する機能があって、自分の棋譜やプロの棋譜を記録できるのです。
そしてしばらくして、赤富士というソフトが発売されました。
これには、大量のプロの棋譜が記録されていて、局面検索も出来ます。
ところが、言語がBASICで作成されていて、はっきり言って使い難いです。
森田将棋は、操作性に優れていましたから、まず、森田将棋の機械語を調べて、森田さんがかけているコピープロテクトを外しました。
もっとも、作者の森田和郎さん本人からコピープロテクトの外れた森田将棋をもらってますが、・・・・
次に赤富士のフロッピーを徹底的に調べました。
フロッピーBIOSを調べて、これのコピープロテクトを外し、内部に書き込まれている棋譜形式を調べました。
なんとか、これもクリアして赤富士の棋譜を全局森田将棋の棋譜形式に変換する事に成功したのです。
こういう事は、実は違法なのでよい子の皆さんはマネないでください。
まっ、私はハッカーみたいな性格があるんです。
そして、私独自の研究方法(同一局面検索)を編み出したのです。
同一局面検索は、赤富士にもあるのですが、その棋譜を見つけだすだけで、私はそれにその局面で誰がどういう手を指したか表示するようにしたのです。
赤富士から大量な棋譜が手に入り、誰も知らない同一局面検索を世界でただ一人私だけがやっていたのです。
封じ手というのがありますが、プロ棋士がテレビで予想するより、コンピュータがはじき出したのが当たるという不思議な現象が起こっていたのです。
私は、池袋で行われた名人戦で小林健二八段に見せようとパソコンを会場に持って行きました。
ところが、小林先生が忙しくしていたのと、このくらいプロならやっているだろうと思って見せなかったのです。
これが失敗の元で、将棋研究が1年遅れたのです。
約1年くらいが経過したのですが、NiftyのIDを調べたら、武者野勝巳、淡路仁茂という名前を見つけ、この二人にメールを出しました。
すると、不審に思った武者野六段が「なぜそんなにたくさんの棋譜を持っているか?」質問が届きました。
私が丁寧に答えると、同じ森田将棋で研究している島八段を紹介されました。
その後、淡路九段からもメールが届き、上京したときにこの二人に私の研究方法を見せてあげました。
この二人は棋譜データベースの会のトップで、実はプロでも赤富士のような研究をやっていたのです。
棋泉と言いますが、かかしさんというアマの方にプログラムを頼んで棋譜をデータベースに登録してたのです。
何日かたったある日、電車で日刊ゲンダイの将棋欄を見てたら、ビックリ仰天、4段に渡って私が作成したソフトと同じ機能の説明が載っているのです。
後日、わかったのですが、実は私のソフトそのものの話で、その記事は将棋ペンクラブで入賞したのです。
私は、この研究方法をWindowsに組み込み、プロ棋士の皆さんにお城将棋という名前で使ってもらいました。