第2学年5組 算数科学習指導案

平成12年6月29日(木)第4校時
授業者 寳迫 芳人

TOPページへ ページの最後へ

1.単元名・小単元名

1000までの数・数のあらわしかた

2.題材について

〈児童観〉

 本学級の児童は、総じて、算数の学習に関しては前向きに取り組み、いろいろな方法を考えたり、考えたことを表現したりすることが好きである。また、作業的活動に興味を持ち、進んで取り組む姿も見られる。

 これまでの算数の学習の中で、「100までの数」についての学習をしてきている。また、十進位取りを意識した2桁までの加減法の学習も行っている。このため、100までの数については、その位取りの仕組みをある程度理解している。しかし、まだ位取りの表記方法については、完全な定着を見ていない。

 算数の学習については、問題解決的な学習を通じて具体物の操作や、思考を言葉や図で表現することに取り組んできた。そのため、自分の考えたことや課題解決の流れなどを言語や図で表現することは、かなりできるようになっている。

〈教材観〉

 本単元の教材は、1年生で学習した「100までの数」の学習を「10000まで」広げるための前段階の意味合いを持っている。十進位取り記数法の基本的な仕組みは、100まででは完成せず、1000、10000と行くことではじめて完成を見る。今までの学習で出てきた、「1が十集まって10になる。10が十集まって100になる。」という考え方を使って、「100が十集まったら」というところまで考えを発展させることで、「十進」の基本的な考えが理解されるのである。また、10000以上は、一から千を繰り返すことからもわかる通り、日本語の十進位取り記数法は一から千の4桁を基本としているのである。このことを学習することが基礎・基本となって、3年生以降のさらに大きな数の学習へとつながっていくのである。

 また、100くらいの数であれば具体物の操作によって、数量を調べることができたし、実感することができた。しかし、100を越えて1000、10000と進んでいくと、具体物の操作が難しくなってくる。そこで、子どもたちの思考を徐々に「抽象的な思考」へと変換させていく必要が生じる。数の抽象的操作を練習させることも、この教材の目的である。

〈指導観〉

 以上のことをふまえて、「1000までの数」について、その位取り記数法の学習をする。

 子どもたちの興味・関心を持続させるために「さんすうはくしゃくからの手がみ」というストーリー(別紙)を用意した。これは、単元を通して子どもたちへ「さんすうはくしゃく」というキャラクターが問題を提示する形になっている。このことにより、子どもたちの意欲が増し、進んで問題解決に取り組むであろうと考えている。

 また、はじめの段階で抽象思考への橋渡しとして具体物を使った学習を取り入れる。100を超える数について、数え方に工夫して実際に数えさせることによって、「1を十集めて10」「10を十集めて100」といった数量感覚を養い、さらに頭の中で「十集めると」と、徐々に抽象思考へと移行させていきたいと考えている。

3.単元計画(7時間扱い)

(1)単元の目標

[算数への関心、意欲、態度]

・まとめて数えたり、分類して数えたりする良さを知り、日常生活の中で生かそうとするとともに、数の表し方の仕組みについて関心を持ち、数え方や表し方を工夫しようとする。

[数学的な考え方]

・十進位取り記数法の原理に着目して十や百を単位とした数の見方に気づく。

[数量や図形についての表現・処理]

・1000までの数について、数えたりかいたりすることができる。

[数量や図形についての知識・理解]

・1000までの数について、数の読み方や書き方、数の構成や大小、順序、系列などがわかる。

(2)単元の学習計画

小 単 元 時数 学 習 内 容
数のあらわしかた 7 1
本時
・3位数の数え方と唱え方、位取りの原理
●具体物を使った算数的活動
2 ・3位数の記数法と位取りの原理
・空位のある3位数の記数法と位取りの原理
1 ・3位数の構成(合成・分解)
1 ・3位数の相対的な大きさ
(乗法的・除法的)
1 ・3位数の系列、順序、大小
1 ・1000の構成、唱え方、読み方、書き方

4.本時の学習(1/7)

(1)目標

[算数への関心、意欲、態度]

・具体物を10や100のまとまりにして、意欲的に数えようとする

[数学的な考え方]

・100以上のものの数え方を考えることができる

[数量や図形についての表現・処理]

・10や100のまとまりにして、工夫して数えることができる

[数量や図形についての知識・理解]

・10を10集めて100の束を作り、100以上のものの数を数えることができる

(2)展開 ○主な発問、●予想される反応

※記号の見方…楽しさを感じる→J 評価項目→S

・【かんがえること】
S 3.意欲的に課題を考えることができたか
(関)
時間 学習活動 指導上の留意点 備考・準備・資料
評価項目および参観の視点
7 1.問題をとらえ、答えを予想する
○さんすうはくしゃくから手紙がきましたので読みます
《別紙参照》
・ノートにはあらかじめ日付、単元名などをかかせておく
・問題に興味・関心を持たせる
J 1
・【さんすうはくしゃくからの手がみ】
S 1.問題に対して、興味・関心をもって聞くことができたか
(関)
【もんだい】
はこに入ったお金を数えてほしい。
○どのくらいあるか予想してみよう
●100くらい
●1000くらい
●100より多い




○100よりも多いかもしれないという意見が多いようだね
・「手がみ」を読んだ後、班ごとに問題のお金を渡す
J 2

・はこの中にバラにしたお金を入れて配る
・お金
{1Gさつ}
1班…210枚
2班…236枚
3班…187枚
4班…205枚
5班…190枚
6班…230枚
7班…229枚
8班…208枚
・はこ×8個
S 2.意欲的に取り組もうとし、自分なりに予想を立てることができたか
(関)
3








20





















13

2.学習課題を立てる
○今日の勉強は何を考えればいいのかな
・一からすべてを数えることが難しいことを理解させ、「数え方の工夫」に意識を向けさせる
J 3
【かんがえること】
100以上のものの数え方を考えよう
《算数的活動》
3.課題解決
○班ごとに一G札を工夫しながら数えてください
【班ごとに作業する】
●1から順に数える(多数)
●10の束を作る(少数)

○いったんやめてください
●数えているのに…
●なんでやめるの!

○途中でとめられても、わからなくならないような方法を考えましょう
●10の束を作る
●50の束を作る
●100の束を作る
●1から順に数える(少数)
・子どもたちの試行錯誤を大切にする




・いくつまで数えたのかを確認する


・「途中で声をかけられても数えられる」ように束にしていくと数えやすいことを意識させる
・束にした班には、輪ゴムが使えることを知らせる
・手間どっている班には「十の束が10で百」を支援
J 4












S 4.自分なりに工夫してお金を数えられたか
(考)

・輪ゴム(1箱)
4.数えた結果を発表する
○班ごとにどのように数えたのか、一G札が何枚あったか教えてください

●1班…210枚
●2班…236枚
●3班…187枚
●4班…205枚
●5班…190枚
●6班…230枚
●7班…229枚
●8班…208枚

○1、10、100のそれぞれの束ごとに数えていけばいいんだね
・それぞれの班での数え方を説明させる
J5
・各班の結果を掲示する

・正解よりも子どもたちが数えた結果を優先する
・それぞれの班の結果を確認する





・束ごとに数えればよいことを確認する
S 5.自分たちの班のやり方を説明できたか
(表)
・お金
{1Gさつ}×10の束
{1Gさつ}×100の束
※いずれも絵でよい
7 5.まとめ
○今日の学習でわかったことを書きましょう
○書けた人は発表してください
・一時間をふりかえり、わかったことをノートに書かせる
J6
・机間指導の中で発表者をきめておく
・【わかったこと】
S 6.十進法の仕組みを知り、自分なりに一時間のまとめができたか
(考・表・知)
次時の学習 ・記数法についての学習
・3桁の数の書き方、読み方の練習

(3)備考

男子16名、女子17名、合計33名

【板書計画】

TOPページへ ページの最初へ

Copyright(C) 1997-2010 Yoshito Hosako(寳迫 芳人). All rights reserved.