日本とドイツの敗戦の相違(2017.5.18)

(お詫びの言葉)

今年に入ってから、世界経済土地研究所のホームページには、休みが続いてしまいました。た。読者に対し、非常に申し訳なく思っております。

その理由の第一は、わたくしの親戚や近くの友人の死亡が相次ぎ、時間的に緊張状態が続いたことである。人間の死は必然的であり、その場所や時期を人間が選択することはできない。第二の理由は、83歳という筆者の高齢が、強度のストレスに耐えることができなかったことであり、第三の理由は、ドナルド、トランプ氏が米国の大統領に当選されて以来、世界における政治や経済の今までの傾向が、まったく変わってしまい、新しい米国のトランプ政権がどのような方向に世界を引っ張っていこうとするか、いまだに皆目見当がつかないことである。世界の政治と経済は、混迷期というか、大きな転換期に差し掛かったような気がしてならない。米国の70年間も続いてきた強いリーダーシップの内容が変わりつつあり、それに応じて世界の各地域の動向も影響を受けつつある。

私は83歳となり、体力も落ちてきたので、今までのように、精力的にものを書くことはだんだん難しくなっている。今後は一カ月に一本の論文を書くのもできるかどうかと思っている。これが正直な心境であります。

今日、私の懐かしい親友から、ホームページを励ますお金を、突然いただいてしまい、ビックリしてしまった.わたくしが、今まで展開してきた経済理論や、土地政策について、現金の奨励金をいただいたのは、生まれて初めてである。いつも私の自宅に飛び込んでくるのは、今回のような現金ではなく、既成政治家や、新人候補者からの資金拠出のお願いの手紙だけであった。私の仕事に対して、激励金をいただいたのははじめなので、昔の勇気がよみがえってきたといえます。

(マスメヂアと政治との関係)

1 トランプ大統領が、1月20日に、ワシントンで就任式を上げたが、混乱ぶりもかなりなものであった。3カ月たってやっと閣僚人事は終わったが、各省庁の主要幹部の人事はまだ終わっていないという。何よりも目立つのは、「アメリカ第一主義」、「アメリカ、ファースト}のスローガンだけでなく、大統領とメディアとの論争が非常に多いことである。日本で、対岸のアメリカを見ていると、どちらの言い分が正しいかを判断することは難しい。アメリカでそれを見ているアメリカ人もそう思っているのではないか。日本では,首相とメディアが徹底的に対決することは珍しいが、今回のトランプ大統領と米国のメヂアは黒白をつ行けようとするからますます難しい。この点は、非常に重要な点であるが、日本では今まであいまいにされてきている。民主主義のもとのメディアの在り方が、根本的にアメリカで問われているが、同時にトランプ大統領も、アメリカ人から問われているようである。

2 最近、北朝鮮問題が連日のように報道されている。ミサイル発射実験に対し、日本や韓国の期待を受けて、米国が航空母艦を出動させたり緊張が高まっている。一触即発のような危機を感じさせているが、それをトランプ流の外交や手法で組み立ててやっていくので、将来の予測が付きにくい。日本と同じように第二次世界大戦を経験した欧州では、敵国だった、フランスやドイツの間で、友好関係がギクシャクしないが、日本と中国や韓国との間では関係がいつもぎくしゃくしているのが、問題を一層複雑にしている。

3 日本と中国との間はいつもうまくいっていないので、したがって日本と北朝鮮ともうまくいかない。これは、1945年の敗戦以降、日本が、その侵略戦争について、謝罪すべきであるのに、謝罪せずに道徳上の後始末をしていないから起こることなのではないだろうか?日本は、金銭的な補償で、その場の政治的な処理で終わらしているが、ドイツの場合には、道徳的な戦争責任を国の代表者(私の記憶では、国家の大統領)が正式に謝罪している。日本はこれをないがしろにしているので、いくら時間がたっても、中国人や韓国人の日本人に対する気持ちが、スッキリとおさまらないのではなかろうか。70年たっても、韓国や中国と日本が、非常に近い近隣国であるにもかかわらず、うまくやっていけない根本的な理由がそこにあるように思はれる。道徳的な心の清算が中国、韓国、北朝鮮、日本の間で、まだ終わっていないのではないだろうか?これでは、何十年付き合っても、心は互いに晴れやかにはならないだろう。

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