みっちゃんとよっちゃんとひでちゃんは大の仲良しです。
「いつまでも、仲良しでいようね。」
「そうね。」
すると、よっちゃんは良いことを思いついたように言いました。
「そうだ、私たちだけの交換日記をしましょう。」
「さんせい!」
三人は、交換日記を書くことに決めて、仲良くうちにかえりました。三人とも、とてもわくわくしていました。
次の日、よっちゃんは、日記帳を持ってきました。
「これから、毎日順番に書くのよ。絶対に誰にも見せちゃダメよ。」
「うん、わかった。」
こうして交換日記が始まりました。
何日かして、校庭で体育の授業がありました。
「よし、サッカーをやるぞ!」
先生の言葉に、みんな大喜びです。
「おれはいやだな」
クラスの中で、何でも「いやだ」と言うたろうくんが言いました。
「そんなことを言わずに、みんなでサッカーをやろうよ。」
たろうくんは、みんなに説得されて渋々サッカーを始めました。
「なんだ、つまんねーの。」
たろうくんは、ボールを力一杯けりました。
バシーン!
ボールは、みっちゃんの手に当たりました。
「大変だ、すぐに保健室に行きなさい。」
先生が言いました。みっちゃんは、手にケガをしてしまったのです。
その日、みっちゃんは、このことを交換日記に書きました。
「とっても痛かった。もうあんなことはしないでほしいな。」
次の日、みっちゃんは、学校でひでちゃんに交換日記をわたしました。
「昨日は大変だったね。」
「うん。でももう大丈夫よ。」
三人は、仲良く話していました。
「あっおまえら、それ、交換日記だろう。見せてみろよ。」
一人の男の子が、交換日記を見つけて大きな声で言いました。
「いやよ。絶対に見せないんだから。」
「いいじゃないかよ、見せろって!」
「いやよ。絶対にいや。あっ!」
ひでちゃんが、交換日記を隠そうと背中に回した瞬間、もう一人の男の子が後ろに回って交換日記を素早く取り上げました。
「かえしてよ。」
「へへん。やだよ。ほら。」
交換日記は、足の速い男の子に持って行かれてしまいました。三人がとめる間もなく、中身を見られてしまいました。
「あっ。悪いんだ。こいつらたろうの悪口を書いているぞ。」
「おい、どういうことなんだよ。」
そこに、たろうくんも入ってきました。
「あんたたちには、関係ないでしょう。かえしなさいよ。」
よっちゃんたちは、もう泣きそうでしたが、一生けん命にがまんしました。
「どうしたんだ。」
そこに先生が入ってきました。
「あっ先生。こいつ、たろうの悪口を交換日記に書いていたんです。」
「違うわよ。悪口なんかじゃないんだから。」
「おれは、見たんだぞ!」
クラス中が大騒ぎになってしまいました。
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