子どもたちがつくったWeb(ウェブ)ページ

作成:1999.9.23
修正:2006.10.1

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目 次

  1. はじめに
  2. Webページづくりについて
  3. Webページができるまで
  4. 成果と問題点

《資料》


1.はじめに

 本学級では夏休みに、学習相談や弱点克服などのために「特別教室」を行いました。その中で、「自由研究の発表形態は紙だけじゃない、インターネットでも発表してみよう」ということになりました。私自身も子どもたちがどのくらいできるものかわからなかったため、希望制にし参加者を募りました。運動会の準備など忙しい中での取り組みなので、挑戦したのは5人(研究は3つ)です。できあがったものは、11月15日締め切りの「さいたまホームページコンテスト'99」への出品を予定しています。

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2.Webページづくりについて

 いわゆるホームページ(正しくはWebページ1 という)としてインターネットで公開するためには、公開するファイルをhtmlという形式でつくらなくてないけません。これ自体は、どんなパソコンでもつくることができます。htmlという形式で文章をつくると、文章の中の「タグ」と呼ばれる命令が特定の働きをします。センタリングや行間の設定、文字サイズや文字色の設定なども、この「タグ」で設定します。普通にこの文章を見ると、何がなんだかわかりませんが、Webブラウザー(インターネット・エクスプローラーやネットスケープ・ナビゲーターなど)を使ってその文章を開くと、Webページとして見ることができるのです。しかし、この「タグ」を理解し使いこなすことは、初心者にはかなり難しいことです。

html

(この文章を、Webブラウザーで見ると)

browse

 そのため、ワープロ感覚で簡単にhtml形式のファイルをつくることができるソフトがあります。これを使えば、子どもたちでも簡単にインターネットで公開できるファイルをつくることができます。こうしたソフトには、一般的なワープロ機能のほかに、見やすいWebページをつくるための装飾・編集・部品設置などの機能も付いていることが多いです。

memo

 今回の取り組みでは、学校に導入されたパソコンの中に標準でインストールされている、「FrontPageExpress」を使いました。このソフトは、Webページを1枚ずつ作っていくソフトで、機能も厳選されている優れたものです。もちろん、子どもたちが使っても大丈夫です。難しいことはできませんが、子どもたちにしてみれば、必要充分なスペックと考えています。あわせて、無料で使えるという点が最大の魅力でしょうか。高価なソフトの中には、多機能過ぎて、あるいは親切すぎて使いにくいものもあります。この点は、子どもたちの状況や教師側がどこまでやらせたいと思っているかなどをよく考え、適切なソフト選びが重要であると感じます。

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3.Webページができるまで

A.Webページにする研究を選ぶ

 今回は、子どもたちがやってきた「夏休みの自由研究」を題材にしました。研究によっては、Webページにしにくいものもあるのですが、今回挑戦してくれた子どもたちの研究は、それほど難しいものではなかったので、すぐに選ぶことができました。Webページにしやすいポイントは、

  1. 研究の流れや結果がはっきりしていて、見出しができていること
  2. 表や図などが適度に挿入されていて、文章とのバランスがとれていること
  3. 研究自体が人に見せることを前提に行われていること、などがあげられます

a.については、目次やリンクの設定をするために必要な条件です。b.については図ばかりや文ばかりでは、見ている相手に研究内容が伝わりにくいためです。c.は、Webページの性格上、プレゼンテーションされることを前提にしているものは、よりWebページにしやすいということです。

B.「FrontPageExpress」で文章の打ち込み

 実は、うちのクラスの子どもたちは、キーボードを使ったことがありませんでした。個人的に、キーボードに慣れさせるためのコンピュータ教育は必要を感じないので、今までさわらせないでいました。2 そこで今回は、キーボードの使い方から勉強を始めました。

 コンピュータに日本語を入力するときに使ったのは、MS社の「IME」というプログラムです。

IME←IMEのメニューバー

 これも、Windowsには標準でインストールされています。設定をかな入力にし、ひらがなで入力していきました。

IME_property

 漢字に変換するときは、スペースバーを使います。間違えたら、バックスペース(Backspace)キーで戻ってやり直します。
 こうした基本的な操作を教えた後、自由研究の内容をWebページにしていきました。
 冒頭に、研究の題と研究日、研究者名などを打ち込み、続いて目次を作ってから、本文に入りました。この形式は、普通の論文とほぼ同じです。違うところは、目次が単純に目次なだけでなく、目次からそれぞれの見出しまで飛ぶ(リンク)することができるようになっていることです。また、研究のまとめ方については、事前に理科自由研究のまとめ方というプリントを作成して指導していました。ですから、子どもたちがやってきたものは、これに準じて作られていましたので、動機、実験結果、考察、感想まとめなど、それぞれをパーツのように別々に打ち込んで、つなげていくことができました。
 これ以外の飾り付けや表づくりについては、基本的なことをおしえて自由にやらせてみました。時々つまづくことはありましたが、試行錯誤しながら一生懸命にやってくれました。

C.映像の読み取り

 次に、研究のためにつくった絵や表や図などをスキャナで取り込んで、インターネットで公開できる形式に作り直しました。普段インターネットで使われている映像は、ジェイペグ(JPEG)かジフ(GIF)形式といわれる映像ファイル圧縮技術3 を使って圧縮されたもので、スキャナで取り込んだだけではつくることができません。ですから、スキャナで取り込んだものを別のソフト「ペイント」(これもWindowsに標準インストール)を使ってGIF形式にしました。若干色合いが悪くなるのですが、それは我慢して、一番安上がりで簡単な方法でやりました。

D.映像の配置と完成

 いよいよ大詰めです。ほぼテキストだけだった画面に、映像を配置していきます。大きなものは、別ファイルを開くようにし、読んでいる人が読みやすいように工夫をしました。ここまでくるとさすがに子どもたちだけでは作業ができなくなってきたので、私も一緒に加わりました。目次からのリンクや関連情報へのリンク、壁紙を張り付けたりフレームを切ったり字を飾ったりと、様々な装飾を施して完成です。ローカルマシーンでの動作確認4 を済ませ、すべてフロッピーに保存して提出の日を待ちます。はじめてにしては、なかなかよい作品ができあがりました。

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4.成果と問題点

 今回の取り組みの中での一番の成果は、研究さえしっかりしていれば、かなり見ばえのするWebページができるということがわかったことです。Webページの考え方自体が、プレゼンテーション=人に自分の考えを主張することを目的としているため、研究発表の形態としては最適な環境と言うことができます。したがって、クオリティーの高い研究をしていれば、それだけ、内容のあるWebページができあがるということなのだと思います。また、紙を媒体にしていると、書く順序や量などが見やすさを左右しますが、Webページでは、簡単な内容を表にして、より深い内容をリンクを使って見せるようにすることで、見る側の興味・関心に応じて表現することができるのです。
 また、子どもたちにキーボードやソフトの操作方法を教えていく中で、コンピュータの操作は、「操作のための学習」をするよりも「学習の中で学ぶ」方が飲み込みが早いということがわかりました。キーボードの操作を覚えるのは、「目的」ではなく「手段」です。キーボード操作を覚えるためだけの学習は、無駄とは言わないまでも、目的感のない学習になってしまいます。むしろ、「使いながら覚える」ことの方が重要であろうと感じます。その意味で、情報ツールとしてのコンピュータは、あくまで道具ですから、今回のような使い方はまさに表現の道具としての使い方であったと思います。

 次に今後問題になると思われる点は、これだけ表現が自由にできる環境で、どれだけクオリティーの高いものを作り出せるのか。それを追求するためには、作者のセンスを磨くことが大切であると感じます。簡単に言えば、ギターの弾き方やピアノの弾き方がわかっても、簡単に優れた曲が作れるわけではないということと同じです。文章にしろ研究の着眼点にしろ、ありきたりのものでは人は見てくれません。Webページにする理由もなくなってしまいます。そのために、日頃から考える力や発想力を大切にし、それを文章や言葉でわかりやすく人に伝える練習をしておかなくてはならないと感じました。
 また、情報発信者の心構えとして、情報倫理の点で徹底すべきことやネチケットといわれる部分を認識させておくことは、今後の課題になると感じました。
 インターネットの社会に年齢は関係ありません。きちんと自分をPRできなければ誰からも相手にされません。不用意な発言も、混乱を招く元になります。さらには、故意に不本意な攻撃を受けることもあります。これらのすべてに対処することは難しいことですが、少なくとも子どもは子どもなりに自己責任や自己防衛の方法、ネットワーク上のマナーを知っておく必要があると感じます。この点については、指導する教員がいかにインターネット事情に精通しているかという点も問題になると感じました。

 最後に、今回の取り組みを通して、子どもたち個人が、自分の考えをコンピュータを使って発表することは、それほど難しいことではないのだということがわかりました。近い将来、子どもたちが自分の考えをコンピュータを使って発表・表現することが、当たり前のようになっていくという予感がしました。
 今回の取り組みで得た手応えを持って、今度はクラス全体で、調べ学習の発表をWebページでやることにしました。子どもたちの意欲や理解力などがバラバラなため、ひな形を作って、それに従って文章を打ち込んでいくという方法を採ります。
 この取り組みに積極的に参加してくれた5人の児童に感謝しつつ…。

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《資料》

  1. FrontPageExpressの起動
  2. ペイントの起動とGIF保存

1.FrontPageExpressの起動

A.スタートメニューからFrontPageExpressを選択する

start


program

B.FrontPageExpressが起動します

window

 メニューバーの下にならんだアイコンで、いろいろな機能を使うことができます

C.アイコンにないものはメニューの中にあります(重複した機能もある)

insert

D.htmlで編集・微調整したいときは

visual

html

E.保存

 保存のしかたは、ほかのソフトと同じです。名前の付け方に決まりをもうけて、わかりやすくつくりましょう。また、ファイル名は、アルファベットの小文字でつけるようにしましょう。スペースは「_」を用いるようにし、「&」「%」「/」「.」「\」など特別に意味のある記号は使わないようにしましょう。

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2.ペイントの起動とGIF保存

A.スタートメニューから「ペイント」を起動します

paint

B.ペイントで映像データをつくる

 今回は、スキャナから絵や図を読み込んだり、ペイントで絵を描いたりして映像データをつくりました。

window

C.GIF形式で保存する

save

 ファイルメニューから保存を選択した後、上のようなダイアログが現れるので、ファイルの種類を「GIF」に設定する。ファイル名についてな、FrontPageの保存と同様、いくつかの決まり事がある。

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1 ホームページというのは、Webページブラウザーソフトの「ホーム」という名前からきているといわれています。本来、ブラウザーを起動させてはじめに(標準で)表示されるページを「ホーム」といいます。また、あるコンテンツ(htmlファイルのまとまり)の一番表になるもの「ホーム」という場合がありますが、それも本来はTopPageと呼んでいます。 【↑もどる】

2 コンピュータの機能の向上により、コンピュータ操作に必ずしもキーボードを必要としなくなっています。近い将来(もうすでに)コンピュータは、キーボード付きのエンジニア&事業者向けのものと、キーボードなしのコンシューマー&初心者向けのものに変わっていくと考えています。(例:ドリームキャスト、DoCoMo i-modeなど)
ということで、キーボードになれることが、情報機器としてのコンピュータを使いこなす近道とはいえなくなってしまった(昔は違った)ので、子どもたちにはキーボードを使わせていませんでした。
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3 映像のデータというのは、かなり容量の大きなものです。現在のように電話回線を使ってインターネットに接続しているような状態では、転送速度が遅いために、それを見るために数十秒から数十分をかけなくてはいけなくなってしまいます。そこで、映像データを圧縮する技術が開発されたのです。それが、JPEGやGIFです。この技術の開発により、映像データを気軽にWebページ上で公開することができるようになりました。 【↑もどる】

4 Webページはそれを公開する前に、つくったパソコンなどで正確に動くか確認しておく必要があります。htmlの文章は、記述にまちがいがあってもコンピュータを壊すようなことはありません。しかし、自分の意図したとおりに動かなければ、せっかくの研究発表が台無しです。そこで、インターネットに公開する前に、自分のパソコンで正確に動くかどうかを確認しておいたほうがいいでしょう。 【↑もどる】

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