5月初旬 晴れ りちゅんが2階の子ども部屋にいるときの事。窓にベチャッと何かがあたって、バタバタズルズルと落ちていく音がしたと騒いでいるので、私はゴミ袋を片手に駆けつけた。(今思うと何故ゴミ袋?)おそるおそる窓を開けてみると、そこにはちっちゃなちっちゃなスズメさん。どうやら巣立ちの練習をしているようだ。 軍 手 春先、鳥が巣立ちの練習をするときには、人間が手助けをしてはいけないとどこかの記事で読んだことがある。その子が上手に飛べるようになるまで、親が必ず見守っているそうなのだ。私はじゃまをしてはいけない・・・。でもここは1階の屋根の上・・・。飛ぶことが出来なければこの子は落ちてしまう? いやいや、羽もどうやら生えてきているようだし、地面に叩き付けられるのはまぬがれるのではないか? 保護をするときに人間のにおいをつけてしまってはいけないと、取りあえず軍手を取ってくることにした。今思うと何故デジカメを取ってこなかったのだろう? 屋根の上でキョトンとしたスズメの子は、まだ世の中の汚れを知らないとってもとっても愛くるしい顔だった。(絶好のシャッターチャンスだったのに!) 飛べた?! そうこうしていると、スズメの子はまた飛ぶ決心をしたようだ。「飛んだ!」・・・というより、落ちた? 我が家の1階の屋根の上から斜め向かいの家の壁に向かって、斜め下に飛ぶスズメ。「あ! ぶつかる!」スズメの子はそのまま壁に激突、バタバタバタ・・・。りちゅんの窓にも同じように飛んできて、止まる事が出来なかったのだろう。おぃ、大丈夫か? スズメの子。 母(父)の声 向かいのお家の下を探したが、姿が見えないのでホットし庭仕事をすることにした。しばらくすると何やらけたたましく鳴き叫ぶスズメがいる。しばらく様子をみていると、どうやらスズメの子の親らしいということがわかった。くちばしにはイモムシをくわえている。それにしても、子を探すときに必死になるのは、人間も鳥もいっしょなんだな。これがスズメの声? というようなギィギィとした悲痛な鳴き声に、胸が締め付けられるようだった。 子の声 スズメさんってあまりおりこうさんではないのかな? しばらく耳を澄ましていると、我が家の庭からピィピィといった子どもの頼りない声がした。親はすぐ側まで飛んできているのに、ずっと鳴き叫びながら首を傾げている。見ているこっちが歯がゆくなってくるくらいだ。近寄ると親も子も逃げてしまうので、遠目に見ていることにした。親が鳴き叫ぶこと約2時間。やっとお互いの位置を確認できたようだったので、おそらく親スズメはイモムシを食べさせてあげることができたのだと思う。それにしても放浪癖(とはちょっと違うけれど)のある子を持つと、親は大変なものね。きちんと巣立てるまで、エサを運び続けるスズメは偉い。涙涙の感動物語だ。 私のとった行動 この日(午後約4時間程)の経緯を、帰宅した撃に一部始終話をした。ホッとしている私に向かって撃が一言。「保護してあげるべきだったんじゃないか?」何故撃がこのような事を言ったかというと、この辺は商店街のゴミなどをあさるノラネコがとても多いということ。まず飛べないスズメなどは格好の標的になる可能性大なのだ。一瞬その不安もあった私。でも、今回は親と一緒に見守ってしまった。私のとった行動は失敗だったかな・・・。あのスズメの子、今頃空を飛んでいるよね・・・。 |